お掃除ロボ「ルンバ」が頭脳派に、スマホ操作可能&カメラ搭載で部屋の形や家具の位置を把握して掃除可能になった「ルンバ980」レビュー
スマートフォンから操作できるようになっただけでなく、カメラを搭載し部屋の形や家具の位置からマップを作成して部屋の隅々まで効率的に掃除できるようになったのが全自動お掃除マシン「ルンバ980」です。最大吸引力はこれまでの10倍で、床の素材によってモードを自動的に最適化させたりと前モデルから格段に進化したようなので、実際に使って威力を確かめてみました。
アイロボット ルンバ 980| iRobot ロボット掃除機ルンバ 公式サイト
http://www.irobot-jp.com/roomba/980/
新モデル「ルンバ980」が部屋を動きまくる様子は以下のムービーから確認できます。
ルンバ980がお掃除する様子を5倍速で観察 - YouTube
これが編集部に到着したルンバ980。
箱の中にはルンバ本体、ホームベース、デュアルバーチャルウォール2個、保証書、 交換用エッジクリーニングブラシ2個、電源コード、乾電池4つ、交換用ダストカットフィルター2個、取り扱い説明書が入っていました。
本体はこれまでのルンバと同じ円盤型。見た目は前モデルからあまり変化していないように見えます。
ということで、ルンバ980とルンバ880の見た目を見比べてみました。まずは真上から見た様子。直径353mmのルンバ980は前モデルより少し大きいですが、隣合わせで見比べないと分からないくらいのサイズの差です。
左側のルンバ980の高さは92mmで、前モデルよりやや高め。なお、ルンバ980の重さは3.9kgとなっています。
また、前モデルであるルンバ880は天面の中心にクリーンボタン、その下に4つの操作ボタンがありましたが……
新モデルであるルンバ980の天面には左からドックボタン・クリーンボタン・スポットボタンという3つのボタンが並んでいるだけでした。
さらに、新型ルンバには周囲の状況を把握して効率よく掃除するためのカメラも搭載されています。
また、前モデルのルンバ880の天面は黒色でしたが……
ルンバ980はグラデーションのかかったブラウンで、高級感の漂う仕上がりです。
続いて、ルンバ980をひっくり返して裏面を見てみます。
本体前方にはバッテリーと充電接続部があるので、使用前にバッテリーのタグは取っておきます。
左側にエッジクリーニングブラシ。
右側にフロアトラッキングセンサー。これが段差の有無や床の素材などを検知してくれるわけです。
真ん中にゴミを吸い取るエクストラクターがあります。
タイヤはラバーっぽい素材。
赤い部分はダスト容器になっており……
天面側にあるボタンを押しつつ引っ張るとパカリと外れるようになっているので、容器を運んで中身をゴミ箱に捨てればOKです。
ルンバ980の新しくなった点として、まず「スマートフォンから操作可能になった」という点が挙げられます。ということで、まずはGoogle PlayやApp Storeからアプリをインストール。今回はiOSアプリを利用しました。「入手」をタップし……
「インストール」をタップ。
インストールが完了したら「開く」をタップします。
「ようこそ!」と、アプリのスタート画面が表示されました。
「エンドユーザーライセンス契約に同意」にチェックを入れると、「新しいルンバの追加」という項目が現れるのでタップします。
「新しいルンバの追加」が始まるので、「次へ」をタップして進んでいきます。
まずは「ホームベースを設置する」ということなので……
ホームベースをコンセントに接続し、ルンバの充電を行います。
設置が完了したら「さあ始めましょう!」をタップ。
ステップ1:ネットワークを確認する、ということなので、「次へ」をタップ。
利用するWi-Fiネットワーク名を確認したら、パスワードを入力し、「次へ」をタップ。
ドックボタンとスポットボタンをメロディが鳴るまで押すとWi-Fiアイコンが点滅するとのこと。「次へ」をタップし……
2つのボタンを同時に押して接続を行います。
今度はiPhoneの「設定」から「Wi-Fi」を選択。
「Roomba」から始まるネットワークがあるので、選択し……
アプリに戻ると、「ネットワークの設定を開始します」と表示されていました。あとは接続が完了するのを待つだけなのですが、Wi-Fiは2.4GHz帯でないとうまく動作しなかったので注意。
本体天面に白色のWi-Fiランプが点灯したら設定が完了したという印。
アプリに戻って「次へ」をタップ。
今度はルンバのカスタマイズ画面が表示されました。「ルンバの情報」に誕生日が自動的に設定されているのを確認しつつ、メールアドレスを入力して「完了」をタップ。
するとイントロダクションのムービーが始まり……
ムービーが終わるとようやくホーム画面へ。最初に表示された時は各ボタンの説明が記されており、真ん中に清掃の開始・一時停止を操作するクリーンボタン、左上に「ルンバの切り替えとルンバの追加」、画面下部には左から「ルンバの清掃時の動きを変更」「1週間の清掃の予約」「ルンバの情報と設定」というメニューが並んでいました。
少し日本語が怪しいですが、「ルンバの清掃時の動きを変更(清掃モード設定)」メニューでは「カーペットブースト」「クイックモード」「ダスト容器が一杯になっても清掃を継続するか否か」や、広いエリアの清掃を終えてから壁際や家具の脚の周りをきちんと清掃するかを決める「エッジクリーン」などが切り替えられるようになっていました。
「カーペットブースト」では、ルンバが床の素材を認識して「フローリングの場合は電力消費を抑えて清掃」「カーペットでは吸引力を上げて清掃」という切り替えを自動で行うかどうかを選べます。デフォルトではオートに設定されていました。
ホーム画面から「1週間の清掃の予約(週間スケジュール)」を開くと、日~土のうち、何曜日の何時に清掃を行うか、ということを予約可能でした。
またホーム画面の「ルンバの情報と設定(詳細)」ボタンを押すと、ルンバにどのくらいゴミがたまっているかや、掃除の履歴などが確かめられるようになっていました。「お手入れ」という項目を見てみると……
「ダスト容器」「ルンバ本体」「エクストラクター」の3つの項目について、お手入れが必要かどうかを確認できます。まだ動かしたばかりなので、以下の画面ではいずれのゲージもたまっておらず、お手入れ不要であることが分かります。
また、履歴ではこれまでの「清掃回数」「合計清掃時間」「合計清掃面積」「ダートディテクトの回数」が表示されると同時に、過去の清掃履歴一覧も表示されるようです。
ルンバ980は前モデルとは違い、やみくもに動くのではなく部屋の形や家具の配置を認識して効率的に動くことが可能とのことなので、実際にどんな動きをするのか、確かめてみました。なお、ムービーは実際の動きの5倍速となっています。
ルンバ980がお掃除する様子を5倍速で観察 - YouTube
「ここから侵入禁止」といわんばかりに、ルンバの進行を防ぐことができる付属機器がバーチャルウォールです。前モデルを編集部で使っていたところ、ルンバはバーチャルウォールを無視して掃除を続行することが時々あったので、新型ではどのくらいバーチャルウォールが機能するのか確かめてみました。
ということで、アプリから掃除を開始。
元気よくホームベースを飛び出したルンバ。
まずは周囲をぐるぐる見回し、自分のいる場所がどんな空間なのかを把握していきます。
見ていたところ、ランダムに動くのではなく、部屋に対して垂直・平行に進み、時折斜め横断や同じ場所を2度通ることがありますが、基本的に広いスペースは1度の通過で清掃を行う模様。また、壁の存在を認識しているので、ぶつかる時は減速して衝撃を軽くしており、家具などを傷つけてしまう心配もなさそうです。
机やイスの脚などにぶち当たると念入りに掃除を行います。
比較的広いスペースは垂直・平行の動きを繰り返してサラッと掃除していたのですが、家具の下などは何度もジグザグした動きを繰り替えしていました。
家具の下から脱出し、壁際までいくか?と思ったら……
「もうちょっと家具の回りを掃除したい」とばかりに方向転換して再び机の脚回りの掃除を開始することも。
また、前モデルは一度狭い場所に入ってしまうと脱出できないまま力つきてしまう、というケースがありましたが、ミニテーブルの下に潜り込んだルンバ980は……
するりと脱出。
手前にバーチャルウォールがあることもちゃんと分かっていて、見えない壁をなぞるような動きも見せていました。
壁際は2度、3度と通って念入りにお掃除。
カメラで部屋の形と家具の配置を認識し、頭の中で地図を作成するため、ホームベースへのお帰りは非常にスムーズ。家具にぶちあたることなく、自分の意志があるかのようにスッとホームベースに戻っていました。
また、床の素材を認識してカーペットの場合は自動的にブーストをかける新機能「カーペットブースト」の様子は以下のムービーから確認できます。カーペットの上でだけ吸引力がぐんと増しているのは音を聞けばすぐに分かります。
ルンバのカーペットモード - YouTube
また、段差の認識&回避率が上がったのも改良点。前モデルを編集部で使っていたところ、よく段差に引っかかって動きをストップさせていたのですが、ルンバ980は動きを止めることも段差から落ちてしまうこともなく掃除しており、これまでよりも格段に認識力が上がっていることをひしひしと感じました。
段差があっても自動で避けてお掃除を続行するルンバ980 - YouTube
まずは部屋に対して垂直と平行の動きを繰り返して効率よく広いスペースをお掃除。
段差にぶつかると……
方向転換。
くるりと反対方向を向いて壁際に向かって走っていきました。
もう一度段差にぶつかっても、やはり動きをストップさせたり段差から落ちたりすることなく、華麗に段差を避けてお掃除を行えていました。
さらに、掃除の様子を観察していると、壁際は頭を振って隅っこにたまったホコリをしっかり吸い取ろうとしている様子が見て取れました。ルンバ980はゴミの多い場所をセンサ-で感知し、入念にブラッシングを行うとのこと。
なお、お掃除が終わってもいないのに突然ルンバがホームベースに戻ることもありますが、これは充電を行うため。バッテリーがなくなると自動的にホームベースに戻り、充電が完了したらお掃除を再開するようになっており、前モデルにも同機能はありましたが、途中で迷子になったまま力つきてホームベースに戻ってこれないこともしばしば。一方、改良されたルンバ980は自分でパワーを補給してちゃんと復活していました。
動きを観察していると前モデルよりも格段に賢くなったのは確かですが、果たしてちゃんとゴミを吸引できているのか?ということで、試しに食堂の隅っこに赤い毛糸をまき散らして実験してみたところ……
隅っこまでしっかりと掃除をこなすルンバ。
食堂の掃除を終えてホームベースに戻っていったので確認したところ、ほとんどの毛糸を吸引できていました。ルンバは一度にまとめて掃除するタイプではなく、定期的に自動でお掃除させることで部屋をクリーンな状態に保ってくれる掃除機なので、画像に写っている毛糸の量であれば翌日のお掃除でキレイにできるレベルだと言えます。
ということで、実際に何十回とルンバ980を稼働してみましたが、一度たりとも「段差で引っかかって一時停止」「バーチャルウォールを無視」「掃除の途中で力つきて停止」ということがなく、掃除を最後まで自分だけの力でやり抜くことができていることを確認。また、これまでのモデルは「手当 たり次第に掃除する」ような動きでしたが、新しいルンバは動き方に規則性が見られ、かつ状況に応じてランダムな掃除を加えている印象で、これまで以上にき っちりと掃除をこなしてくれました。ルンバを初めて購入する人はもとより、前モデルを使っている人なら思うであろう「あともう少しなんとかしてくれれば……」という点を見事に改良しているので、これまでルンバを使ってきた人であればより威力を実感できると言えます。
なお、公式サイトでの価格は税抜12万5000円です。
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