YouTubeの動画非表示や収益化停止の理由の透明化を目指す「FairTube」キャンペーン

by Kaufdex

子どもたちの憧れの職業に食い込んできているYouTuberは、YouTubeにアップロードした動画が主要な収益源です。しかし、YouTubeでは、ときにアップロードした人間にはよくわからない理由で動画が非表示にされたり、収益化が解除されたりします。このことについて、「クリエイターとユーザーの権利のために戦う」というYouTubersユニオンが立ち上がり、「FairTube」というキャンペーンを開始しました。

FairTube Campaign
https://fairtube.info/en/

YouTube faces creator backlash - Axios
https://www.axios.com/youtube-faces-creator-backlash-30b7e425-ec93-4f02-aec3-6f418e009b56.html

The YouTubers Union Is Not Messing Around - VICE
https://www.vice.com/en_us/article/j5wy8d/the-youtubers-union-is-not-messing-around

「FairTube」がYouTubeに求めているのは、大きく以下の6点です。

・動画視聴・収益化に影響を与えるカテゴリーや判断基準の公開
・動画を非公開処置にした場合、どの部分がコンテンツのどういった基準に違反したのかという説明
・YouTuberに対してネガティブな結果をもたらすような決定がなされた場合に説明する資格と権限のある人物の連絡先
・ネガティブな結果をもたらす決定に対する、YouTuberからの異議申し立ての受け付け
・紛争解決のための調停委員会の設置
・「YouTuber諮問委員会」などを通じた、重要な意思決定へのYouTuberの参加

YouTubersユニオンのヨルグ・スプレイヴ氏はニュースサイト・Motherboardに対して「我々は、(YouTubeが)利益を損なうようなことや非現実的なことを求めているわけではなく、公平さや透明性を求めています。パートナーとして扱って欲しいと考えているのです。匿名のコミュニケーションではなく、もっと直接的なコミュニケーションが必要です」と語っています。

スプレイヴ氏らは、この「FairTube」キャンペーンを行うにあたって、世界最大の労働組合であるドイツのIGメタル(金属産業労働組合)と協力関係を結び、YouTubeに宛てたビデオメッセージを公開しました。

Attention YouTube: The Clock is ticking! - YouTube

ビデオメッセージの中で、スプレイヴ氏は、どれだけ頑張って動画をアップロードしてもよくわからない基準で動画が非表示になったり削除されたりするため「YouTuberは夢の職業のように語られているけれど、実際は悪夢です」と語っています。これを改善するための動きが「FairTube」だというわけです。

YouTubersユニオンとIGメタルでは「FairTube」において、YouTube側に8月23日までに返答を求めていますが、今のところYouTube側に動きはなく、MotherboardでもYouTubeからのコメントは得られなかったとのこと。

ちなみにこのスプレイヴ氏は、「ワンピース」に登場する巨大パチンコ「カブト」やサンタが自宅への侵入を阻止する「サンタスレイヤー」などを実際に作ったチャンネル・「The Slingshot Channel」の運営者。

「ワンピース」に登場する巨大パチンコをリアルに作ってしまったムービー - GIGAZINE

サンタにクリスマスツリーを発射して自宅への侵入を阻止する巨大武器「サンタスレイヤー」 - GIGAZINE

こうした動きの背景には、TikTokの流行も影響しているとのこと。YouTubeが世界最大の映像プラットフォームなのは間違いありませんが、動き次第ではクリエイターの他プラットフォームへの流出もあり得るのかもしれません。