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ヨーロッパのIPv4アドレスが2019年11月にほぼ完全に枯渇

by Christoph Scholz

ヨーロッパにおけるIPアドレスの割り当てを担っているヨーロッパIPリソースネットワーク調整センター(RIPE NCC)が、「2019年11月にもIPv4アドレスが枯渇する」と発表しました。

Update: Approaching IPv4 Run-out — RIPE Network Coordination Centre
https://www.ripe.net/publications/news/about-ripe-ncc-and-ripe/update-approaching-ipv4-run-out

This Time, There Really Are NO IPv4 Internet Addresses Left - ISPreview UK
https://www.ispreview.co.uk/index.php/2019/10/this-time-there-really-are-no-ipv4-internet-addresses-left.html

RIPE NCCは2018年4月に「インターネット割当番号公社(IANA)から割り当てられたIPアドレスを使い果たしてしまった」と発表。RIPE NCCはこれ以降、IPアドレスの割り当てを申請してきたインターネットサービスプロバイダ(ISP)に対して、予備のIPアドレスを割り当ててしのいでいました。

ヨーロッパに割り当てられていたIPv4アドレスがついに枯渇 - GIGAZINE

by thierry ehrmann

しかし、RIPE NCCは2019年10月2日に「予備のIPアドレスの残りが約100万個を切りつつあります」と発表し、このままのスピードで割り当てが進めば、2019年11月に完全に枯渇することが確実だとの見方を示しました。

以下のグラフは、RIPE NCCが発表したIPアドレスの残量の推移を表したものです。濃い青色で示された「RIPE NCCが管轄するIPアドレス」が2018年初頭に尽きていることや、水色で示された「返還されるなどして使用可能になった予備のIPアドレス」も残りわずかとなっているのが見てとれます。


2019年10月22日時点での予備IPアドレスの残量は約67万個しかありません。


RIPE NCCの広報担当者は、ISP関係者向けニュースサイトISPreview UKの取材に対し「予備のIPアドレスは2019年11月に底をつくことが確実視されています。これ以降は、順番待ちリストを作って、返還された使用済みのアドレスを順次割り当てていくことになりますが、それも多くて数十万個ほどしかないと見ています」と答えて、今度こそ本当に枯渇することを示唆しました。

また同時に、「IPアドレスの枯渇はかねてから予想され、計画的に準備が進められてきたので、11月に底をついたからといってある日突然インターネットが崩壊するような心配はありませんが、多くのネットワークに負荷がかかるのは間違いありません」とも話しています。


1999年には、IPv4アドレスの枯渇を見越してIPv6アドレスが開発されていますが、普及状況ははかばかしくありません

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ISPreview UKは「自社でIPv4アドレスをプールしている大手ISP以外は、速やかにIPv6に移行するか、さもなくばIPアドレスを共有するキャリアグレードNATなどの複雑な手法を導入して、延命を図るほかないでしょう」とコメントして、早急な対応が求められているとの見方を示しました。

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in ネットサービス, Posted by log1l_ks

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