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「AIによるセールストークは人間の4倍も高い売上をみせた」という調査結果

by mohamed_hassan

人工知能(AI)技術の進歩によって、人間と同等に高度な会話を行うことができるチャットボットが登場し、一部の企業では顧客対応に応用されるケースも存在しています。そんなチャットボットが既に人間と同程度のセールス力を持ち、「場合によっては人間の4倍の売上を見せた」という調査結果が発表されました。

Frontiers: Machines vs. Humans: The Impact of Artificial Intelligence Chatbot Disclosure on Customer Purchases | Marketing Science
https://pubsonline.informs.org/doi/10.1287/mksc.2019.1192


Artificial intelligence can improve sales by four times compared to some human employees | EurekAlert! Science News
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2019-09/ifor-aic092319.php


自動で会話対応を行うチャットボットは「人工無脳」とも呼ばれ、本来はAIとは明確に区別されてきました。しかし、近年は会話ログの解析から深層学習や自然言語処理を行い、人間のように高度な会話が可能なチャットボットも登場しています。

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人間は体調や精神に左右されて仕事のパフォーマンスが変化してしまいますが、AIにはそういったことはありません。また、人件費が節約でき、コストを低く抑えることができるため、ドミノ・ピザやAmerican Eagle Outfittersなど、一部のサービス企業では、顧客対応にチャットボットが使われているとのこと。

テンプル大学のXueming Luo教授らの研究チームは金融サービス企業の顧客6200人以上を対象に、経験の浅い人間の社員とチャットボットで顧客との会話を行った時の売上を比較調査しました。

すると、対応した相手が人間かチャットボットかを顧客が知らない場合、チャットボットは人間の4倍も売上があったことが判明。また、熟練した社員の売上と比較しても、チャットボットの売上はほぼ同等だったとのこと。

by John Jackson

ただし、会話する前にチャットボットであることを顧客に明示した場合、チャットボットによる売上は79.7%以上低下したことが判明。同時に、チャットボットとの会話時間が非常に短くなることがわかりました。

この結果について、Luo教授は「顧客は会話の相手が人間ではないことを知ると、チャットボットは何も知らないし共感力も低いと考えるため、商品の購入を控えてしまうのでしょう」と推測しています。

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in ソフトウェア, Posted by log1i_yk

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