レビュー

陰謀渦巻く港町を舞台に協力&欺き合いが魅力のボードゲームRPG「グルームヘイヴン」を1人で遊ぶとどうなるか試してみた


コンクリートブロック1個とほぼ同じ、約9kgの重量に100本以上のシナリオを詰め込んだ超大作ボードゲームRPG「グルームヘイヴン」は、初見プレイの編集部員4人で挑んだところ9時間かかって2シナリオしかクリアできなかった一筋縄ではいかないゲームです。グルームヘイヴンは1人プレイも可能なゲームなので、1人で遊ぶと面白さに差はあるのか、実際に遊んで確かめてみました。

グルームヘイヴン 完全日本語版 | ArclightGames Official


1人プレイも基本のルールは2~4人プレイと同じ。詳しいルールは編集部員4人でプレイした以下の記事で紹介しています。なお、今回の1人プレイは、前回の4人プレイに参加したうちの1人が行っています。

難攻不落な100種類以上のダンジョンに挑める超大作ボードゲームRPG「グルームヘイヴン」約9時間の激闘レポート


1人プレイでは、キャラクター2体を1人で操ります。初期キャラクターのうち、4人プレイ時に誰も使わなかった「クラグハート」と「マインドシーフ」を選びました。


細かいキャラクター設定もグルームヘイヴンの魅力のひとつ。クラグハートは岩の心臓を持つ剛力の巨人。自然を操る種族……のはずが、何らかの欠陥で自然を操る力を得られず、怪力しか得られなかった落ちこぼれ的な存在のようです。


マインドシーフちょっと猫っぽくてかわいい……と思いきや、迫害の末、突然変異でサイキック能力を得た、死肉をむさぼる獣人という恐ろしい一面を持っています。


テーブルをセッティングするとこんな感じ。1~2畳くらいのスペースになりました。キャンペーン・ボードを広げなければ1畳分くらいに収まりそうです。


複数人プレイでのグルームヘイヴンの特徴として、味方の動きを予測しながら協力するという点があります。それが面白さでもあり難しさでもあるのですが、1人プレイではそれができないので、ゲームの難度を表すシナリオ・レベルが1人プレイ用は別に用意されています。

以下は2~4人プレイのレベル表。レベルによって、モンスターのレベルや貨幣の価値、罠から受けるダメージ、ダンジョンクリア時の経験値が変化します。


1人プレイのレベルは以下。モンスターのレベルと罠からのダメージが少し高く設定されています。


というわけでシナリオ・レベル0で冒険開始。目標は個人クエストの完遂です。個人クエスト・カードを引いて……


クラグハートの目標は「『森のインプ』というモンスターを8体倒すこと」、マインドシーフは「逢魔ヶ港市街・刃ヶ森・去らずの沼・見張りの山脈・銅頸山脈・霧の海のシナリオを1つずつ完遂すること」。今回はマインドシーフの目標が達成できるよう攻略していきます。


個人クエスト・カードで指定された各地域はキャンペーン・ボードで確認できます。


キャンペーン・ボードに書かれた番号から……


シナリオ冊子で対応する番号を確認して、各地域にあるダンジョンを攻略できるようゲームを進めます。


街のイベントカードを引いて、冒険の前に街の酒場へ。気持ち良く飲んでいたら店内のランプが一斉に消えてしまいました。「ランプを修理する」か、それとも「スリを働く」かの2択。巨人と獣人にランプ修理が務まるとも思えないので、暗闇をいいことに「スリを働く」ことにしました


マインドシーフにコソ泥の素質があったようで、ばっちり10ゴールド盗むことができました。


初期状態では各キャラクター30ゴールドを持っていますが、盗んだお金で10ゴールド多く買い物ができるようになりました。クラグハートに、攻撃に1ターン行動不能にできる気絶効果を追加できる「戦槌」とHPを回復できる「治癒薬」を購入。


マインドシーフは体力が低いので、装甲(防御)をアップできる「獣皮鎧」と「治癒薬」を購入しました。


4人プレイと同じく、最初のダンジョン「黒盛り塚」へ向かいます。ただし、黒盛り塚へ向かう道中で野外イベント発生。「ヴァームリング」という種族に襲われた人々が道ばたで困っているようです。「生存者を助ける」か「生き残りに引導を渡して盗みを働く」か。ヴァームリングというのは……


マインドシーフの同族です。やり残した仕事を完遂するのが同族のよしみ、ということで「生き残りに引導を渡して盗みを働く」ことにしました。


結果、めぼしいお宝は残っていなかったようで、2ゴールドしか得られませんでした。


少し懐が温かくなったところで黒盛り塚へ。


そもそも、なぜ黒盛り塚に行くことになったのかというと、酒場で出会った女に「盗賊に盗まれたものを取り返してほしい!」と依頼されて、盗賊のアジトである黒盛り塚にやってきたというわけ。物語の内容はシナリオ冊子にかなり詳細に書かれています。


ダンジョンの敵キャラクターの数はプレイ人数によって変わります。4人プレイの時は以下のようにモンスターハウスのようだった部屋も……


1人プレイではモンスターの数が半減します。モンスターが減ったといっても、パーティメンバーも前回の半分なので油断はできません。


苦戦しつつも、4人プレイでも攻略した黒盛り塚を制圧し、「盛り塚のねぐら」でボスである盗賊の首領を撃破するところまで進めました。かかった時間は、黒盛り塚が約2時間、盛り塚のねぐらが約1時間。1人プレイだからといって短時間でクリアできるというわけではありません。


盛り塚のねぐらで盗賊の首領を討ち取ったので、酒場にいた依頼者の女に報告します。女から「アイノックスに恨みがあるので『アイノックスの野営地』を襲ってくれ」と立て続けに依頼を受け、「アイノックスの野営地」のシナリオが解放されました。また、パーティ一行が盛り塚のねぐらで宝の地図らしきものを見つけたらしく「呪われし者の聖堂」というシナリオも解放されました。


アイノックスの野営地か、呪われし者の聖堂を攻略したあたりから、シナリオ分岐が増え、自由度がアップ。1人だと相談なしで気ままにシナリオを決められる点が気楽とも言えます。今回は、個人クエストの目標でもある「刃ヶ森」に位置するアイノックスの野営地を選択。


アイノックスの野営地の目標は、無限湧きする敵を10体倒すということだったので、さくさくクリア。シナリオ冊子によると、実は野営地には女や子どももいたらしく、パーティ一行は引き返すことができず、野営地ごと焼き払ってしまうという展開になってしまいます。


知らない女にホイホイ従っていたら凶悪犯になってしまいました。そんなつもりじゃなかったんだ……ということで、依頼者の女を問いただすため、女が潜んでいるらしい、逢魔ヶ港市街にある「逢魔ヶ倉庫」へとシナリオを進めます。逢魔ヶ倉庫は障害物の多いダンジョンで、以下の画像では赤枠部分が障害物にあたります。まっすぐ進めないやっかいなダンジョンです。


しかし障害物の多い場所こそクラグハートの力の見せ所です。クラグハートの手札には「障害物を破壊」したり……


敵を攻撃すると同時に、敵を障害物にぶつけて障害物を破壊、敵にも追加ダメージを与えることもできます。


障害物を破壊しまくって、ずんずん進んでいきます。素早さが低いのか、カードに書かれている行動順位は遅めのものが多いですが、HPは高いので前衛でガンガン攻撃できるタイプ。


範囲攻撃や、攻撃力を底上げするカードもあり、火力も高いので頼もしいキャラクターです。


一方、マインドシーフはHPが低いのですが、行動順位は早く俊敏で、召喚も使えるサポートタイプです。


そしてマインドシーフが持つ一番の特徴は、敵や味方を操れるサイキック能力。味方を操って敵に大ダメージを与えたり……


敵を操って同士討ちさせることもできます。


背後に潜んで敵味方問わず操り人形にしてしまうことができるというわけ。


クラグハートの火力とマインドシーフによるサイキック能力で逢魔ヶ倉庫もクリアし、1人で4シナリオをクリアしました。ここで分かったことは、グルームヘイヴンの大きな魅力は味方同士の駆け引きにあるという点です。

味方同士ではアイテムやゴールドを共有できないので「いかに味方を出し抜いてお金を稼ぐか」という点や、味方の行動がはっきりとは読めないので、「どのように行動したら個人クエスト、および戦闘任務を効率よく進められるか」というのを味方の動向をうかがい相談しながら進めなければならない点が、グルームヘイヴンの難しいところであり、魅力とも言える点です。

しかし、1人だとその魅力がごっそり無くなってしまいます。キャラクターを2体使用できるものの、個人クエストを完遂するまでキャラクターが固定されるので、ダンジョンをいくつかクリアすると、手札を把握できてしまい、少々戦略がマンネリ化していきます。


……と思っていたら、見張りの山脈にある5つ目のダンジョン「≪予言者≫の神殿」で、「石のゴーレム」にボコボコにされて全滅してしまいました。


装甲があり、ダメージを与えても、常に-1されるだけでなく、攻撃力3と能力高めの強敵です。HP6のマインドシーフは、2回攻撃されたら死ぬかもしれません。


敗北してダンジョンから退却することになりましたが、得られた経験値でマインドシーフがようやくレベルアップ。レベル1から2になるには45の経験値が必要です。手札の使い方にもよりますが、マインドシーフは1ダンジョンあたり10前後の経験値を獲得していました。


レベルアップしたことにより、使用できる手札を2枚のうちから1枚追加することができます。レベル2で選べるカードは、召喚や状態異常、敵を操る効果のカードとなっていました。


クラグハートはマインドシーフよりも少々遅れて、再挑戦した5シナリオ目終了時にレベルアップ。レベル2で選べるカードは障害物の破壊や範囲回復の効果を持つカードでした。


手札を増やし、戦略を黙々と考え、いかにダメージを少なく、効率良くクリアするかを目的に進行していきます。効率の良いクリアを目指しても、1プレイ1~2時間かかりました。1人プレイでもやり応えは十分あります。

マインドシーフの個人クエスト・カード完遂にかかった時間は、全滅したダンジョン、目的のシナリオを解放するために立ち寄ったダンジョンも含めて約15時間ほど。計9シナリオを攻略しました。なお、個人クエスト・カードに書かれた各地域に対応するシナリオは以下のようになりました。

・逢魔ヶ港市街:逢魔ヶ倉庫(シナリオ8)
・刃ヶ森:アイノックスの野営地(シナリオ3)
・去らずの沼:忘れられし聖堂(シナリオ19)
・見張りの山脈:≪予言者≫の神殿(シナリオ13)
・銅頸山脈:廃聖堂(シナリオ5)
・霧の海:失われし島(シナリオ17)

マインドシーフのレベルは、最終的に3まで上がりましたが、個人クエスト・カードを完遂したのでお別れです。


そして個人クエスト・カードに書かれた新しいキャラクターを迎えました。「ゼルダの伝説」に出てくるトライフォースみたいなマークなのでわくわくします。


どんなキャラクターが入っているかは、ぜひ実際にグルームヘイヴンを遊んで確かめてみてください。


1人で2キャラを使用でき、それぞれのキャラクターごとの個性をどう生かし組み合わせるかという、4人プレイには無かった楽しさがありました。ゲームを進めるごとに増える手札やアイテムによって、何通りもの戦略が生まれるので、1人で遊んでも十分楽しめます。ただ、手札が一気に何十枚と増えるわけではないので、連続して2~3シナリオ遊んでしまうと、手札を把握してしまって戦略を立てる面白みが薄れてしまうという欠点があります。

また、前述した通り、グルームヘイヴンの最大の魅力は他人と時には協力し、時には出し抜きあって攻略するところにあるので、複数人でのプレイの楽しさを知ってしまうと、1人プレイは少々味気ないように思えました。


グルームヘイヴンのシナリオは100本以上あり、1プレイ30分~2時間と、推定100時間は遊べそうです。しかし個人クエスト・カードの中には、過去に行ったダンジョンにもう一度訪れる必要があったり、公式Twitterから無料で追加コンテンツが公開されていたりするので、全キャラクター、全シナリオを解放しようとすると、100時間や200時間では完全クリアできないかもしれません。


「グルームヘイヴン 完全日本語版」は、ボードゲーム情報サイトのボドゲーマなど、各種通販サイトで税込3万3000円で取り扱われています。また、Amazon.co.jpでも記事作成時点で税込3万3000円で購入可能となっていました。

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in レビュー,   ゲーム, Posted by log1m_mn

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