いつも遅刻してしまう人は「あえて遅刻しそうなスリルを味わっている」のかもしれない
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なぜかいつも待ち合わせに遅刻してきたり、予定の電車や飛行機に乗り損ねたりしてしまう人がいます。そんな人の中には「あえて遅刻ギリギリを攻めることでスリルを味わっている」タイプの人もいると、ライターのアマンダ・マルさんが解説しています。
Why Some People Are Always Late to the Airport - The Atlantic
https://www.theatlantic.com/health/archive/2019/05/psychological-reason-people-are-late-airport/590500/
飛行機の搭乗前には搭乗手続きと手荷物検査があって時間がかかる上に、チケットは搭乗便が指定されていて乗り遅れが許されないので、「あえて空港にギリギリに行く」よりは「余裕を持って着いておく」という人が多いはず。マルさん自身は強迫的なほど早めに行動するタイプなので、遅刻しそうになっている人を見ても、「あの人はあの人で最善を尽くしたけれど、不慮の事態に巻き込まれて遅れてしまったのだろう」と考えていたそうです。
ところがマルさんの同僚の編集者エレン・カッシングさんは、マルさんの考えた例に当てはまらない「遅刻ギリギリにすることでスリルを楽しむタイプ」でした。カッシングさんはマルさんに「保安検査場で脱いだ靴を履く暇もなくはだしで、ノートPCを小脇に抱えて走っているとき、本当に『生きている』って感じる」と語ったそうです。同じくマルさんの友人であるマック・ジョセフさんも「空港を走っている際の『ドラマ』が大好き」「列に並ぶとか、待つとかが嫌いなんです。飛行機に乗る最後の人でありたいんです」と語っています。
by mentatdgt
同じようにギリギリを攻めるのがThe New York Timesの編集者ティム・エレーラさん。2019年5月に、飛行機への搭乗がギリギリになった行程で実況ツイートを行った際、「さすが」「お手本にしたい」「二度としないで」と賛否両論が集まりました。
On my way to the airport. Flight’s at 2:45, boards at 2:20, my Lyft’s ETA at the airport is 1:48. Feel like I haven’t been this early for a flight in years tbqh, might stop for a snack on the way
— Internet Person™⭐️ (@TimHerrera) 2019年5月24日
エレーラさんが遅刻しそうな中で実況ツイートしたのはこれが初ではなく、「遅刻しそうな際にツイートするのは楽しくてドラマチックです」とマルさんに対して語ったとのこと。エレーラさんはギリギリを攻めつつもちゃんと間に合うように、Googleマップと交通情報で「どのあたりが限界か」を確認し、保安検査が早く終わるようにTSA事前審査プログラムを利用していますが、それでも目の前で搭乗ゲートが閉まってしまったこともあるそうです。
by Roman Carey
ノースカロライナ大学の精神科医であるジョナサン・ガーキン准教授は、時間にたっぷり余裕を持って空港に到着することも、あえて遅刻ギリギリを攻めることも、いずれも物事に対する不安の対処方法である可能性が高いと指摘しています。人々はさまざまな物事に不安を感じますが、特に飛行機旅行のような大きな不安を伴う局面では、人々は不安を紛らわせるために何かいつもと違う行動を取りがちだそうです。
時間に余裕をたっぷり持って準備をする人は、絶対に遅刻しないことで不安に対処します。その一方であえて遅刻する人は、遅刻しそうな状況に自分を追い込むことで気を紛らわせ、不安に対処しているとのこと。「あえて遅刻する行為を自傷行為と同列に考えることはできませんが、同じステージにあると考えられます」と、ガーキン准教授は述べました。
不安を時間に余裕を持って紛らわせるのか、それともあえて遅刻することで紛らわせるのかは、個人の性格によって変わるそうです。心臓医のマイヤー・フリードマンとレイ・ローゼンマンは心臓疾患になりやすい性格特性を発見して、当てはまるものをタイプA、そうではないタイプBと分類しましたが、サンディエゴ州立大学の心理学者であるジェフリー・コンテ准教授によると、このタイプAの特徴である「競争心が強く挑戦的な人々」は時間に余裕を持って行動する傾向があり、一方、タイプBの「マイペースでゆったりした人々」は遅刻しがちな傾向があるとのこと。この傾向は家族を持つことや育った文化といった緩和要因があるため、性格と遅刻のしやすさとの関連は必ずしも強いものではないものの、両者には確かな関連があるとコンテ准教授は指摘しています。
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