空飛ぶ風力発電機を開発していた「Makani」がGoogleの親会社Alphabetから独立すると発表
Googleが2013年に1500万ドル(約18億円)で買収したクリーンエネルギー企業「Makani」はGoogleの親会社であるAlphabet傘下の独立企業として空飛ぶ風力発電機「エネルギーカイト」の開発を続けてきました。しかし、2020年2月19日、MakaniはAlphabet傘下から離脱すると発表しました。
A long and windy road - Makani Blog - Medium
https://medium.com/makani-blog/a-long-and-windy-road-3d83b9b78328
Makaniが開発しているエネルギーカイトは、プロペラ部分に風力発電機を搭載した小型の飛行機で、凧の原理を用いて風が強くなる高度250m以上にまで飛んで効率的に発電するという仕組みになっています。このエネルギーカイトが実際にどんなものなのかは、以下の記事を読むとわかります。
Googleが開発する空飛ぶ風力発電機「Makani」とは? - GIGAZINE
Makaniはより多くの場所で風力発電を行いたいと願うカイトサーファーたちによって2006年に設立され、エネルギーカイトの開発を行ってきました。2013年にはGoogleによって買収され、Googleの秘密研究機関「Google X」に編入。2017年には600キロワットの発電能力を備えたプロトタイプ機「M600」の飛行試験を行ってその性能を実証したと報告したり、2019年にはノルウェーでの海上に設置された浮遊プラットフォームに接続された実用サイズのエネルギーカイトの飛行試験に成功するムービーを公開したりして、継続的に進歩をアピールしていました。
Makaniが2019年8月に公開した以下のムービーで、洋上で円を描くように飛んで発電するエネルギーカイトの様子を見ることができます。
Makani's first offshore energy kite flight - YouTube
しかし、Makaniは2019年にはGoogle Xから離脱して、Googleの親会社であるAlphabet傘下の独立企業としてオランダの石油企業であるロイヤル・ダッチ・シェルとパートナー契約を結ぶと発表。そして2020年2月19日には、MakaniはAlphabet傘下でもなくなると報告しました。
Makaniのフォート・フェルカーCEOは、AlphabetがMakaniを放出した理由について、「強力な技術進歩があったものの、エネルギーカイトを商業化するためには予想よりも時間が掛かる上に、リスクがあったため」とコメント。発表時点では、ロイヤル・ダッチ・シェルがMakaniの開発を継続する方法を模索しているとのことです。
フェルカーCEOは、風力エネルギーを活用するためのMakaniの取り組みを支援した人々とエネルギーカイトの開発に情熱を持って取り組んできたMakani社員に謝辞を述べ、「クリーンエネルギーの未来を実現するためには多様な再生可能エネルギーテクノロジーを模索していく必要があります。再生可能エネルギーを活用する技術に献身的に取り組んできた我が社のチームを誇りに思います」とコメントしました。
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