レビュー

落命を重ねて己の無力さを痛感しながらアクションゲームの楽しさに目覚める戦国死にゲー「仁王2」


全世界累計販売本数が300万本を突破した人気戦国死にゲー「仁王」の正式続編となる「仁王2」が、2020年3月12日にPlayStation 4向けに登場しました。続編とはいえストーリー自体は前作の続きものというわけではなく、前作よりも前の時代を舞台にまったく新しいキャラクターたちによって描かれるものとなっているため、初めてプレイする人でも間違いなく楽しめるものとなっています。それだけではなく、最大のウリであるアクション要素も前作からさらにスケールアップしており、よりド派手かつ鬼畜に仕上がっているとのことで、実際に仁王2をプレイして何度も命を落としながら、己の無力さと独特でダークな世界観を堪能してみました。

仁王2 公式サイト
https://www.gamecity.ne.jp/nioh2/

仁王2の醍醐味は何と言っても、強力な敵との緊迫したバトル。敵の攻撃を1発食らうだけで体力が一気に半分以下に削られることもあるので、肌がヒリつくような緊張感がプレイヤーを支配します。それでも巨大な獲物を駆使する敵の攻撃をかいくぐり、懐に潜り込んで攻撃しなければいけないので、何度も何度も落命を繰り返し、敵の行動パターンを頭に入れ、攻略を進める必要があります。

「仁王2」で巨大妖怪の牛頭鬼と戦闘するとこんな感じ - YouTube


シリーズ1作目「仁王」の舞台は、織田信長が天下統一を目前としたタイミングで明智光秀に自害に追い込まれた「本能寺の変」が起きた後の世です。安土桃山時代を舞台としながら、主人公は異国からやってきた海賊・ウィリアムとなっており、徳川家康と石田三成の戦いに巻き込まれながら、「関ヶ原の戦い」を経て江戸幕府成立に向けた戦いに挑んでいくこととなります。

それに対して、「仁王2」の舞台は1555年の戦国時代真っただ中。主人公は人と妖怪の間に生まれた「秀の字」と呼ばれる半妖と、俳優の竹中直人さん演じる霊石商人の藤吉郎です。藤吉郎というのは豊臣秀吉の改名前の名前で、主人公も「秀の字」と名乗っていることから、公式サイト上では「二人が戦国時代を”仁王”の如く駆け上がる、『秀吉』の物語の幕開けであった。」と説明されています。


ゲームをスタートすると、最初に主人公の「秀の字」の外見設定を行います。設定にはベース・顔・髪・髭・化粧・体・声・妖怪化時・ランダム設定といった項目があり、性別も自由に選べます。


例えば設定項目の「顔」を選べば、輪郭・渋さ・眉・目・瞳・鼻・口・耳・顔の装飾1・顔の装飾2という項目があり……


「輪郭」を選ぶと、さらにプリセット・額の前後位置・頬骨の上下位置・頬骨の左右位置……といった具合に、かなり詳細にキャラクターの外見を設定することが可能。


筋肉量や骨の位置までかなり細かく設定可能で、隈取なんかのイロモノ装飾もあるので自分だけの秀の字を作り上げることができます。仁王2にはオンライン要素も含まれており、他プレイヤーと一緒にミッションに挑戦することも可能なため、しっかり自分だけの秀の字を作っておくのが良さそうです。


キャラクタークリエイトが終了すると、チュートリアルおよびゲーム中で使用する武器や守護霊の選択を行います。仁王2ではさまざまな武器を使用することができ、前作には存在しなかった「薙刀鎌」や「手斧」といった新武器も追加されています。選択した武器によりステータスの振り方が変わってくるのですが、ステータス自体はゲーム中で入手できるアイテムの「六道輪廻の書」でいつでも振り直すことができるため、後から別武器に路線変更するということも可能です。


仁王2ではさまざまな武器が存在するだけでなく、上段・中段・下段という3つの構えも存在します。簡単に説明すると「上段」は攻撃に優れ、威力の高い技を繰り出せるものの気力消費(攻撃や回避などの攻撃時に消費されるゲージ)が多い構え。「中段」は防御に優れ、攻撃範囲の広い技が多めで扱いやすい構え。「下段」は回避に優れ、気力消費が少なめで動作の隙も小さい構えです。隙は多いが体力は底なしな大型の妖怪に対しては上段で高威力の攻撃を狙い、手数の多い二刀流の侍などに対しては下段で隙の少ない攻撃を駆使するなど、状況に応じて構えを変えて戦うことが仁王2攻略の大きなカギとなります。

また、仁王2では各構えごとに「速い攻撃」(□ボタン)と「強い攻撃」(△ボタン)を使い分けることもでき、さらに各武器固有のスキル(特殊な攻撃)も存在しているため、1つの武器でもかなり多彩な攻撃を繰り出すことが可能。以下のムービーでは上段・中段・下段での速い攻撃と強い攻撃および、刀の一部スキルを繰り出しています。

上段・中段・下段の3つの構えを駆使して戦う「仁王2」の刀アクション - YouTube


さらに、前作にも存在した「守護霊」を3つの中から1つ選びます。前作ではゲージを溜めて、必殺技的な役割の「九十九武器」を発動することができました。ただし、今作では「九十九武器」の代わりに「妖怪化」が発動するようになっており、プレイヤーの見た目が完全に妖怪になり、強力な攻撃を繰り出せるようになります。実際に妖怪化して戦う様子は、以下のムービーで確認可能。

「仁王2」で新登場した妖怪化はこんな感じ - YouTube


加えて、仁王2では守護霊に新しく「猛」「迅」「幻」という3つのタイプが割り当てられており、それぞれのタイプごとに妖怪化時の見た目および、妖怪の繰り出す強力な攻撃にカウンター的に発動することで大ダメージを狙える「特技」が変化します。「猛」はこの特技が当てやすいため、初心者向けの守護霊タイプといった感じ。「迅」や「幻」は特技を発動してカウンターが決まるタイミングがかなりシビアになるため、慣れるまで少し時間が必要になりそうな印象です。


なお、武器や守護霊の選択は実際に操作しながら選べ、基本操作や妖怪化操作のチュートリアルを行うこともできるので、武器や守護霊を選ぶ前にじっくり各武器や守護霊タイプごとの違いを体験することが可能です。


仁王2のアクションのベースは前作と同様ですが、敵のアクションは前作よりも豊富になっているため、前作をプレイした人も「アレ?!動きが違う!」と戸惑う部分があるはず。


さらに、敵が以下のように赤いオーラのようなものをまとうと、食らうと一撃で死亡するレベルの強力な攻撃を繰り出してきます。この攻撃は回避するか、特技(R2+〇ボタン)を繰り出してカウンターを取る必要があるのですが、守護霊のタイプによっては発動タイミングがシビアだったりします。また、敵の強力な攻撃も複数の種類があるため、カウンターを狙ったのにタイミングを外され……


落命ということも少なくありません。ただし、仁王2は「戦国死にゲー」というだけあって、何度も死にながら敵の行動パターンを覚え、ステージを攻略していくゲームなので、1度や2度の落命でへこたれる必要は全くありません。というか、少しガードや回避をミスすると、簡単に雑魚敵にすら落命させられてしまうので、何度命を落としても諦めない不屈の心こそが必要とされます。


なお、一度落命すると、それまで集めたアムリタ(レベルアップに必要なアイテム)と守護霊を落命した場所に落としてしまいます。これが落とした守護霊で、落命した場所まで戻ると回収できますが、回収する前に再び落命してしまうと守護霊は戻ってくるもののアムリタは永遠に失われてしまうので、連続して落命しないよう細心の注意を払う必要があります。


なお、仁王シリーズでは別プレイヤーが落命した場所に、「血刀塚」と呼ばれる赤い刀が地面に刺さっています。これに近づくと死因が確認できるので、近くにどんな危険が潜んでいるかを知ることが可能。それだけでなく、血刀塚から落命した他のプレイヤーが妖怪化した姿である「屍狂い」を出現させることも可能で、この屍狂いはプレイヤーのプレイスタイルを反映したAIで制御されています。これを倒すと他プレイヤーの装備を一部入手可能なため、レベルの高いプレイヤーの装備を入手するために屍狂いとの戦いに挑む、というのも仁王シリーズの醍醐味のひとつ。


装備品の種類は以下の通り。武器は同時に2つ装備可能で、弓・銃・大筒といった遠距離武器も2つ装備できます。防具は兜・胴・籠手・膝甲・脛当の5種類あり、重さが設定されているので装備によって動きが遅くなったり回避時の気力消費が多くなったりします。装備によっては同じ種類のものを揃えると特殊効果を得られるものもあるので、なかなか敵が手強くて倒せないという場合は、装備をそろえるのもひとつの手です。


装備の種類の豊富さや特殊効果の豊富さからもわかるように、仁王2はアクションパート以外の要素もかなり多彩かつ細かく用意されており、これらをしっかり覚えて使いこなすのはなかなか骨の折れる作業となります。ただし、結局のところは「強敵とのバトル」を楽しむことがこのゲームの本質であり、その他の要素はバトルを有利に進めることにつながる副次的なものに過ぎないため、まったく手をつけなくても済むケースも多々あるので、適度な距離感を保ってストレスなくゲームを進めていくことが良さげです。


他にも、仁王2では新たに「義刀塚」という青色の刀がステージ上に存在するケースがあります。これを使うと他プレイヤーのAIを助っ人として呼ぶことができるため、どうしても倒せない敵に対してはこれを使う手もアリです。


中には仁王2の開発元であるコーエーテクモゲームスでおなじみの「シブサワ・コウ」の義刀塚も。ただし、義刀塚から出現する助っ人はボス戦では割とあっけなくやられてしまうので、義刀塚があるから攻略が劇的に楽になるということはなく、しっかり「戦国死にゲー」としての難度の高さは保たれている感じ。


また、仁王2ではオンラインで最大3人のプレイヤーとミッションクリアを目指す「常世同行」というモードもあります。ひとりのプレイヤーが落命しても、他のプレイヤーが救援して復活させることが可能となっていますが、救援できる回数には限りがあり、かつ、ひとりプレイ時よりも敵が強力になっていたり、数が多くなっていたりするので、難度は大きく変わらない印象。


仁王2では前作よりも武器の種類や特技・妖怪技などが増えていますが、アクション要素のベースは変わらず。ゲームでもさまざまな追加要素がありますが、あくまでも「アクションを楽しむゲーム」であることは明白で、ストーリーを含め、アクション以外の要素はゲームを円滑に進めたりプレイヤーが楽しむためのオマケといえそうです。少しの隙を見せるだけで一瞬で死んでしまう理不尽なほどの難度は相変わらずで、「これぞアクションゲームをプレイしている!」という感覚がたまりません。

また、今回からは体力が減少したり、敵が複数同時に襲いかかってきたりすると、いかにもピンチな時に流れそうなBGMが鳴ります。これがプレイヤーの心境と合致しており、良い具合に緊張感を煽ってくれてグッド。以下のムービーでも3人の敵に囲まれたところから、突如BGMが流れ始めることが確認できます。

「仁王2」で新登場した妖怪化はこんな感じ - YouTube


そして、何と言ってもキャラクターのレベルを上げたり装備を更新したりしても、プレイヤーが正しく秀の字を操作できていなければ、簡単に敵にやられてしまうというのもポイント。つまり、プレイヤーは何度も死にながら自分自身の「ゲームコントローラーを操作するスキル」を磨き上げていく必要があるわけで、秀の字と一緒に自身も成長しなければいけないのが最大の魅力といえそうです。


なお、仁王2はAmazon.co.jp限定版が税込8580円、通常版が税込7018円で販売されています。

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in レビュー,   動画,   ゲーム, Posted by logu_ii

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