Amazonのスマートドアベル「Ring」の映像を警察が入手できる状態になっていたことが判明

2018年にAmazonが買収したスマートドアベル「Ring」の製品で、端末の映像やユーザーがコミュニティに投稿した情報などを警察が閲覧できる状態になっていたことがわかりました。

Working Together for Safer Neighborhoods: Introducing the Neighbors Active Law Enforcement Map - The Ring Blog
https://blog.ring.com/2019/08/28/working-together-for-safer-neighborhoods-introducing-the-neighbors-active-law-enforcement-map/

How to check if police are watching your neighborhood with Ring
https://mashable.com/article/amazon-ring-law-enforcement-surveillance-map/

Ring Told People to Snitch on Their Neighbors in Exchange for Free Stuff - VICE
https://www.vice.com/en_us/article/ne8wqx/ring-told-people-to-snitch-on-their-neighbors-in-exchange-for-free-stuff

Ringはモーションセンサーや動画ストリーミング機能を備えた監視カメラ付きのスマートドアベルの「Video Doorbell」をはじめとする、さまざまなセキュリティ製品を展開しています。Video Doorbellをスマートフォンやタブレットと接続しておくと、玄関の前に人が立つと通知が入り、訪問者が誰なのか確認できるほか、外出先からでも通話が可能です。

また、「コミュニティ内の犯罪を減らす」という目標を掲げて起業したこともあり、近隣のRingユーザー同士で犯罪と安全に関する情報を共有する「Neighbors app」を提供し、Ringユーザーによるネットワークも形成しています。

ところが、2019年8月にGizmodoやMotherboardにより、本来はRingユーザーしか見られない「Neighbors app」への投稿内容を警察が見られるようになっていたことがわかりました、さらに、Ring製品で撮影された映像へもアクセスを要求できるようになっていたとのこと。

by Pixabay

Ringによる「監視ネットワーク」については、プライバシーの専門家から懸念の声が挙がっていました。

Motherboardによると、Ring社内では2017年に「Digital Neighborhood Watch」というシステムについて議論が行われていて、Ringユーザーが他の近隣住民にRing製品を広めるか、犯罪に関連する活動を警察に提供した場合に、Ring製品を格安で購入できる特典を与える計画が構想されていました。Ringの広報担当者は、Digital Neighborhood Watchの計画は2017年に中止されていると述べ、企業は常にさまざまな新しいアイデアを検討しているとコメントしています。

メディアによりNeighbors appと法執行機関の提携が明らかにされた後、Ringは2019年8月28日になって自らNeighbors Portalを通じた法執行機関との提携規模について公表。全米405の法執行機関と提携しているとRingは述べ、簡単に地元の法執行機関がRingと提携しているのかをチェックできる地図を公開しました。



法執行機関との提携においてはユーザーが共有する情報を管理し、個人情報を保護できるように考えてきたとのこと。さらに、Ringは地元住民と法執行機関との協力を手助けすることにより、道路における銃器の盗難や糖尿病患者の医薬品盗難といった事件を解決する目覚ましい成果を達成したと主張しています。「コミュニティ全てのメンバーは近隣地域を安全にするために重要な役割を担っており、Ringユーザーが地域の安全に貢献することを誇りに思っています」と、Ringは述べました。

by Rosemary Ketchum