「TikTok」の開発元がスマートフォンの開発を計画中
15秒のショートムービーを共有するモバイルアプリ「TikTok」の開発元である北京字節跳動科技有限公司(ByteDance)が、独自開発のスマートフォンを計画中であると報じられています。
China’s ByteDance plans to develop its own smartphone | Financial Times
https://www.ft.com/content/ea4a2be4-7dca-11e9-81d2-f785092ab560
TikTok parent ByteDance is reportedly making a smartphone - The Verge
https://www.theverge.com/2019/5/27/18641295/bytedance-tiktok-owner-reportedly-building-smartphone-smartisan-patents
ByteDanceは中国・北京を拠点として活動する企業で、2019年初めにスマートフォンメーカーのSmartisanとの間に一部の特許を取得する契約を結び、同時に、Smartisanの一部の従業員を雇い入れたらしいということが報じられていました。ByteDanceはこの動きについて「教育事業に関する探究のため」と主張していましたが、Financial Timesでは2人の情報筋から、ByteDanceがスマートフォンを開発している情報を得たとのこと。
情報によると、ByteDanceが開発中のスマートフォンにはTikTokやニュースアプリ・今日头条(Toutiao)、さらには今後リリース予定の音楽ストリーミングアプリなど、同社製のアプリが多数プリインストールされることになる模様です。
by Sara Kurfeß
なお、Financial Timesの報道はあくまで「ByteDanceがスマートフォンを開発中らしい」と示唆するもので、すでに開発に取りかかっているのかという点を含めて詳細は一切が不明です。
Financial Timesはアメリカと中国の貿易戦争により、ByteDanceのスマートフォン開発が妨害される可能性もあるとしており、加えて、インドでも人気の高いTikTokがインド政府から「文化的劣化を促進する」として一時的に使用を禁止されたことを挙げ、ByteDanceはスマートフォン開発以外にも問題を抱えていると指摘しています。
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Financial TimesはByteDance製スマートフォンに非常に懐疑的な目を向けていますが、これまでにFacebookやAmazonなどが自社製アプリを搭載した独自のスマートフォンを販売してきたという経緯もあります。ただし、両社ともにスマートフォンが人気を得ることはなく、失敗に終わっています。特にFacebookの場合、Facebookアプリを自分の端末にインストールすればいいだけなので、わざわざFacebook製のスマートフォンを購入する理由がありませんでした。ByteDance製スマートフォンも同様の問題に直面する可能性がある、と海外メディアのThe Vergeは指摘しています。
なお、自撮りアプリの「Meitu」がスマートフォンビジネスをスマートフォンメーカーのXiaomiとの取引にうまく取り込んだという事例もあります。
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