サイエンス

香りで睡眠学習の効率が大幅にアップすることが判明

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「記憶は寝ている時に定着する」という説に基づき、記憶したい内容を睡眠中に音声で流すことでより効率のよい学習を目指す睡眠学習で「匂いを応用することで学習効果を大幅にアップさせることができる」という実験結果を、アルベルト・ルートヴィヒ大学フライブルクの研究チームが報告しています。

How odor cues help to optimize learning during sleep in a real life-setting | Scientific Reports
https://www.nature.com/articles/s41598-020-57613-7

The scent of a rose improves learning during sleep
https://medicalxpress.com/news/2020-01-scent-rose.html

人は睡眠中に覚醒時の記憶を改善するといわれており、実際に睡眠時に言語学習用の音声を再生することで弱い記憶を強化し、言語習得に有用であることを示す研究が発表されています。

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アルベルト・ルートヴィヒ大学フライブルクの研究チームで学校教師でもあるフランツィスカ・ノイマン氏は、自身が受け持つ54人の生徒を対象に、バラの香りのアロマを用いて実験を行いました。

研究チームは、生徒を「自宅学習時・睡眠時・単語テスト時に何の匂いも嗅がない」「自宅学習時と単語テスト時のみ香りを嗅ぐ」「自宅学習時と睡眠時のみアロマを嗅ぐ」「自宅学習時・睡眠時・単語テスト時にアロマを嗅ぐ」という4つのグループに分け、単語テストの結果をグループ間で比較しました。


その結果、学習と睡眠の両方でアロマを使った場合、学習の成功が約30%増加。さらに、単語テスト中にアロマを追加で設置すると、記憶が促進される可能性も示唆されたとのこと。

研究チームは「睡眠は学習努力に取って代わるものではありません」と述べながらも、記憶を符号化して脳に定着させる時に匂いという情報を与えることで、睡眠中の学習が最適化できることが示されたと論じています。

ただし、具体的にどうやって香りが睡眠学習に影響しているのかは不明であり、潜在的な副作用の問題も解決されていないため、基礎研究を進める必要があると研究チームは述べました。

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論文著者の1人であり、アルベルト・ルートヴィヒ大学フライブルクで生物学を研究するユルゲン・コーンマイヤー博士は「香りが夜寝ている時にも作用するということは特筆すべき発見です」と述べ、「我々の研究は、睡眠中の学習をより容易にすることができることを示しています。私たちの鼻が睡眠学習に大いに役立つとは誰も思わなかったでしょう」とコメントしました。

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in サイエンス, Posted by log1i_yk

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