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格差が大きい国の人ほどキスをすることが6大陸にわたる調査で判明


「なぜ人はキスをするのか?」という問いには、これまでの研究から「持続的な人間関係を得るため」「ウイルスを広め免疫をつけるため」などさまざまな可能性が考えられています。「キスがどれほど重要視されるか?」もまた地域によって異なるようで、スコットランドのアバーティ大学で心理学・法科学について研究するクリストファー・ワトキンズ氏らの研究チームが、6大陸13カ国の2300人を対象に行った調査で、「収入の格差」と「キス」の間にある関係を明らかにしました。

National income inequality predicts cultural variation in mouth to mouth kissing | Scientific Reports
https://www.nature.com/articles/s41598-019-43267-7

Study: link between income inequality and kissing frequency
https://www.abertay.ac.uk/news/2020/spotlight-on-study-reveals-link-between-income-inequality-and-french-kissing-frequency/

この調査ではアンケートで「パートナーとディープキスをする頻度」や「キスをどのくらい重要だと考えているか」といった内容が尋ねられ、収入格差が大きい国の回答者はより頻繁にキスをすると答えたとのこと。なお、ハグや性行為といった種類の親密性と収入格差との間に関係は認められなかったそうです。

所得の不平等を測るジニ係数(横軸)と恋愛関係における口へのキスの頻度(縦軸)をグラフにするとこんな感じ。ジニ係数が高くなるほど、つまり不平等が大きくなるほど、全体としてキスの頻度が高くなるという傾向がみられます。なお、イギリスのジニ係数は比較的低めですがキスの頻度が高いなど、国よっても差が見られます。


ワトキンズ氏は今回の調査結果を受けて、「私たちの暮らす環境はロマンティックな親密さの現れ方に関係しています」とコメントしています。

「これまでの研究で、ディープキスはロマンティックな関係の質と関係していると示されています。私たちのデータでは、頼れるものが少ない環境で暮らす人はよりディープキスをすることが示されました。このような場所では人間関係の親密さがより価値を持つからだと考えられます」とワトキンズ氏は語ります。


さらに調査で判明した興味深い点として、「さまざまな国において、恋愛の初期よりも、関係が確立された後の方が人はキスを重要なものとみなす」という傾向が挙げられています。また「いいキス」の判断は主に、体や息の匂いの快・不快といった「感覚的要素」と「テクニックや興奮度」の2つから行われますが、女性は平均として、男性に比べ「感覚的要素」を重視する傾向があることも判明しています。

今回の調査結果は、地理的に離れた複数の国にわたり、広範にデータを取ったという点が非常に貴重なもの。調査対象となった国の中にはキスをよいものとしない文化もあり、この違いは社会で富が分配されているかという問題と関わっていました。「今回の調査と同じロジックを使い、さらなる研究を行うことで、キスやロマンティックな親密さの地域による違い、親密な関係におけるキスの感覚の重要さなどが調査できます」とのことです。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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