生き物

ネコをひきつけてやまないハーブ「イヌハッカ」に含まれる成分とは?

by TeamK

ハーブの1種であるイヌハッカはネコを引きつけることで知られていて、「西洋マタタビ」「キャットミント」という別名で呼ばれることもあります。なぜネコがイヌハッカに反応するのかについて、科学系メディアのLive Scienceが解説しています。

Does Catnip Really Make Cats 'High'? | Live Science
https://www.livescience.com/does-catnip-get-cats-high.html


イヌハッカは日本を含む世界中に自生するシソ科イヌハッカ属の植物。古くから薬草として利用されているイヌハッカは、ネコに対しても大きな効果を持つハーブとしても知られていて、イヌハッカの香りを嗅いだネコは体をこすったり、地面を転がったり、声を出したりします。

by rebeck96

イヌハッカには「ネペタラクトン」と呼ばれる物質が含まれています。コーネル大学獣医学部のネコ科保健センターに勤めるブルース・コーンライヒ氏によると、ネペタラクトンはネコの鼻にある受容体に結合し、神経伝達物質に影響を及ぼし、中枢神経系の活動を阻害するとのこと。イヌハッカを嗅いだネコが酔っ払ったような行動を取るのは、ネペタラクトンが原因というわけです。

ネコがネペタラクトンに反応している姿はまるで麻薬で陶酔感を覚えている人間のようであり、多幸感に包まれているように見えます。しかし、「ネペタラクトンを摂取したネコの脳内で具体的に何が起こっているのかについては具体的にわかっていません」とコーンライヒ氏が述べる通り、ネペタラクトンがネコにとって大麻やモルヒネのように作用しているかどうかは証明されていません。


ただし、中枢神経系のオピオイド受容体を遮断するナロキソンのような化合物をネコに投与すると、ネペタラクトンの作用が抑制されることがこれまでの研究で示されていることから、ネペタラクトンにネコが反応するメカニズムにはオピオイド受容体が関係していることが示唆されています。

また、これまでは「およそ3分の1のネコはネペタラクトンに反応しないため、すべてのネコがネペタラクトンの影響を受けるわけではない」と考えられていたとのこと。しかし、一見すると何も起こっていないようでも、ほとんどのネコはネペタラクトンに反応している可能性があると、コーンライヒ氏は指摘しています。

2017年に発表された研究では60匹の飼いネコを対象に、イヌハッカに対する反応の調査が行われました。その結果、イヌハッカに対して寝転がったり声を出したりという能動的な反応を示したネコは全体のおよそ20%で、残りの80%のネコが「まるでスフィンクスのような体勢でうっとりする」という受動的な反応を示したことが判明。「この研究の結果は、ほとんどのネコが何らかの形でイヌハッカの影響を受けていることを示唆しています」と、コーンライヒ氏は論じました。

by NadineDoerle

なお、研究ではライオンやヒョウ、ジャガーなどのネコ科の動物もネペタラクトンに反応することが示されました。ただし、トラだけはなぜか影響を受けないことがわかっています。

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in サイエンス,   生き物, Posted by log1i_yk

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