自動車のデザイナーが「生きているアンドロイド」を3Dプリンター「Form 2」でメカメカしく表現した「Android EL01」
ガレージキットの世界でデジタルモデリングが主流になり始めたのは2017年頃のことですが、これまでは3DCGを仕事で使うアニメーターなど、オタク文化に関わりのある人たちがフィギュア業界に参入していました。しかし、ワンダーフェスティバル 2020[冬]の公式レーベル「ワンダーショウケース」第38期には、ついにオタク文化との関わりが薄そうに見える「カーデザイナー」の作品が選出されました。WSC #104 K氏作「Android EL01」は、アンドロイドの肉体の物質としての側面をメカの部分との対比によって鮮明に浮かび上がらせた作品です。
この度、第38期 Wonder ShowcaseにANDROID EL01を選出いただきました。ありがとうございます!展示作品はpygmalion様@gahaku34に仕上げていただきました。素晴らしい出来ですので、ぜひ見に来ていただければと思います。 pic.twitter.com/wpSroH4PlZ
— イトウ K (@itomojo) January 12, 2020
これがK氏作の「Android EL01」で、愛称は「エル」とのこと。サイズは1/6スケールで、全高270mmとなっています。
胸部から脚部にかけての機械的な部分と、それ以外の人間らしい部分の対比が強烈です。
制作は卓上3Dプリンター「Form2」で行われ、それを念頭にZBrushでモデリングされています、全パーツがForm2専用レジンで構成されており、これはワンダーショウケース史上初とのこと。光学式の3Dプリンターを使用しているため、積層式に見られるような積層跡はまったく残っていません。
生身の部分にはほくろまで表現されており、無表情なアンドロイドの顔からはどこか深遠な印象を受けます。
後ろに回ると脊椎のようなパーツが首まで伸びています。
膝やくるぶしの骨格は驚くほどリアルに表現されており、光の当たり方によっては本物の人体と見間違ってもおかしくないほど。
フィギュアの原型はこんな感じ。パーツが自立しており、原型の見せ方にもこだわりが感じられます。
K氏自身のカーデザイナーとしての繊細な造形感覚とZBlushが合わさることで、「いままでの作品とは世界が違う」と感じさせるような作品に仕上がっていました。
このフィギュアは3体で1つの作品として成り立つそうで、あと2体は制作途中とのこと。制作途中の「iv-02」もワンフェス2020[冬]で展示されています。
WF2020冬 ディーラー96は卓番4-15-11で新作アンドロイド「iv-02 」仮出力品を展示します。展示のみですが、見ていただけるとうれしいです。 pic.twitter.com/jGeiobJqYg
— イトウ K (@itomojo) February 2, 2020
なお、「Android EL01」はワンフェス会場限定の40個分が特別価格として税込1万8000円で販売されており、一般小売価格は税抜2万3000円となっています。
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