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TikTokが「小児性愛者の狩り場になった」と集団訴訟を受ける

by Christoph Scholz

人気の動画共有アプリTikTokの運営会社が、「13歳未満の未成年の情報を収集して公開し、子どもを装った大人が子どもと連絡を取れるようにした」として、子どもの母親たちから集団訴訟を起こされました。

TikTok Lawsuit 12/03/19 | Class Action | Federal Trade Commission
https://www.scribd.com/document/438111420/TikTok-Lawsuit-12-03-19

TikTok Sued Over Claims That App 'Tracked, Collected, and Disclosed' the Data of Children
https://gizmodo.com/tiktok-sued-over-claims-that-app-tracked-collected-an-1840181819


未成年の個人情報の取り扱いについて提訴されたのは、動画共有アプリTikTokの運営会社と、その親会社であるByteDance、そしてByteDanceに買収されてTikTokに吸収合併された動画共有アプリMusical.ly運営会社の3社です。

2019年12月3日にイリノイ州北部地区連邦地方裁判所に提出された訴状の中で、原告は「アプリが子どもの氏名、メールアドレス、電話番号、自己紹介、プロフィール写真、位置情報を要求し、また子どもたちが年齢を入力できるようにしました」と指摘。さらに、これらの情報のプライバシー設定がデフォルトで「無効」状態になっており、原則としてすべての情報が公開されていたため、他のユーザーによって容易に閲覧可能な状態だったと主張しています。また、アメリカでは13歳未満の子どもから個人情報を取得する際には親の同意が必須となっていますが、アプリには親からの同意を得るための保護措置が適切に施されていなかったことも問題に拍車をかけました。


こうした問題は過去にも取り沙汰されており、2019年2月にはTikTokが6億円超の罰金処分を受けています。

人気の動画共有アプリTikTokが「子どもの情報収集」を理由に6億円超の罰金処分へ - GIGAZINE


今回の訴訟ではさらに踏み込んだ問題として、「アプリが実質的に全てのプライバシー機能を無効にしていたため、子どもを装った大人がアプリを通じて子どもに不適切なメッセージを送ることが可能になるなどの深刻な問題が発生しており、一部のニュースメディアでは『小児性愛者の狩り場』とさえ呼ばれていました」と原告は主張しています。

イギリスの日刊紙Daily Mirrorは「10代の若者がおもしろ映像を共有するアプリが、『小児性愛者の狩り場』になっています」と報道。その中で、児童虐待の防止を目的としたNGO団体の全英児童虐待防止協会は「かなりの数の子どもがTikTokのようなライブストリーミングアプリ経由で大人からの接触を受けていると報告されており、児童虐待者がアプリを子どもの物色に使用しているという実態が浮き彫りになっています」とコメントしています。

子どもがTikTokを介した犯罪の被害に直面しているという事態に対応するために、イギリスの学校では子どもによるTikTokの使用を警告する啓発資料が作成されています。


訴状によると、原告は13歳未満の子どもが親の同意なしにアプリを使用しているという保護者らの苦情を、数千件は受理しているとのこと。原告はこうした被害に対する「懲罰的損害賠償」が今回の提訴の目的であるとしています。

この問題について、TikTokの広報担当者は技術系サイトGizmodoに対し「早急に問題の解決が発表されるでしょう。TikTokは申立の大部分には同意しませんが、こうした苦情があることは以前から察知しており、問題の解決に向けて関係者と協力してきました」との声明を発表し、問題の早期解決に自信を見せました。

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in モバイル,   ネットサービス, Posted by log1l_ks

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