ヨーロッパ最後のIPv4アドレスはどのように割当が行われたのか

by Christoph Scholz

ヨーロッパや中東、中央アジアを中心にIPアドレスの分配を行うRIPE NCCは、IPアドレスの管理などを行うInternet Assigned Numbers Authority(IANA)から割り当てられたIPv4アドレスが枯渇したと発表しました。RIPE NCCはIPv4アドレスに感謝を述べると共に、どのようにしてIPアドレスが割り当てられていったのかについて振り返っています。

So Long Last /8 and Thanks For All the Allocations — RIPE Labs
https://labs.ripe.net/Members/wilhelm/so-long-last-8-and-thanks-for-all-the-allocations

RIPE NCCは2018年4月17日にIANAから割り当てられた最後のIPv4アドレス(185.0.0.0/8)を分配したため、今後は使用者が放棄した後にRIPE NCCが回収したIPv4アドレスを割り当てていくと同時に、IPv6アドレスへの移行を進めていくとのこと。RIPE NCCが保持している残りのIPv4アドレスは900万個ほどになり、2020年頃までは回収したIPv4アドレスの割り当てが続けられるとみられています。

2011年2月にIANAから最後のIPv4アドレスが割り当てられた時、RIPE NCCは合計で7500万ものIPv4アドレスを所持していました。それが、7年ちょっとですべて割り当てられたということになります。

最後に残ったIPv4アドレス(185.0.0.0/8)の月別分配数と、合計の分配数をグラフ化したものが以下の画像です。分配開始直後に大量のIPv4アドレスが分配された後は、1年ほど分配数の減少傾向がみられたものの、徐々に分配数が増えていることがわかります。


RIPE NCCは徐々にIPv4アドレスからIPv6アドレスへの移行を進めるとしていますが、移行の最中にIPv4アドレスを使い果たしてしまわないよう、少数の組織が大量のIPv4アドレスを消費することを防ぐ対策を取ったとのこと。「インターネットがIPv6アドレスのプラットフォーム上で動作可能になる前に、しばらくの間IPv4アドレスが必要になる」とRIPE NCCは述べており、新規のインターネット参入者に対してIPv4アドレスが分配できるように配慮するとしています。

IPv4アドレスからIPv6アドレスへの移行を進める作業は難航し、あまりうまくいっていないとRIPE NCCは語っています。RIPE NCCはLocal Internet registry(LIR)と呼ばれるIPアドレスを割り当てる下部組織にIPv6アドレスを分配し、IPv6アドレスへの移行用としてIPv4アドレスを用意しましたが、ほとんどのLIRはIPv6アドレスとセットで分配されるIPv4アドレスを取得することのみに興味があり、せっかくRIPE NCCが分配したIPv6アドレスで何もしなかったとのこと。

最後のIPv4アドレス(185.0.0.0/8)をどの国の企業が取得したのかという分布を示したものが、以下の画像です。ロシアやイギリス、フランスなど多くのLIRを持っている国が多くの最後に残ったIPv4アドレス(185.0.0.0/8)を所持している一方、ポルトガルやベルギーでは最後のIPv4アドレス(185.0.0.0/8)を要求した企業が少ないということがわかります。


現在ではRIPE NCCの働きかけによって、着々とIPv4アドレスからIPv6アドレスへの移行が進みつつあります。以下の画像を見ると、増減を繰り返しながらも2017年以降はIPv6アドレスへの移行数が増えていることがわかります。

RIPE NCCが保持している残りのIPv4アドレスは、放棄されたIPv4アドレスをIANAが回収し、RIPE NCCを含むIPアドレス分配組織に割り当てた約400万個と、RIPE NCC自身が回収した約500万個を合わせておよそ900万個とのこと。IPv6アドレスへの移行が完了するまでIPv4アドレスを切らさないよう、RIPE NCCは今後もIPv4アドレスの回収を行っていくとしています。

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