試食

Oisixのおせち「上高砂」はどのようなおせちか実際に買って食べてみました


三段重で3~4人前、全部で37品目を誇り、2018年度のアンケートによると満足度93%というOisixのおせちの中でも最高峰である「上高砂(じょうたかさご)」がかなりよいらしいのですが、果たして本当のところはどうなのか、これまでいろいろなおせちを注文し、比較し、自作もしまくってきたという立場から、レビューしてみることにしました。

上高砂 | おせちの通販ならOisix(おいしっくす)

公式サイトで注文した際に2019年12月30日18~20時お届けで指示しておいたところ、ヤマト運輸が20時15分頃に届けてくれました。やはり年末はかなり忙しいというのがわかります。


冷蔵ではなく「冷凍」で届くので、解凍しなければ賞味期限は2020年1月31日。全37品目の総合計カロリーは3516kcal。


それでは開封の儀、スタート。箱の上部を開けると、スリーブの両サイドを持って引っぱれという指摘。


一番上には風呂敷。


このような感じで三段重が出てきます。


風呂敷の下には新年のごあいさつ。


そしておしながきが上に貼り付いた状態で、ゴム製の紅白帯。この紅白帯はいろいろと応用できそうで地味にお役立ち度が高い印象。


解凍方法は箱から取り出して冷蔵庫に入れ、24時間で解凍が完了するというもの。


風呂敷の包み方の説明書。


全37品目それぞれについてカロリーやアレルゲン、原材料などが軒並み列挙されたすごい表。さすがOisixと言わざるを得ません。


各お重の中身に何が入っているのかという図解。


実際にはこうやって冷凍のお重の上からラップが厳重にかけられています。


一の重


二の重


三の重


さらに「春の七草」の七草がゆセットも付属。かなり至れり尽くせり。


中身はフリーズドライなので超簡単。


懐紙5枚セットも付属。


使い方も丁寧に説明。


そんなわけで解凍したので、まずは一番上の「三の重」から。


「カンパチ昆布〆」はカンパチを甘酢にくぐらせ、昆布で〆たもの。


断面はこんな感じ。シメサバをデラックスにしたような味わいで意外にボリュームがあります。


次は「若桃の甘露煮」、リキュールを効かせたシロップに若桃を漬け込んだ和風デザート。


中身の種は最初から抜いてあるので非常に食べやすく、べた甘というわけではないので適度なデザート感。


左にある白いのが「裏白しいたけ」、右にあるのが「海老しいたけ」。


「裏白しいたけ」は魚のすり身がびっしりと隙間なくしいたけのうま煮の内側に詰められており、まるごと1個をゴロッと食べると満足感ありまくり。


「海老しいたけ」は海老のすり身がぎゅーぎゅーにしいたけのうま煮の内側に詰まっており、ジューシー。


「鯖彩り金紙巻」は見た目が非常に美しい一品。


昆布〆した国産の鯖を削ぎ切りにし、酢漬けした生姜と紫菊花と一緒におぼろ昆布と薄焼き玉子で巻いたもの。非常にアッサリとしており、酢漬けも酸っぱすぎず、適度な感じ。


「黄金ほたて貝の酒蒸し」は国産ほたて貝を酒蒸ししたもの。素材の味で勝負している感じがあり、ほたて貝のうま味が口の中にジュワッと広がりました。


ほたて貝の下には海藻が敷いてあり、アオサのような感じ。これもうま味が染みこんでウマウマ。


「黒毛和牛のローストビーフ(ソース付)」


広げると意外に大きく、味も濃厚。


ソースをかけると甘みがついてちょうどいいバランスに。


「煮あわび」


最初からスライスしてあり、パズルのようにバラバラになります。かたすぎず、やわらかすぎず、ちょうどいいかみごたえに調整してあります。


「五色サーモン」


玉子、金時人参、きゅうり、大根をサーモントラウトで巻いたもので、甘酢のやさしい味。口の中でまぜまぜされ、良い感じのパリポリ感もあり。


上にのっているのは「いんげん」、そして下にあるのが「鰤の子吉野煮」。大きく4つのカタマリに分かれており、口の中でぶわっとふくらむ感じ。薄味であるため、鰤の子(真子)の味がよくわかります。


「豚ロース西京焼」


スライスした豚ロースを味噌と粕の合せ床で二日間漬け込んだもの。味噌の味がもっと濃いのかと思いきや、豚ロースの味の方が効いています。冷めてもおいしいのはポイントが高い。


「琥珀ふくさ包み」


1つかと思いきや、実は2つ


生栗から作った栗きんとんと白あんを合わせてから寒天生地で包んだもの。


もちもちとしており、いい感じの甘み。しつこすぎず、かといって、あっさりしすぎでもなく、正統派の和菓子といったところ。


次は二の重。洋風料理がメイン。


「チキンとポークのパテ」


白ワインとブランデーで漬け込んだ鶏肉と豚肉にピスタチオとドライトマトを加えたパテ。すさまじく濃厚な味なのに食い応えもあり、満足度が非常に高い。


「ホタテとイクラ(オニオンソース)」


オニオンソースの上に霜降りにした帆立貝柱とイクラを盛付たもの。


意外にソースの量が多く、ホタテ&イクラと見事にマッチ。


「黄金いもとピスタチオのスイートポテト」


さつまいものペーストにメープルシロップやバターを加え、粗く砕いたピスタチオを乗せて焼き上げたもの。試食担当者の間で最も好評だったのがコレ。似たようなスイートポテトと比べても段違い。


「ローストポーク(お肉のタレ付)」


見ての通り脂身がコッテリとしているものの、それ相応の濃厚さもあり、豚肉の質が良いのか、意外にもあっさり。というかクリーミー。


このタレをかけるとちょうどいいあぶらっぽさに中和されます。


「クリームチーズ」


こんな感じで梱包されています。


開封。さらに上にフィルムが貼ってあるのではがしましょう。


オレンジピール、レモンピール、ドライクランベリーを混ぜ合わせてあるので、濃厚&甘酸っぱさが絶妙。フランスパンに塗るとよりおいしくなるはず。スプーンですくって食べてもグッド!


「茄子のカネロニ」


野菜のみじん切りとタイリクスズキを白ワインに一晩漬け込んでソテーし、茄子で巻いたものに、トマトソースをかけたという、やたら手間がかかっている一品。口の中に唐突に謎のフランス料理とイタリア料理が出現します。すごすぎ。


「鶏肉のイタリアンソース煮込み」


鶏のもも肉に下味をつけて揚げた後、特製のトマトソースを加えてじっくりと煮込み、仕上げにゴーダチーズを上から添えたもの。見ての通りゴッテリ&こってり。しかしトマトソースによって中和され、しかもさっぱりというわけのわからないマジック状態。何がすごいかというと、あたたかくないのにウマいという点。常温でこの味付けは絶妙。高級レストランの味を再現しているようなイメージ。


「チキンサラメ」


鶏のミンチ肉に味を付け、レーズンとクルミを入れて蒸し上げ、仕上げにアーモンドと黒ごまをまぶしたもの。ミッチリと芯まで詰まっており、食べ応えマックス。


「真蛸とキャロットのマリネ」


国産の真蛸をスライスし、人参とレーズンといっしょに、赤・黄のパプリカとともに盛付けてマリネしたもの。酸味が薄く、さっぱりと甘く、ここまでの素材の味わいを濃厚に突き詰めた猛攻撃をやわらげるクッションのようなやさしさ。


最後は一の重。見ての通り、純和風おせちの段。


「金箔黒豆」。普通の黒豆と違い、もともとの素材としての「黒豆」のレベルの差を感じます。「くろまめーっ!」という感じで自己主張が非常に強い。インパクト大。


「栗きんとん」。黄味きんとんに渋皮栗を添えたものですが、絶妙な甘さ。和風なのに洋菓子店のような味わいの強さ。


黄味きんとんがちょうどいい感じのねっとり具合になっており、これもレベル高すぎ。


「かつをくるみ」。くるみをオーブンで焼いて香りを立たせてから醤油だれとかつお節をからめたもの。くるみもパリポリ感のすきまに、醤油だれ味のかつお節が絡んできて、絶妙なハーモニー。


「田作り」。1匹1匹がちゃんと分離しており、みんなまとめてねっとりとくっついて一体化しているものと天地ほどの差があります。どうやらこの「一の重」はベーシックなものばかりであるがゆえに、「素材の強さ」で殴りに来ている模様。これまでの三の重、二の重もレベルが高かったのですが、この一の重は明らかに異次元。


「鰤西京焼」。


白いご飯と一緒にいくらでも食べられる強い西京味噌の味がします。めちゃくちゃ箸が進むはず。


「紅白なます」。大根と人参を千切りにし、白ワインを効かせた甘酢がちょうどいい感じで、「酢の物は酸っぱいからちょっと苦手、つーか食べたくない」という人にこそ向いている味わい。「そうそう、やたらとツンとくる酸っぱさはではなく、こういうちゃんとした酸っぱさが欲しかったんだよ!」というバランス感覚の良さを感じます。


「紅白梅麩」と「竹の子土佐煮」。「紅白梅麩」は紅白の梅に模したなま麩を、砂糖としょうゆでさっと煮たもの。「なま麩はぐにゅぐにゅしてイヤ」という人向け、そういうトラウマが払拭されるはず。「竹の子土佐煮」はスジがなく、非常にやわらかく、パリポリと竹の子のいいとこ取りをした感じ。


「松笠いか白煮」。松笠仕立てにしたコウイカを、甘めのだしで白煮にしたもの。


くるんと回っているイカが意外に分厚く、なおかつ内側までみっちり回っているので、見た目の割にボリューム大。


「有平かまぼこ」。


「小田原の名産品でもある蒲鉾を厳選」と言うだけのことはあり、通常のカマボコとまったく違うところからやって来た「ちゃんとしたカマボコ」の味がします。むっちりぷりぷりしており、非常に満足感が高いです。


「豚八幡巻」。まき割り牛蒡を豚肉で巻き、一度焼いて旨味を閉じ込めた後、甘辛の味で柔らかく炊き上げたもの。みっちりと詰まった感じで、口の中でどんどん肉の味、そしてごぼうの風味が広がっていきます。というか、Oisixのおせちの特徴として、「やたらミッチリ詰まっている」というのがあるように思えます。


「鰊昆布巻」。


中にある「にしん」がすさまじく、「なるほど、ちゃんとした『にしん』を使うとこうも印象が変わるのか……」とびっくり。昆布巻も「口の中でぐにゃぐにゃになって気持ち悪い……」と今まで思っていたのですが、スパッと切れ、さっぱりしており、でもちゃんと昆布の味があり、今まで食べていた昆布巻は一体何だったのだ?というぐらいの衝撃。


「数の子美味漬」。かつお節を効かせた和風だしで二度漬けしたもの。味は非常に薄味。つまり「数の子」自体の味、食感で勝負しに来るという、ドストレートな数の子。ココがダメだとおせちのすべてが崩れるので、かなり気をつかっているのがわかります。


「浜汐海老」。


「ただのゆでた海老では?」と思っていたのですが、「ちゃんとした海老」でした。ジューシーで、殻もパリパリ食べられるほど。これも「まっすぐ行ってぶっ飛ばす」系の味。


最後は「伊達巻」。ふわふわ、でもミッチリ。上等な味。最後まできっちりぴっちりシメに来たな……という印象を強く与えてくれます。


価格は税込・送料込で2万2680円となっており、一見すると高額ではあるものの、ほかの税込み3万円級のおせちよりもよほど豪華かつおいしい、そして非常にユニークなおせちになっており、「これは確かにリピーターが増えるだろう」と納得するほどのハイレベルなおせちでした。特に、「常温なのに普通においしい」というのは特筆すべき点で、どこかのレストランのフルコースでも食べたのかというような満足感、見た目の割にかなりボリュームがあるという謎の満腹感があり、コストパフォーマンス的に見ても優秀。「Oisixおそるべし」と言うしかありません。

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in 試食, Posted by darkhorse

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