ルンバのイメージを覆すデザインで「完璧な清掃」を実現した性能も価格も折り紙付きのフラッグシップ「ルンバ s9+」レビュー
ロボット掃除機の代表的なメーカーであり、今年で創設30周年を迎えるiRobotから、最新フラッグシップモデル「ルンバ s9+」が登場しました。「完璧な清掃」を実現するためにルンバのアイコンであった丸型の構造を捨てて、まったく新しいデザインを採用したルンバ s9+は、開発に5年以上の期間を要したiRobotの力作です。そんな最新モデルの実力を、実際に使って確かめてみました。
s9+|ロボット掃除機 ルンバ | アイロボット公式サイト
https://www.irobot-jp.com/product/s-series/
ルンバ s9+が部屋の隅までしっかり掃除している様子は以下のムービーで確認できます。
ルンバ s9+で部屋の隅を掃除してみた - YouTube
ルンバ s9+のパッケージは黒を基調としたシックなデザイン。
内容物はルンバ s9+本体、交換用コーナーブラシ、交換用ダストカットフィルター、クリーンベース用電源コード、交換用紙パック、そしてクリーンベースです。ルンバ i7+には付属していたバーチャルウォールは入っていません。
ルンバ s9+の外観はこんな感じ。おなじみの丸型ではなく「ウルトラエッジデザイン」と呼ばれるD型の構造を採用しており、今までのルンバとは一線を画すデザインです。
ルンバ i7+と外観やサイズを比較してみます。最大幅は35.1cmと、ルンバ i7+から変化していませんが、ルンバ i7+にはあった持ち運び用のハンドルがなくなっています。
両機種とも高さは9.2cmで、こちらも差はありません。
ルンバ s9+はHOMEボタン、CLEAN/電源ボタン、SPOTボタンが天面右上についており、本体側で行う操作はこの3つのボタンで完結します。
天面に搭載されたセンサー類は、現在位置や清掃済みエリアを認識するためのiAdaptローカリゼーションカメラと、赤外線受信部の2つ。
本体前面は壁際センサーと障害物センサーが一体となっています。
本体後方には排気用の穴が開いています。
天面のふたを開けると……
ダスト容器にアクセスできます。
ハンドルがついているので、簡単に取り出すことが可能。
カビや花粉などのアレルゲンをカットしてくれる交換式のダストカットフィルターがついています。
本体裏面はこんな感じ。
吸い込み口の大きさがルンバ i7+と比較して30%増加しており、吸引力はルンバ i7+比で4倍に増加。ルンバ i7+と同様、髪の毛が絡まりにくいゴム製デュアルアクションブラシを採用しています。
ルンバ i7+では3本だったコーナーブラシの本数を5本に増やしたことで、部屋の隅のゴミを徹底的に掃除できるようになったとのこと。
裏面についているセンサーは周囲に配置された6つの段差センサーと……
ルンバの位置状態や走行距離などを計測するためのフロアトラッキングセンサー。
ルンバ i7+と裏面を比較してみると、裏面の凹凸が減り、ゴミが絡まりにくくなっていることがわかります。
これはルンバ i7+から登場した、本体の充電と同時にダスト容器内部のゴミを自動で吸い上げてくれる「クリーンベース」です。ルンバ i7+に付属するものと基本的な構造は同じですが、ルンバ本体との接点の位置が変更されているほか、装飾のラインが本体天面のふたと同じカラーになっています。
クリーンベースのふたを開けると紙パックが装着されていました。
灰色の部分を引っ張ると紙パックを取り出すことができます。紙パックはダスト容器30杯分のゴミを収納できるので、ダスト容器が週に1回の頻度でいっぱいになる程度の使い方であれば、6カ月以上は紙パックを交換する必要がない計算になります。
紙パックは引き出し時にゴミを取り込む穴がふさがる構造なので、ゴミを一切目にすることなく処理することができ、空気中へちりが拡散するのも防いでくれます。
ルンバ s9+を使うため、まずはクリーンベースを設置してみます。付属の電源コードをクリーンベースのプラグに差し込んで……
余ったコードをクリーンベースの背面に巻いて収納します。
コンセントにプラグを差し込むと正面のLEDが白く点灯しました。
紙パックがいっぱいになっている場合はLEDが赤色に点灯します。
クリーンベースは上方0.3m、両側0.5m、階段などの段差から1.2m、前方に1.2mのスペースがあり、Wi-Fiの受信状態が良好な場所に設置する必要があります。
クリーンベースにルンバ s9+を設置し充電が始まると、ルンバ本体のリング状のランプが点滅します。初回使用時は約3時間充電することが推奨されており、満充電から約120分間連続で稼働することができます。
さっそくCLEAN/電源ボタンを押して部屋の掃除を開始。
ルンバ s9+がクリーンベースを離れ、清掃を始めました。
ルンバ s9+が実際に部屋を掃除している様子は以下のムービーで確認できます。
ルンバ s9+で部屋の隅を掃除してみた - YouTube
本体のSPOTボタンを押すと、直径約1mの範囲を重点的に掃除するSPOTモードに切り替わります。実際にSPOTモードを使用しているムービーは以下。
ルンバ s9+のSPOTモードを試してみた - YouTube
部屋の掃除が終わると天面のライトが青く光りはじめます。その後ひとりでにクリーンベースに戻っていき、戻った後はクリーンベースがルンバのダスト容器内のゴミを吸い取ります。
ルンバ s9+がクリーンベースへ戻る様子はこんな感じ - YouTube
もちろん天面のふたを開けてダスト容器から直接ゴミを捨てることも可能。ルンバ i7+と同じく、ダスト容器はフィルターを取り外せば水洗いできます。
天面のボタンによる操作も可能ですが、ルンバ s9+ではスマートフォンアプリ「iRobot HOME」で細かいオプションを設定することもできます。iRobot HOMEのセットアップ方法は以下で詳しくレビューされています。
お掃除ロボ「ルンバ」が頭脳派に、スマホ操作可能&カメラ搭載で部屋の形や家具の位置を把握して掃除可能になった「ルンバ980」レビュー - GIGAZINE
iRobot HOMEはiOSとAndroidで利用可能。今回はiOS版を使用します。
「iRobot HOME」をApp Storeで
https://apps.apple.com/jp/app/irobot-home/id1012014442
iRobot Home - Google Play のアプリ
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.irobot.home
セットアップ後のホーム画面はこんな感じ。中央の「CLEAN」をタップすることで清掃を開始できます。
アプリでの制御は基本的にルンバ i7+と同じで、「スケジュール」「履歴」「スマートマップ」の設定項目については下記で詳しくレビューされています。
ルンバ最新フラグシップモデル「ルンバ i7+」レビュー、ゴミを見ることなく処分できる全自動ゴミ収集機「クリーンベース」搭載でロボット掃除機の完成形に - GIGAZINE
特にルンバ s9+はバーチャルウォールが付属されていないので、バーチャルウォールを所持していない場合は「スマートマップ」によるエリア区分によってルンバの動作範囲をすべて設定することになります。
ルンバ i7+から制御面で進化したのは、カーペット上など吸引力が必要な場所を検知して自動的に「パワーブースト」と呼ばれる強力な吸引モードに切り替わる点。「パワーブースト」はアプリ上で手動切り替えすることもできます。ホーム画面の「設定」をタップして……
「清掃モード設定」をタップ。
吸い込み動作を「カスタム」にすると、吸引力を調整できるゲージが現れます。ゲージの一番左は「静音クリーン」、中央は「徹底的に清掃」、一番左は「パワーブースト」に対応しており、ゲージを一番右にセットすれば「パワーブースト」を常時使用することが可能。強力な吸引力が得られますが、連続稼働時間が120分から30分になってしまう上に、動作音が非常に大きくなります。
それぞれのモードで清掃してみたムービーが以下。最初が「静音クリーン」、13秒からは「徹底的に清掃」、27秒からは「パワーブースト」です。
ルンバ s9+の動作モードを比較してみた - YouTube
また、拭き掃除ロボットのブラーバ ジェット m6とアプリで連携すれば、ルンバ s9+の掃除が完了した後、自動でブラーバ ジェット m6による拭き掃除を開始することができます。
ルンバ s9+と同じようにブラーバ ジェット m6をアプリに連携すると、「CLEAN」ボタンを押した際に「後で拭き掃除する」ボタンが現れます。
タップすると、清掃する部屋を指定する画面に移行。部屋を指定して「今すぐ清掃」ボタンを押せばルンバ s9+とブラーバ ジェット m6を連携して掃除することができます。
実際に連携させているムービーは以下。この機能はルンバ i7+でも利用できます。
ルンバ s9+とブラーバジェット m6を連携するとこんな感じ - YouTube
外見が劇的に変化したことに注目してしまいがちですが、形状の変化やブラシの本数、大型化した吸い込み口など、実際に使ってみると前世代のフラッグシップであるルンバ i7+を正統進化させたモデルだとわかります。「本体に持ち手がない」ことと「バーチャルウォールが付属していない」のが弱点ですが、「完璧な清掃」を目指すiRobotの意気込みが感じられる製品でした。
なお、ルンバ s9+はAmazon.co.jpでも販売されており、価格は18万6780円となっています。
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in レビュー, ハードウェア, Posted by darkhorse_log
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