Amazonがスマートホーム端末の新興企業「Ring」を買収
Amazonがスマートドアホンやカメラなど、スマートホーム向け端末を展開しているスタートアップ「Ring」を買収することになりました。具体的な買収価格は明かされていませんが、Twitch買収やオンライン靴小売店・Zappos.com買収を上回る、10億ドル(約1070億円)規模であるとみられています。
Amazon Agrees to Buy Smart-Doorbell Startup Ring - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2018-02-27/amazon-com-is-said-to-agree-to-buy-smart-doorbell-startup-ring
Amazon to pay over $1 billion for home security startup Ring: source
https://www.reuters.com/article/us-ring-m-a-amazon-com/amazon-to-pay-over-1-billion-for-home-security-startup-ring-source-idUSKCN1GB2VG
Amazon Acquires Ring, Maker of Video Doorbells - WSJ
https://www.wsj.com/articles/amazon-acquires-ring-maker-of-video-doorbells-1519768639
Ringはジェイミー・シミノフ氏とエンジニア仲間の集まりを母体として誕生したスタートアップで、2012年12月に5名のチームで創業しました。最初の製品は、モバイル端末と連携することで留守中でも訪問者に対応可能なドアホン「Doorbot」で、「コミュニティ内の犯罪を減らす」という目標を掲げていました。
「Doorbot」の名称を「Ring」に改めたのは2014年のこと。企業名も「Ring」に揃え、ヴァージン・グループのリチャード・ブランソン氏から30億円以上の投資を受けるなどして、2017年には、スマートドアホンの大手にまで成長しました。
最新の「Video Doorbell 2」の場合、連携した端末ではドアホンカメラの映像を1080pで見られるほか、ナイトビジョンにも対応。可視範囲はカメラの周囲160度で、48度からマイナス20度までの気温での動作に対応。ドアホン本体は199ドル(約2万1400円)で、録画した映像を保存するにはカメラ1台ごとに契約する月3ドル(約320円)or年30ドル(約3200円)のベーシックプラン、もしくはカメラ台数が何台でもOKの月10ドル(約1080円)or年100ドル(約1万800円)のプロテクトプランに加入する必要はあります。
Get Next-Level Security and Convenience With Ring Video Doorbell 2 | Ring
https://ring.com/video-doorbell-2
このRingに目をつけたのが、人工知能・Alexaを搭載したスマートスピーカー「Amazon Echo」でスマートホーム端末に切り込んでいるAmazonです。
AmazonはRingとの共同声明で「Ringのホームセキュリティ製品とサービスは、顧客を1日目から喜ばせています。この才能あるチームと協力し、家を安心・安全に保つという使命の助けになれることにわくわくします」とコメント。
Amazonでは2017年に配達員が勝手に家のドアを開けて荷物を配達してくれる「Amazon Key」というサービスを開始しましたが、その背景には、玄関先に置いた荷物の盗難が相次いでいることもあるようで、ドアホンとの連携は配達を助けることになるかも。
ちなみに、RingのドアホンはAmazonでも購入可能ですが、日本での直接販売はなく見つかるのは並行輸入品。この機に、正式な販売が始まるかもしれません。
・関連記事
Amazonが支配しようとしているのはオンライン通販ではなく商取引全体のインフラである - GIGAZINE
Amazonの音声認識「Alexa」は世界のIoTを席巻し「スマートフォンの次」のプラットフォームの覇者となりつつある - GIGAZINE
Amazonのハードウェア史上最大のヒット商品になったスピーカー型音声アシスタント「Amazon Echo」誕生秘話 - GIGAZINE
本当にAmazonスマホ「Fire Phone」は失敗作なのか1週間ほど試してみて分かったこと - GIGAZINE
・関連コンテンツ