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依存性のある鎮痛剤を不要な患者に処方させるため医師に賄賂を送っていた製薬会社CEOに禁錮5年6カ月の判決

by K-State Research and Extension

鎮痛剤を必要としない患者にまで薬を投与して中毒者を生み出し、死者数が違法薬物以上になっているという「オピオイド危機」で、医師に賄賂を渡して過剰に処方させていたとして罪に問われていた製薬会社インシス・セラピューティクスのジョン・カプールCEOに、禁錮5年6カ月の判決が出ました。

Pharmaceutical Executive John Kapoor Sentenced To 66 Months In Prison In Opioid Trial : NPR
https://www.npr.org/2020/01/23/798973304/pharmaceutical-executive-john-kapoor-sentenced-to-66-months-in-prison-in-opioid-


「オピオイド危機」は、製薬会社が医師に賄賂を渡すことにより「オピオイド系鎮痛剤を処方すればするほどもうかる」仕組みができたことで、鎮痛剤を必要としていない患者にまでオピオイド系鎮痛剤が処方されてしまったことで起きました。

鎮痛剤「オピオイド」の過剰投与による薬害問題の背景には製薬会社から医師への利益供与があった - GIGAZINE

by VCU Capital News Service

オピオイドはケシから採取される麻薬成分が入っているため、乱用・過剰摂取が後を絶たず、多数の中毒者が発生しています。

製薬会社インシス・セラピューティクスのCEOであるジョン・カプール被告は、医師に賄賂を渡して自社のオピオイド系鎮痛剤・サブシスを過剰に処方させていた罪に問われていました。


ボストンにあるジョン・ジョセフ・モークリー連邦裁判所での1カ月の裁判を経て、カプール被告には禁錮5年6カ月の判決が出ました。弁護人の求めていた禁錮1年よりは長いものの、検察官が求刑していた禁錮15年よりは短くなった理由について、アリソン・バロウズ判事は「カプール被告が76歳と高齢であること」「慈善活動を行ってきたこと」「犯罪における役割」の3つを考慮してのものだと説明しています。

医師であり、ハーバード大学の規制・治療・法律プログラムの副責任者でもあるアメット・サルパトワリ氏は、法的に疑わしいマーケティングを行おうとしている製薬会社に対して、単なる罰金刑ではなく禁錮刑の可能性を示す判決であるとして、業界に冷水を浴びせるものだったと評価。「オピオイド危機」の原因である、鎮痛剤の過剰処方などは技術的には合法であることから、行為としてなくなるわけではないと指摘しながらも、これまで行われてきた「攻撃的戦術」の境界線を再考させるものになるだろうと、希望をのぞかせています。

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in メモ, Posted by logc_nt

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