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TwitterのCEOが「分散型ソーシャルメディアのオープン標準」の開発推進を発表

by PhotoMIX-Company

Twitterのジャック・ドーシーCEOは「分散型ソーシャルメディアのオープン標準を開発するために出資を行っている」と2019年12月11日にTwitter上で発表しました。また、将来的にはTwitterをこのオープン標準のクライアントにすることを目指しているとドーシーCEOは述べています。


ドーシーCEOは「Twitterは初期の段階では非常にオープンであり、電子メールプロトコルのような分散型インターネットのスタンダードになる可能性がありました」と述べながらも、Twitterが次第に集中型のソリューションを確立していったと語っています。と語りました。


例えば、Twitterは利用規約を定めており、悪質な投稿やフェイクニュースの投稿などといった問題はすべてTwitter社の管理の下で処理する「中央集中型」のソリューションを採用しています。しかし、このソリューションを世界的に運用しようとすると、スタッフに過度の負担をかけてしまうとドーシーCEOは指摘。


そして、ドーシーCEOは、ソーシャルメディアに求められている価値が「コンテンツのホスティングと削除」から、「人の目を引く推奨アルゴリズム」に移行していると指摘。例えばTwitterのタイムラインでは、単純にフォローしている人のツイートだけが時系列順に並ぶのではなく、見るべきツイートを自動的に選別して優先表示するようになっています。この仕組みには批判も多く、Twitterでは2018年9月にユーザーが自身の好みに応じてタイムライン表示を切り替えられるようになりました。

Twitterがタイムライン表示変更への批判に応えてユーザーで表示方法を制御できる新機能を開発中 - GIGAZINE


ただし、この選別アルゴリズム自体は運営するTwitter社独自のものであり、Twitterを利用している限り、ユーザーはアルゴリズムそのものを他のアルゴリズムに変えたり新たに構築したりすることはできません。

また、既存のソーシャルメディアでは、健康的な情報と会話ではなく、論争と怒りを引き起こすようなコンテンツと会話が展開されていることをドーシーCEOは問題視。そして、ドーシーCEOはブロックチェーンなどの分散型インターネット技術が登場したことで、分散型インターネットの実行可能性と期待が高まったと述べました。



そこで、ドーシーCEOは小規模の独立チーム「bluesky」に資金を提供し、分散型ソーシャルメディアのオープン標準を開発し、最終的にTwitterがこの標準のクライアントになることを目標に定めました。このblueskyは、Twitterの最高技術責任者(CTO)であるParag Agrawal氏が中心となって結成され、記事作成時点でのメンバーは5人とのこと。



分散型ソーシャルメディアの例としては、2016年にリリースされ、2017年頃に日本でもさまざまなインスタンスが登場したMastodonが知られています。Mastodonはオープンソースプラットフォームで、GitHubで開発が進められているため、ドーシーCEOが目指す「分散型ソーシャルメディアのオープンプラットフォーム」ともいえます。そのため、一部ユーザーからは「車輪の再発明ではないのか」という指摘もありますが、Mastodonは「GoogleがAndroidを制御しているように、Twitterも自身で制御できるプロトコルの構築を発表したのです」と述べ、ドーシーCEOが目指すものとMastodonは異なるという見解を示しました。

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in ネットサービス, Posted by log1i_yk

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