世界のマルウェア・ボットネット対策に貢献しているShadowServerが継続の危機
マルウェアに感染している疑いのあるシステムやボットネットの情報を提供し、安全なサイバースペースの維持に一役買っているサービス・ShadowServerが、15年以上にわたって続いてきたシスコシステムズからの資金提供打ち切りにより、あと2カ月で最低4億円必要という危機に陥っています。
Saving Shadowserver and Securing the Internet — Why You Should Care & How You Can Help | The Shadowserver Foundation
https://www.shadowserver.org/news/saving-shadowserver-and-securing-the-internet-why-you-should-care-how-you-can-help/
The Web’s Bot Containment Unit Needs Your Help — Krebs on Security
https://krebsonsecurity.com/2020/03/the-webs-bot-containment-unit-needs-your-help/
ShadowServerは、4600以上のISPや、136カ国・107の国家コンピューター緊急対応チームに向けて、ボットマルウェアに感染した危険性のあるシステムに関する情報を無料で、毎日配信しています。過去には「Avalanche」「Rustoc」「Gameover」「Nitol」といったボットネットや攻撃への対応が知られているほか、つい先日も、世界最大級のスパムおよびマルウェアボットネットの1つと目される「Nercurs」の停止に関わっています。
長らく、事業の継続にあたってはシスコシステムズから資金提供やスタッフ協力が行われてきましたが、このたび、ついにShadowServerに対してシスコシステムズから「メインの財政支援者で居続けることが難しくなった」と、事実上のスポンサー降板通知が届いたとのこと。
この結果、ShadowServerでは技術スタッフ7人が離れることになり、データセンターにある104個のラックと1340台のサーバー、約12PBのストレージも2020年5月26日(火)までに引き払う必要が出てきました。
必要経費は、データセンターの移行が400万ドル(約4億円)、2020年分のオペレーションコストが1700万ドル(約18億円)。合計すると2100万ドル(約22億円)。
こうした危機的状況にあるということで、広く助けを求めることになったというわけです。
お金の支援は、高額なのであれば連絡フォームからの連絡が必要ですが、少額であればPayPalを用いた募金でOKだとのことです。
Become a Sponsor | The Shadowserver Foundation
https://www.shadowserver.org/sponsor/
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