取材

豪快な斜め打ちでワイド感満載、正三尺玉が3発も打ち上がる「蒲郡まつり納涼花火大会2019」を見てきました


毎年、7月最終日曜日に開催される「蒲郡まつり納涼花火大会」では、毎年打ち上げ方法に工夫が施され訪れる度に新しい驚きを味わうことができます。直径約650mにも広がる正三尺玉も例年通り3発上がるとのことで、2019年の花火大会はいったいどのようなものになるのか確かめるために実際に見てきました。

蒲郡まつり
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蒲郡まつり納涼花火大会の会場は、愛知県蒲郡市の竹島ふ頭周辺です。


この花火大会の打ち上げを担当する花火会社は、「『花火って作る会社によって違いがあるの?』花火の秘密や花火大会を見るポイントなどを現役の花火師に聞いてきました」をはじめいくつかの記事で登場している加藤煙火株式会社で、この蒲郡が地元の花火会社です。

今回は、正三尺玉の筒への仕込み作業や打ち上げ花火の準備作業を見学できるとのことで、花火大会の早朝、集合場所である打ち上げ場所を訪れました。打ち上げ場所側から観覧場所を見るとこんな感じ。


3本大きな筒が並んでいますが、これが正三尺玉を打ち上げる筒で高さは約4mもあり、海上で打ち上げるため台船に固定されています。


まずは筒に打ち上げ火薬や導火線などを仕込む作業から始まりました。トラックの荷台にある木箱の中には正三尺玉が入っています。


正三尺玉は直径約90cm、重さが約200kgもあるので、クレーンを使って筒に入れています。


筒に入れたら雨にぬれないようにふたをして準備完了。順番に沖へと運ばれて行きました。


正三尺玉の仕込みが終わると、打ち上げ花火の準備が始まります。


気温が高い中の作業で「大変では?」と質問したところ「大変だけど、お客さんが喜んでくれる様子が見られるので楽しいですよ」とのこと。


作業状況の確認と体調が悪い作業員はいないかなど巡回も行われています。休憩も多く、飲料水もたくさん用意されているなど、熱中症予防には特に気を使っているという印象の作業現場でした。


筒が倒れると大事故につながるので、筒の固定もしっかりと。


作業も進み正午となりました。これから号砲を打ち上げるということで、打ち上げの様子を近くで見学。

号砲の打ち上げを近くで見てみた【蒲郡まつり納涼花火大会2019】 - YouTube


近年では、電気式の点火装置で簡単に打ち上げることもできますが、今回は直接火を投げ入れて打ち上げる昔ながらの方法で号砲を打ち上げます。種火を筒に放り込むと……


すぐに勢いよく花火玉が飛び出します。


はるか上空に玉が上がっていき爆発、爆音が会場中に響き渡りました。準備作業の見学はここで終了、花火大会のメイン会場に向かいます。


メイン会場では、この号砲の合図とともにカラオケ大会や市民パフォーマンスショーなどイベントが始まりました。花火大会の観覧場所近くではさまざまなイベントが行われており、花火までの待ち時間を過ごすことができます。


18時半頃の様子、花火大会を見に来た観覧客で海岸沿いのスペースが埋まっています。


もう少しで日没です。あとは花火大会の開始を待つだけとなりました。


19時30分、花火大会が始まりました。オープニングのスターマイン「暁-AKATSUKI-」が打ち上がります。赤いイメージで統一された花火が次々と上がります。


オープニングの最後には、今回の花火大会のテーマである「轟-TODOROKI-」と題した一斉打ちが行われ、バリバリバリと音を立てる花火が無数に現れ、観客も拍手と歓声を上げて盛り上がりました。


蒲郡まつり納涼花火大会は、連続して花火を上げるスターマインのパートと協賛者の名前やメッセージを流しながら一発ずつ花火を上げていくパートがあり、それらを交互に繰り返して進行していきます。


毎年恒例となっている蒲郡西部小学校5年生・6年生が曲に合わせて花火の打ち上げの演出を考えたスターマインなど、子どもたちも参加する地元の祭りらしい演出もあります。


対打ち大スターマイン「Sky Drive」


早朝に見学した正三尺玉は、大会の途中に3回に分けて打ち上がります。1発目の「昇り曲導付紅小花入錦冠菊」が無事打ち上がりました。観覧場所からは少し遠い沖合からの打ち上げとなりますが、重低音を伴う発射音や体に響くほどの勢いがある爆発音などは、巨大な花火玉でしか味わえない独特なものです。


海上地割大スターマイン「Passion Flower」では、水面に固定されたいかだに花火が仕掛けてあり、目の前で花火が爆発します。こちらも定番となっている人気のプログラムです。


ワイドスターマイン「Holding Out for a Hero」は、大きく幅のあるスターマインでしかも花火を斜め打ち上げることでよりワイド感を増す工夫などがされていました。


2発目の三尺玉「昇り曲導付彩色千輪菊」は、残念ながら風向きが悪くスターマインの煙が被ってしまいかなりの小花が隠れてしまいました。


3発目の三尺玉「昇り曲導付彩色小花入錦冠菊」は、煙に邪魔されずきれいに見ることができました。


水上打ち込み大スターマイン「ぐるX2」では、斜め打ちで海上に花火玉を打ち込みます。花火もぐるぐると回転しているように見える時差式の花火が多くありました。


型物スターマイン「型物ワンダーランド」では、ドラネコやハートマーク、スマイルなどキャラクターなどの絵が次々と打ち上がります。


各スターマインはそれぞれテーマに沿って個性のある花火が上がっていました。八方咲き&千輪大スターマイン「フラワーブーケ」


フィナーレを飾るのは、特大スターマイン「Rifing the Light」です。念入りに作り込まれた加藤煙火の集大成という作品になっており毎年楽しみなプログラムです。

フィナーレ特大スターマイン「Riding the Light」【蒲郡まつり納涼花火大会2019】 - YouTube


Epic Soul Factoryの「Rifing the Light」をBGMに花火が打ち上げられます。


打ち上げ場所の幅は約400mですが、斜めに花火を打つことでワイド感の増したスターマインが展開されます。


次々と豪快な打ち上げが続きます。花火の途中でも観覧客から拍手や歓声が聞こえてきました。


最後は、金色に輝く錦冠菊の連打からの一斉打ちで幕を閉じます。


2017年2018年と今回で3年連続のレポートとなりますが、毎年打ち上げ方や花火玉の種類が増えたりと進化と工夫を見ることができ、毎年訪れるのが楽しみな花火大会です。地元の人たちが加藤煙火に声援を送っている様子も見られるなど、花火会社と地元の人たちとの距離が近い花火大会でもあります。このような地元の人たちの温かい雰囲気などは、実際に訪れてみないと味わえない感覚ですので、興味のある方は来年7月最終日曜日に予定されている蒲郡まつり納涼花火大会に訪れてみてはいかがでしょうか。

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in 取材,   動画, Posted by darkhorse_logmk

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