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プレゼントはあえて「いい加減なラッピング」にした方が喜ばれる

by Pressmaster

2019年に実施された市場調査では、世界中で年間151億ドル(約1兆6524億円)がギフト用包装製品に費やされていることが示されており、多くの人がきらびやかなラッピングや、きちんとした包装で贈り物を包むことに気を配っている様子がうかがえます。しかし、消費者心理学に着目した新たな研究により、むしろいい加減なラッピングにしたほうが喜んでもらいやすい場合があることが判明しました。

Presentation Matters: The Effect of Wrapping Neatness on Gift Attitudes - Rixom - - Journal of Consumer Psychology - Wiley Online Library
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/jcpy.1140

The science of gift wrapping explains why sloppy is better
https://theconversation.com/the-science-of-gift-wrapping-explains-why-sloppy-is-better-128506

テネシー州ナッシュビルのヴァンダービルト大学で消費者行動について研究しているエリック・マス氏らの研究グループは、3つの実験によりプレゼントの包装がもらい手にもたらす心理的影響を調べました。最初の実験では、180人の大学生を集めて、ダミーの実験に協力してもらい、感謝の印としてNBAに所属するプロバスケットボールチームのロゴが入ったマグカップを贈呈しました。

実は、この実験に参加した大学生は全員、以前の調査で地元のバスケットボールチームであるマイアミ・ヒートのファンであることが確認されていた人たちでした。しかし、マグカップの半分にはマイアミ・ヒートのロゴが入っていた一方で、もう半分にはマイアミ・ヒートのライバルチームであるオーランド・マジックのロゴが入れられていました。また、マグカップのうち半分はきれいにラッピングされていましたが、もう半分はいい加減にラッピングされたものでした。その後、参加者らにプレゼントを開封させて、プレゼントがどれだけ気に入ったかを評価してもらったところ、参加者はマグカップに入っていたロゴがお気に入りのチームのものでなくても、いい加減にラッピングされたものを高く評価したとのことです。


研究グループは、いい加減なラッピングの方が喜ばれた理由を追究すべく、別の参加者を集めて2つ目の実験を行いました。実験ではまず、各参加者にきれいなラッピングといい加減なラッピングのプレゼントの写真を見せて、「中身の期待度」を報告してもらいました。その結果、当然ながらきれいなラッピングのプレゼントを見せられた人の方が、期待度は高かったとのこと。そして、実際にプレゼントを開封してもらってから、「プレゼントが期待通りだったかどうか」のアンケートを行って、回答を集計しました。この実験で使われたプレゼントは、すべてJVCケンウッド製のイヤホンでしたが、プレゼントをもらった人のうち、きれいなラッピングで受け取った人の方が「期待通りではなかった」と回答する傾向が強かったとのことです。

このことからマス氏は、「きれいなラッピングはプレゼントのハードルを高くしてしまうので、中身がなんであれ失望につながってしまいやすい可能性があります。しかし、いい加減なラッピングであれば、もらい手は中身に期待しないので、開封時にうれしい驚きをもたらしてくれるのではないでしょうか」と話しています。

by choreograph

研究グループは最後に、いい加減なラッピングの効果がプレゼントの送り手と受け手の関係に影響を受けるのか確認するために、261人の参加者を募って実験を行いました。最後の実験では、参加者に「秘密のプレゼント交換会をイメージしてください」と依頼して、ランダムにきれいなラッピングといい加減なラッピングのプレゼントの写真を見せました。また、半分の参加者には「プレゼントは親しい友人からのものです」と通知し、もう半分には「プレゼントはただの知り合いからのものです」と通知しました。その後、プレゼントの中身を公開してから、参加者らにプレゼントが気に入ったかどうかを評価してもらいました。

その結果、「プレゼントは親しい友人からのもの」と通知されていた人は、きれいなラッピングよりいい加減なラッピングのプレゼントの方を高く評価する傾向にあったとのこと。一方、「ただの知り合いからのもの」と通知されていた人は、きれいにラッピングされていた方を高く評価していました。この結果から、マス氏は「今年のホリデーシーズンに友だちや家族にプレゼントを贈るときは、適当にラッピングしてお金や労力を節約すべきです。逆に、職場の同僚など、それほど親しくない人にプレゼントを贈るときは、美しい折り目の包装紙と豪華なリボンでラッピングした方がよさそうです」と述べました。


マス氏はさらに「私はこの実験結果を深く心に留めて、これからは妻にプレゼントする時はいい加減にラッピングすることにします。そうすれば、中身の良しあしにかかわらず、大喜びしてもらえるという寸法です」と付け加えました。

なお、今回の実験が行われる10年以上前の2008年12月には、プレゼントをあえてぐちゃぐちゃにラッピングする「ダメ梱包」サービスがスタートしており、記事作成時点でも「ダメ梱包オプション」を選択することが可能になっています。

プレゼントをぐちゃぐちゃにラッピングする「ダメ梱包」サービスがスタート - GIGAZINE

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in メモ, Posted by log1l_ks

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