iPhoneに物理的に挿入するだけで二段階認証が可能なセキュリティトークン「YubiKey 5Ci」

セキュリティトークンのメーカーであるYubicoが、Lightning端子からでも接続できる世界で初めてiPhone・iPadにも対応した物理セキュリティキー「YubiKey 5Ci」を発表しました。

Say Hello to Simple, Secure Login on iOS with the YubiKey 5Ci | Yubico
https://www.yubico.com/2019/08/yubico-launches-yubikey-5ci/

Yubico releases the first Lightning security key for iPhones - The Verge
https://www.theverge.com/2019/8/20/20813129/yubico-first-security-key-for-iphones-works-with-usb-c-google-titan-ios-ipad-pro-1password-lastpass

IDとパスワードで個人情報を管理するシステムは、パスワードが流出してしまうと簡単に第三者に知られてしまうのが難点。そこで、デバイスに接続することで2段階認証を手軽に行える物理セキュリティキーの需要が高まっています。例えばGoogleでは物理キー「Titan セキュリティ キー」を独自に開発して社員に支給しているほか、一般向けにも販売しています。

Yubicoが発表したYubiKey 5Ciの見た目は以下のような感じ。片方からはLightning端子が、もう片方からはUSB Type-C端子が飛び出ているという形状で、FIDO2・WebAuthn・FIDO U2F・ワンタイムパスワード(OTP)・PIV・OpenPGPをサポートするとのこと。iPhoneに挿すだけで多要素認証をクリアすることができ、幅広いデバイスでパスワードレス認証を行うことが可能になります。

対応するセキュリティ仕様をサポートするiOSアプリであれば、YubiKey 5Ciを使うことで簡単にログインできます。また、iPhoneのLightning端子を介してWebAuthnをサポートする唯一のウェブブラウザ「Brave Fast Privacy Browser」であれば、TwitterやGitHubへのウェブログインも可能だとのこと。もちろんUSB Type-C端子を備えているので、iPhoneやiPad以外のデバイスでもセキュリティキーとして使うことが可能。

ただし、YubiKey 5CiはUSB Type-C端子を備えているにもかかわらず、第3世代のiPad Proには完全に対応していないとのこと。また、接続するだけで完全にパスワードレスですべてのサービスにアクセスできるようになるわけではなく、iPhone側がLightning端子に挿入されたYubiKey 5Ciに対応するためにはアプリを個別に追加する必要があるそうです。

技術系メディアのThe Vergeは、YubiKey 5Ciのリリースをはじめとして、YubicoやGoogleなどの企業がより優れた認証ツールのサポートを推進すれば、より多くのiOSアプリにもセキュリティ認証規格が対応するようになり、真にパスワードレスな未来が実現するだろうと述べています。

YubiKey 5Ciは70ドル(約7500円)で、以下のサイトで販売されています。アメリカ以外の地域にも配送しているとのことで、日本への送料は1注文につき最低5ドル(約540円)がかかるとのことでした。

Yubico | YubiKey 5Ci | Dual connector - USB-C and Lightning | Security Key
https://www.yubico.com/product/yubikey-5ci