サイエンス

自分の腸内細菌を健康にする5つの方法とは?

by happyveganfit

1年の初めに「今年も健康に暮らせますように」と願う人は多いはずですが、ほとんどの人は腸内に生息して人間と共存している「腸内細菌」の健康を願うことはありません。しかし、腸内細菌叢(マイクロバイオーム)は多くの点で人の健康状態に関係していることがわかっているとのことで、ペンシルベニア州立大学の研究者らが「腸内細菌を健康にする5つの方法」についてまとめています。

5 things you can do to make your microbiome healthier
https://theconversation.com/5-things-you-can-do-to-make-your-microbiome-healthier-129215

人間の体内には人間の細胞とほぼ同じ数の細菌が生息していると推測されており、人間の健康に大きく関わっていることが判明しています。腸内細菌は慢性的な炎症や体重増加、さらにうつ病といった病気にも影響を与えているとのことで、腸内細菌叢を健全に保つことは健康な生活を送る上で重要です。

ペンシルベニア州立大学で栄養科学を研究するConnie Rogers准教授と食品科学を研究するDarrell Cockburn准教授は、腸内細菌叢の多様性が重要だと指摘。「健康で多様な腸内細菌叢をサポートする方法」として、以下の5つの項目を提唱しています。

◆1:果物や野菜を食べる
多様な食事が腸内細菌叢に影響を与える可能性があり、中でも人間が自身の消化酵素で分解できない成分である食物繊維は、腸内細菌によって分解されてエサとなるとのこと。豊富な食物繊維を含む野菜や果物を食べることで、健康を促進する腸内細菌を養うことができるとRogers氏らは述べています。

by Nadine Primeau

◆2:レジスタントスターチ(難消化性デンプン)を食べる
白パンやパスタなど、一般的な食事に含まれる多くのデンプンはすぐに分解されて体内に吸収されますが、一部の難消化性デンプンは人間の小腸まで消化されずに大腸まで届きます。これも食物繊維と同様に腸内細菌のエサとなり、腸内細菌叢がもたらす健康上の利益を増進するとのこと。

難消化性デンプンを含む食品としてはジャガイモやマメ科の植物が知られているほか、普通の白パンやパスタなどのデンプンを含む食品を、調理後に冷蔵庫で冷やすことにより、デンプン中の難消化性デンプンの量が増えるともいわれています。

◆3:さまざまな食品を食べる
全ての人が同じ腸内細菌叢を持っているわけではないため、同じ食品に含まれる食物繊維や難消化性デンプンであっても、腸内細菌叢にもたらされる効果に違いがあります。そのため、さまざまな食物を食べ、自身の体で「食物によって腸がどのように反応するかを調べる実験」を行う必要があるとRogers氏らは主張しました。

◆4:運動をする
定期的な運動は肉体の機能や精神だけでなく、腸にもさまざまな影響を及ぼすとのこと。近年の研究では、運動中に生産された乳酸が特定の腸内細菌に影響を与えることが示されています。普段はあまり運動をしないという人は、日常生活に運動を取り込むことがオススメだそうです。

by Tyler Nix

◆5:食事にプロバイオティクス食品を追加する
プロバイオティクス食品とは、健康にいい微生物を含む食品のこと。ヨーグルトや納豆、キムチといった発酵食品には多くの健康にいい微生物が含まれているため、プロバイオティクス食品を日々の食事に取り込むことで、腸内細菌を健康に保つことができるかもしれないとのことです。

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in サイエンス,   , Posted by log1h_ik

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