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2019年は興行収入トップ10のうち8つをディズニー関連作品が支配


2019年は「アベンジャーズ/エンドゲーム」が興行収入の世界記録を更新し、12月にはシリーズ9作目となる「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」が公開され、公開から3日間で興行収入15億7000万円・動員数101万人という「2019年に日本の劇場で公開された映画」としてはトップの成績をたたき出しました。これらの作品が示すように、「2019年はディズニー関連作品の年だった」と海外メディアのThe Vergeが記しています。

Disney produced an unprecedented 80 percent of top box office hits this year - The Verge
https://www.theverge.com/2019/12/23/21034937/disney-star-wars-box-office-2019-marvel-pixar-star-wars-avengers-lion-king-frozen

2019年にアメリカの映画興行収入ランキングトップ10にランクインしたディズニー関連の映画の数は8本でした。記事作成時点でのランキングは以下の通り。日本国内の興行収入ランキングでもディズニー関連作品がトップ10に4作品入っており、全世界累計の興行収入ランキングでもディズニー関連作品がトップ10に7作品入っています。

1位:アベンジャーズ/エンドゲーム:アメリカ国内での興行収入8億5837万3000ドル(約940億円)・全世界累計興行収入27億9780万564ドル(約3000億円)
2位:ライオン・キング:アメリカ国内での興行収入5億4363万8043ドル(約590億円)・全世界累計興行収入16億5671万3458ドル(約1800億円)
3位:トイ・ストーリー4:アメリカ国内での興行収入4億3403万8008ドル(約470億円)・全世界累計興行収入10億7339万4593ドル(約1170億円)
4位:キャプテン・マーベル:アメリカ国内での興行収入4億2682万9839ドル(約470億円)・全世界累計興行収入11億2827万4794ドル(約1230億円)
5位:スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム:アメリカ国内での興行収入3億9053万2085ドル(約430億円)・全世界累計興行収入11億3192万7996ドル(約1240億円)
6位:アナと雪の女王2:アメリカ国内での興行収入3億7423万3961ドル(約410億円)・全世界累計興行収入11億711万6922ドル(約1210億円)
7位:アラジン:アメリカ国内での興行収入3億5555万9216ドル(約390億円)・全世界累計興行収入10億5069万3953ドル(約1150億円)
8位:ジョーカー:アメリカ国内での興行収入3億3331万3468ドル(約360億円)・全世界累計興行収入10億6295万4660ドル(約1160億円)
9位:IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。:アメリカ国内での興行収入2億1159万3228ドル(約230億円)・全世界累計興行収入4億7209万3228ドル(約520億円)
10位:スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け:アメリカ国内での興行収入1億7738万3864ドル(約190億円)


「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」は公開初日からの3日間での興行収入が1億7738万3864ドルに到達したため、わずか3日間の成績のみでアメリカの興行収入ランキングトップ10にギリギリ滑り込むこととなっています。また、トップ10に入った8本のディズニー関連作品は、全世界累計での興行収入が明らかになっていない「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」を除き、アメリカ国外でも大ヒットを記録。なお、「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」だけはマーベル・スタジオとディズニー、ソニーピクチャーズが共同制作した作品となります。

これらの作品のうち、「アベンジャーズ/エンドゲーム」および「キャプテン・マーベル」はマーベル・スタジオ作品で、「トイ・ストーリー4」と「アナと雪の女王2」はピクサー作品。そして、「ライオン・キング」と「アラジン」は1990年代にヒットしたディズニーのアニメーション映画の実写化版です。また、「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」の興行収入を加えれば、これら8本のディズニー関連作品だけで全世界で100億ドル(約1兆円)以上の収入を上げたということになります。

この大成功について、The Vergeは「ディズニーが過去10年間にわたり取ってきた戦略の成果です。これらの作品はディズニーが生み出したシリーズものに属する作品か、これから新しくシリーズ化をもくろむ作品ばかりです」とコメント。実際に、「アナと雪の女王2」はディズニーが2013年に公開した「アナと雪の女王」の続編であり、興行収入的にも大成功を収めています。


ディズニーは2006年にピクサーを、2009年にマーベル・エンターテインメントを、2012年にルーカスフィルムを買収しました。マーベル・エンターテインメントとルーカスフィルムの買収には合計で80億ドル(約8800億円)以上を費やしていますが、2019年の結果を見ればこれらの投資がディズニーにとっていかに効果的だったかは明らか。

マーベル作品は興行収入ベースでこれまでに280億ドル(約3兆円)以上を稼いでおり、ルーカスフィルム作品のスター・ウォーズシリーズはディズニーにとっての未来であるDisney+の中心的存在になることが期待されています。ディズニーによるこれらのスタジオの買収が「今後も世界で人気の高いシリーズ作品を生み出すこと」であったならば、「その戦略は報われた」とThe Vergeは述べました。

ディズニーが買収を繰り返したことによる成功と戦略とは? - GIGAZINE

By travisgergen

ディズニー関連作品がアメリカの興行収入ランキングをほぼ独占状態としなかったのは、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)開始直後で、スター・ウォーズの続三部作が登場するまでの「2011年から2013年頃の期間」だそうです。しかし、ディズニーはマーベル作品やスター・ウォーズシリーズなどを駆使し、再びハリウッド映画の王として戻ってきました。ディズニーで消費者向け製品の責任者を務めるケビン・メイヤー氏が「興行収入は、作品が観客にどれだけ人気があり、どの程度受け入れられているかの指標です」と語る通り、ディズニーは確かに観客の心をわしづかみにしているといえます。

ただし、ディズニーはすべての主要なシリーズ作品の権利を保有しているわけではないとThe Vergeは指摘。ワーナー・ブラザースには「ハリー・ポッター」「DCエクステンデッド・ユニバース」「ゲーム・オブ・スローンズ」、ユニバーサル・ピクチャーズには「ワイルド・スピード」や「怪盗グルー」といったシリーズ作品があるとしています。しかし、これらとディズニーの決定的な違いは「ディズニー関連作品の大部分が成功を収めているという点」だとThe Verge。

なお、2020年にディズニー関連作品として登場予定なのは「ムーラン」や「ブラック・ウィドウ」、「The Eternals」など。これらの作品はトイ・ストーリーやライオン・キングほどのネームバリューを持っていないため、2020年もディズニーが興行収入ランキングを支配できるかどうかについては気になるところ。

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また、ディズニーにとって劇場公開される映画作品だけが重要というわけではありません。2020年はDisney+にとって重要な年であり、始まったばかりの同サービスで継続的に会員数を増やしていく必要があります。なお、ディズニーは既に2019年公開のDisney+オリジナルタイトルの「ザ・マンダロリアン」でベビーヨーダというブームを作り出しており、2020年にも複数のオリジナル作品をリリースする予定です。

これらに加えて、2020年にはアバターの続編が公開されるのではともウワサされています。

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2019年はMCUがフェーズ4へ移行し、スター・ウォーズの続三部作が終了した1年でしたが、2020年には一体どんな作品でユーザーを楽しませてくれるのか期待が膨らむばかりです。

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in 映画, Posted by logu_ii

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