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ライセンス料が10倍に跳ね上がることを理由にCERNがMicrosoft製品からオープンソースソフトウェアへ移行

by Olivier Bruchez

欧州原子核研究機構(CERN)ではこれまで20年にわたりMicrosoft製品を使い続けてきました。その理由の1つに、CERNが「学術機関」であることで、特別な条件で契約できていたというのがあるのですが、この方針をMicrosoftが転換。新たな契約はユーザー数に基づいてライセンス料を支払うもので、CERNの負担額はこれまでの10倍に増加するということで、Microsoft製品からオープンソースソフトウェアへの移行プロジェクトを進めています。

Microsoft Alternatives project (MAlt) | CERN
https://home.cern/news/news/computing/microsoft-alternatives-project-malt


CERNでは、10年かけてライセンス料を上げていく方式の導入を交渉しましたがMicrosoftに断られ、CERN自体が持続不可能となるような商業的状況のリスクにさらされることを最小限に抑えるため、移行プロジェクトを立ち上げたとのこと。

プロジェクトの原則は「あらゆる部署のCERN職員に同じサービスを提供する」「リスクと依存状態を回避するためにベンダーの固定を避ける」「データは自分たちで保持する」「一般的な使用事例に対応する」の4点。


プロジェクトそのものは1年前から進められていて、その成果の第一歩として2019年夏、IT部門とボランティア向けのパイロット版メールサービスの移行が行われます。また、並行して一部のSkype for Businessや電話機がパイロット版ソフトフォンへ変更されます。

そのほかにもCERNでは多くの製品・サービスの開発が進められており、今後数年で代替ソリューションや代替品のプロトタイプができあがる見込みです。

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in メモ,   ソフトウェア, Posted by logc_nt

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