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Amazonで最初にCFOを務めた功労者がAmazonの配達車にひかれて死亡していたことが明らかに


2013年の9月、当時Amazonの最高財務責任者(CFO)を務めていたジョイ・コビー氏が、Amazonの配達車にひかれて死亡したことが、BuzzFeed NewsおよびProPublicaによる独自の調査により明らかになっています。

Amazon’s Race To Build A Fast Delivery Network: “The Human Cost Of This Is Too Much.”
https://www.buzzfeednews.com/article/kenbensinger/amazons-race-to-build-a-fast-delivery-network-the-human


Inside Documents Show How Amazon Chose Speed Over Safety in Building Its Delivery Network — ProPublica
https://www.propublica.org/article/inside-documents-show-how-amazon-chose-speed-over-safety-in-building-its-delivery-network

Report: Amazon executive was killed in collision with van delivering for Amazon
https://www.10tv.com/article/report-amazon-executive-was-killed-collision-van-delivering-amazon-2019-dec

ジョイ・コビー氏はAmazonで最初のCFOを務めた人物として知られています。コビー氏はは1996年にAmazonに入社して間もなくCFOに就任。その後、Amazon尾最高戦略責任者などを歴任し、同社の幹部として重要な役割を担ってきたという人物です。1999年にはアメリカのフォーチュンが選出する「世界で最もパワフルなビジネスウーマン」にも選出(28位)されています。なお、コビー氏は2000年にAmazonを退社していました。

コビー氏は2013年9月18日にサイクリング中に配達用のバンにひかれて死亡したことが明らかになっていたのですが、同氏をひいたのがAmazonの荷物を運ぶバンだったことがBuzzFeed NewsおよびProPublicaの調査により明らかになっています。報道によると、コビー氏をひいたのはアメリカ西部の地域配送サービスであるOnTracの下請け業者の配達車で、当時Amazonは荷物の配送のために同サービスを利用していたとのことです。

by Glenn Fleishman

加害者となった運転手は、配達していた商品の大部分がAmazonの商品であることを明かしていますが、事故当時はAmazonによるナビゲーションシステムなどは使用していなかったと証言しています。

なお、OnTracおよび事故を起こした下請事業者、そして加害者の加入していた保険会社は、コビー氏の息子の保護者に対して625万ドル(約6億8000万円)の和解金を支払ったそうです。

by Hello I'm Nik GB

Amazonは注文から1時間で商品が届く「Prime Now」など、配達関連サービスを強化しており、それに伴い配達ネットワークの強化にも取り組んできました。しかし、1日に数百万個もの荷物をAmazonは出荷しているため、どうしても配達車による事故が問題となっており、これまでにもメディアから「Amazonは下請け配送業者が起こした事故の責任を回避している」と指摘されてきました。

「Amazonは下請け配送業者が起こした事故の責任を回避している」という指摘 - GIGAZINE

by rawpixel.com

BuzzFeed NewsとProPublicaの調査によると、Amazonは配達車による事故を減らすために商品配達を担当するドライバーを訓練するための5日間のプログラムを提案するなどしてきました。しかし、ホリデーシーズには6週間で10億個を超える荷物が出荷されるAmazonでは、訓練用プログラムをドライバーに受けさせる時間もないということで、結局プログラムは採用されなかったとのこと。配送業者の中にはドライバーに広範な種類のトレーニングを受けさせている企業も存在しますが、Amazonは急速に成長していく配達ネットワークの強化にばかり注力し、「安全性よりもコストや速度が重視されてきた」とBuzzFeed Newsは指摘しています。

なお、Amazonは自社の配達ネットワークで働くドライバーが起こした事故の件数について詳細な数字を公表していませんが、BuzzFeed Newsらの調査によると2019年にAmazonの荷物を配達している配達車が起こした事故のうち、重大な負傷につながった事故の件数は60件以上存在しており、その中で10人が死亡したそうです。

AmazonはBuzzFeed NewsやProPublicaの報道に対して、「BuzzFeed NewsとProPublicaによる報道は、誤った先入観を持ったものであり、我々にとって安全性ほど重要なものはありません」と声明を出しています。

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in ネットサービス,   乗り物, Posted by logu_ii

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