Twitterに投稿されるイラストを無断でグッズにして売りさばく悪逆ボットを裁くためインターネットユーザーがとった戦略とは?
TwitterなどのSNS上では自分の描いたイラストやマンガなどを手軽に公開することができますが、それらの作品を無断で使用する人もいます。中にはイラストなどのアートワークを無断で使用して儲けようとしている企業やサイトもいるようで、そういったサイトを裁くためにインターネットユーザーたちがクリエイティブな戦略をとっています。
Artists are provoking Nintendo, Disney to sue bots that steal artwork - Polygon
https://www.polygon.com/2019/12/5/20997056/i-want-that-on-a-shirt-bots-copyright-infringement-twitter
2019年12月頃から、Twitter上で突如以下のようなツイートが流行り始めました。
ツイートには「誰か、このイラストをTシャツにしたいの!」と書かれているものの、ツイートに添付された画像には「このサイトでは盗まれたアートワークが販売されているので購入しないでください!」と書かれています。
hey can y'all do me a favor and quote tweet/reply to this with something along the lines of 'I want this on a shirt', thank you pic.twitter.com/UhuGRQgU6b
— Nana (@Hannahdouken) 2019年12月3日
別のツイートでは、「私はこのアートワークが大好き!素敵なイラスト!神だわ!このTシャツが欲しいい!」と書かれていますが、一緒に添付された画像には「これはディズニーのライセンス商品ではありません。これはパロディ商品ではありません。我々は著作権侵害に対して熱心に取り組んでおり、ディズニーには訴えて欲しいです。我々はすべての裁判費用を支払う用意があります」と記されています。
I LOVE this artwork. Nice drawing, omg! ????
— Nirbion (@Nirbion) 2019年12月4日
I need this on a shirt!!!????♥️ pic.twitter.com/0tfJY0t3xQ
なぜ本文と添付画像に食い違いがあるツイートが次々に投稿されているのかは、Twitterユーザーの@OkazuYuriさんによる投稿を読むと理解できます。
@OkazuYuriさんは「Twitter上のアーティストから盗まれたアートワークを自動でTシャツなどにする、いくつかのサイトのリストが以下です。これらのサイトから商品を購入しないでください。盗まれたアートワークを発見した場合は報告します」とツイートしています。どうやら、「このイラストが好き!Tシャツにして!」といったツイートを解析したボットが、一部のサイトでアートワークを盗用したTシャツなどを販売している模様。
Here is list of some sites that auto-generate stolen artwork from artists on Twitter: Do not buy from them! Report stolen artwork.
— Erica Friedman 100 Years of Yuri 1919-2019 (@OkazuYuri) 2019年12月4日
TeeChipOfficial
copthistee
Gearbubble
Teeshirtpublic
teezyli
ToucanStyle
@OkazuYuriさんが挙げた「Twitterユーザーのアートワークを許可なしで商品化して儲けている」というサイトは以下の通り。以下のサイトはどれもイラストなどの画像からオリジナルのTシャツが作成できるというサービスです。
TeeChip
Get Your Own Trendy Shirt - CopThisTee
Teezily | Buy, Create & Sell T-shirts to turn your ideas into reality
Toucan Styleというウェブサイト上には「toucanstyle.com/this-site-sells-stolen-artwork-tshirt」(このサイトは盗まれたアートワークのTシャツを売っています)というURLのページが存在しており、このページではおそらく「このサイトでは盗まれたアートワークが販売されているので購入しないでください!」と書かれた画像をTシャツ化したものが販売されていた模様。ただし、記事作成時点ではページ上に「すみません、このページはもはや利用不可能です」と記されています
Toucan Style
なお、アーティストのアートワークを保護するための試みとして、なぜディズニーの名前とミッキーマウスのイラストが使用されたのかというと、過去にディズニーがミッキーマウスの著作権を守るためにさまざまな試みを行ってきたからだそうです。
「ミッキーマウス」の著作権を守るため、これまでどのような著作権法の変更が行われてきたのか? - GIGAZINE
By CHRISTOPHER DOMBRES
Twitter上のアーティストたちが自身のアートワークを守るために、上記の戦略を実行し始めると、インターネット上では同様の指摘が多数集まるように。
Twitterユーザーの@Talchyrさんは、オープンマーケットプレイス上では著作権を侵害するアパレル商品が並んでいると指摘。
IM LAUGHING THE FIRST 8 SHIRTS ARE ALL THIS pic.twitter.com/KzqVDzJsry
— the ghost of witchmas past (@Talchyr) 2019年12月5日
上記の事例のほかにもオンラインストア上には、著作権を侵害するような非正規の商品があふれています。例えば、「ザ・マンダロリアン」に登場したとたんにインターネット上で爆発的な人気を集めることとなった「ベビーヨーダ」も、非公式グッズが大量に登場していました。
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