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結婚せずに親と同居する若者がアメリカで大幅に増加しているという指摘

by Anastasiya Gepp

「若者は大人になれば自立して親元を離れるもの」という考えは根強くありますが、アメリカ合衆国国勢調査局が収集してきた50年にわたるデータを分析したところ、「親と同居する若者が数十年前より大幅に増加している」という事実が明らかとなりました。

Reconfiguring The American Household - Rentonomics
https://www.apartmentlist.com/rentonomics/reconfiguring-the-american-household/

オンラインの賃貸物件仲介サービスを展開するApartment Listでアナリストを務めるRob Warnock氏とIgor Popov氏は、アメリカの世帯構成は何十年にわたって徐々に変化し、成長と多様化を遂げてきたと指摘。研究チームは実際にアメリカ合衆国国勢調査局が行った50年分に及ぶ人口調査データを分析し、文化的規範や経済状況の変化が世帯構成にどのような影響を与えたのかを調査しました。

この分析の結果、「若いアメリカ人が配偶者と暮らす割合が大きく低下し、親やルームメイトと一緒に暮らす割合が増加している」傾向が判明したとのこと。研究チームが「特にこの傾向が強い」と指摘しているのが「26歳」の年齢層だそうです。

以下の画像は「26歳のアメリカ人がどのような世帯に住んでいるか」を示したグラフで、横軸が年代、縦軸が全体に占める割合を表します。水色が「配偶者と同居する人」、紫色が「親と同居する人」、赤色が「ルームメイトと同居する人」、薄いオレンジ色が「結婚していないパートナーと同居する人」、緑色が「1人で住む人」の割合を示しています。グラフを見ると、1960年代では80%近い若者が結婚して配偶者と一緒に住んでいたようですが、1970年以降は、結婚して配偶者と同居する人が急激に減少。対照的にパートナー、ルームメイトと同居する人が増加しており、特に親と同居する人の割合は2018年の時点で30%を超え、配偶者と共に住む人の割合を上回りました。一方で、独身で1人暮らしの世帯は2018年の時点でも10%ほどしかありません。


また、23歳では50%近くが親と同居しており……


29歳では配偶者と暮らす人が増加しているものの、やはり20%近くは親と同居していることがわかります。


50年前は26歳のアメリカ人のうち76%が結婚して配偶者と同居していましたが、2018年の時点で配偶者と同居する割合は、わずか24%に過ぎません。こうした変化について、研究チームは結婚率が低下していることが一つの原因だと指摘。その上で、ルームメイトや未婚のパートナーとの同居といった新たな選択肢が、若者たちの間で一般的になりつつあるとも述べています。

以下のグラフは、世界規模の不況を招いたリーマン・ショック前年の2007年以降で、若者の世帯構成がどのように変化したかを表したものです。これを見ると親と同居する若者の割合が46%増加しているだけでなく、パートナーとの同居も32%、ルームメイトとの同居も19%増加しています。一方で配偶者と同居する割合は19%、さらに子どもが生まれている割合も20%低下しました。


研究チームによると、アメリカの総世帯数は2007年から2018年にかけて10%増加し、2018年には1億2750万の世帯が存在しているとのこと。一方で血縁関係のある相手とのみ同居する世帯の増加は7%にとどまり、血縁関係のない人々と同居する世帯は22%増加しているそうです。なお、ここでの「血縁関係のない人々との同居」は、お互いが独身である場合に加え、結婚した夫婦や核家族世帯が、ルームメイトとして血縁関係のない人物と同居するといった場合も含みます。

アメリカにある25の大都市圏における、「血縁関係のない相手と同居する世帯の増加率」を示した以下のグラフでは、ほとんどの都市圏で血縁関係のない相手との同居が増加していることが示されています。特にオーランドサンアントニオデンバーサンディエゴシャーロットといった都市では、血縁関係のない相手と同居する世帯が2倍以上に増加していました。


一方で大きく減少しているのが核家族世帯であり、2018年の核家族世帯数は、アメリカの人口が27%も少なかった1984年と同じくらいだとのこと。この理由について研究チームは、多くの地域において住宅費が法外に高騰し、核家族世帯が住宅費をまかなえなくなっている可能性があると指摘。そうした世帯は、自分たちとは血縁関係がない相手と同居するなどして、なんとか住宅費を払っているケースも多いそうです。

研究チームは今後も住宅費の上昇傾向が持続するとみており、ますます核家族世帯は減少し、血縁関係のない相手や親と同居する世帯が増加するなど、世帯構成が多様化していくと予想しています。この傾向は、やがて新たに建造される住宅にも反映され、ホームシェアリングに適した住宅などが増加する可能性があるとのことです。

by Daria Shevtsova

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in メモ, Posted by log1h_ik

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