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「けものフレンズ2」が「地獄」をモチーフに作られたものであると徹底的に考察したネタ動画「けものフレンズ2 地獄説」


2017年冬に放送されたTVアニメ「けものフレンズ」は、「ネットユーザーが本気で選ぶ!2017年アニメ大賞」1位に選ばれるなど高い評価を受けました。しかし、2019年冬に放送されたTVアニメ「けものフレンズ2」は、ニコニコ生配信の最終話配信後アンケートでは、「とてもよかった」という回答が2.6%と、歴代ワースト1位の数字を残す作品になりました。

「2」での作風の変化に困惑したという人が少なくなかったのは明らかなところ、では「2」は何を描こうとした作品だったのかをキリスト教の「地獄」と関連付けて徹底的に考察した動画が「けものフレンズ 地獄説」です。あくまで1ファンが作成した、公式のものではないネタ動画で、かなりの力業でこじつけている部分も多々ありますが、それを差し引いても、あまりにするっと納得させられる部分もある怪作となっています。

けものフレンズ2 地獄説 - ニコニコ動画


「この門をくぐる者は一切の脚そ考を捨てよ」と、神曲の「この門をくぐる者は一切の希望を捨てよ」に引っかけた前置きをした上で、動画の制作者である罪フレンズさんは「けものフレンズ2」のキャラクターやストーリーに「地獄」のファクターが隠されていると主張。


それを明かしていくために、この動画を制作したとのこと。


一般に、キリスト教圏の「地獄」のイメージは、ダンテの「神曲」の影響を大いに受けています。


そして、「けものフレンズ2」は、まさにこの「神曲」地獄編と同じように、地獄の9つのエリアを巡りながらそれぞれに対応した罪が描かれているとのこと。


「神曲」では、ダンテが第一圏・辺獄(リンボ)で古代ローマの詩人であるウェルギリウスと出会い、以後の地獄を案内してもらいます。「けものフレンズ2」では、主人公・キュルルは最初に姿と表したさばんなちほーで、以後の旅の案内役となるサーバル、およびカラカルと出会います。


「神曲」では、第五圏の先に、罪人と堕落した天使が入れられている「ディーテの市」があることが描かれています。「けものフレンズ」では、第5話の次・第6話でそれまでに登場したフレンズたちとは異なる存在のかばんが登場。


地獄界の第九圏・コキュートスは氷の地獄として表現されていて、「けものフレンズ2」では旅の最後のポイントとなったホテルが海に浮かんでいます。


「けものフレンズ2」で描かれるフレンズは、「神曲」で描かれる地獄の罪人たちのメタファーであるというのが「地獄説」の主張。


そうなると、フレンズではないキュルルは、地獄の罪人(=人間)とは別の存在ということになります。


途中で登場したかばんが「ディーテの市」にいたということは、堕天使になぞらえられていたということなので……


キュルルも天使に該当する何かのメタファーであるはず。


ここで、話は飛躍。作中に登場した鍋など、韓国っぽい描写があったことを引き合いに……


キュルルの名前をハングル変換。


その見た目を「322」という数字と「TTTT」というアルファベットに分解。


「Tが4つ」といえばドルフィンの通称がある「T-4」。ドルフィン(イルカ)は、キリスト教圏では魂を運ぶ動物と伝えられているとのこと。


「322」は12番目のリュカ数。リュカ数列は黄金比との関連を持ちます。


さらに、キュルルが作中で描いたスケッチの枚数が「14」であったことから、「14」や「12」(番目のリュカ数)、「黄金」、そして「天使」というキーワードを合わせることで……


導き出されたのはイザヤ書14章12節に「明けの明星」として記され、地獄最深部に幽閉されている12枚の翼を持つ堕天使「ルシファー」。


サタンの別名でもあるルシファーになぞられるキュルルは、「けものフレンズ2」という地獄の頂点に立つ魔王だったんだよ!な、なんだってー!


つまり、「けものフレンズ2」は、「アニメと世界的叙事詩の見事な融合を果たしてみせた平成最後の怪作」だというわけです。


かなり無理矢理関連付けている部分はあるものの、奇妙な符合も感じられるとこがあったこの「けものフレンズ2 地獄説」は一時、ニコニコ動画の「アニメ」ランキングで1位を獲得。「汝、味をしめ蛇足せよ」ということで、続編「けものフレンズ2 地獄説 外典」が制作・公開されました。

けものフレンズ2 地獄説 外典 - ニコニコ動画


外典は「第1章 サーバルとカラカル」「第2章 イエイヌ」「第3章 フウチョウコンビ」「第4章 ビースト」という4章立てで構成されており、1本目の内容を補うように、フレンズたちの正体を解き明かしています。

たとえば、サーバルとカラカルは「辺獄の住人」であったわけですが、「神曲」でダンテがウェルギリウスと出会ったように、辺獄にはキリスト教成立以前の善人や賢人が「洗礼を受けなかった」ためにとどまっているケースがあります。そこで、サーバルとカラカルは生前、高い徳を積んだ聖人であったと推測。


特にカラカルについては紀元前4世紀のバラモン僧・カラノスとの関連性を指摘。


カラノスには、アレクサンドロス王に対して「各地を放浪するより支配地の中央に鎮座すべし」と説いた逸話があるとのことで……


地獄(「けものフレンズ2」の世界)を放浪するキュルル(「地獄編」において魔王に比定)を、その中心部に返すキャラクターのモデルになっていても不思議ではない、と述べています。


イエイヌについては、その表現方法の変化が指摘されています。


左向き(画面下手向き)はネガティブな印象を、右向き(画面上手向き)はポジティブな印象を与えるといわれます。イエイヌは基本的に左向きで出てくるのですが……


途中から右向きが多くなります。


そのきっかけとして考えられるのがカラカルからの言葉であったとのこと。


「本動画がこの稀代の名作への理解を深め2.6%に至る助けになれば幸いである」と締めくくられています。ちなみに、2.6%とは最終回アンケートで「とてもよかった」と答えた回答の割合。


「外典」で終わりかと思いきや、これでは「けものフレンズ」(第1期)との関係が不明瞭なままだということで、第3作目「聖典」が作成・公開されました。

けものフレンズ2 地獄説 聖典 - ニコニコ動画


「聖典」は「第1章 天国説:優しい世界」「第1章 天国説:セルリウム」「第1章 天国説:野生解放」「第1章 天国説:ジャパリまん」「第2章 ラッキービースト」「第3章 かばん」「最終章 サーバルとかばん」で構成されています。

1作目・2作目は「『けものフレンズ2』は地獄をモチーフにしている」ということを解説する内容でしたが、そうなると「『けものフレンズ』は天国なのでは?」という話になります。


それを考察するのが、この「聖典」です。


「2」では新たに、フィルターを通すとサンドスターになる「セルリウム」という物質が登場。第一期に似たような「サンドスター・ロウ」という物質が出てきますが、「聖典」ではこの2つは似て非なる物質であると推測。


「サンドスター」は、動物たちをフレンズ化された物質であり、状態を永久に保存する性質を持つとされていることから「エーテル」のようなものであると考えられます。とすると、「サンドスター・ロウ」は「ロウ(raw)」という名前で表されるとおり、「生の状態のサンドスター」であり、エーテルの原形である混沌とした宇宙創成のエネルギーであるといえます。一方で「セルリウム」は他の物質に触れるとセルリアン化させる性質があり、破片はサンドスターの結晶に変質するので、悪性の強い可逆性物質であると考えられます。


つまり、サンドスターがエーテル、つまり「魂の素」であるなら、セルリウムは穢れ、「罪」の具現化であるといえます。そこから、「罪」であるセルリウムが一切登場しない第一期の世界は、罪から解放された天国である、というのが「聖典」の主張。


食物の観点では、第一期は主に「ジャパリまん」だけが登場。料理できるものも限られていました。


そしてフレンズたちは存在するだけでサンドスターを消費しており、食料である「ジャパリまん」からサンドスター成分を補充していたと考えられます。


「状態を永久に保存する」というサンドスターの性質を持つ食べ物……つまり、ジャパリまんはエデンの園に植えられた「生命の樹」の果実であった可能性があります。


ただし、「2」ではジャパリまんは特別な扱いを受けていないので、単なるまんじゅうであると考えられています。


こうしたフレンズたちの情報から、「けものフレンズ」第一期は天国であった蓋然性が高まりました。


同様に、フレンズ以外のキャラクターについても、キリスト教のメタファーが含まれることが指摘されています。たとえばラッキービーストは……


「智天使ケルビム」らしいとのこと。ケルビムは知性を示す青色で象徴されます。


天使なのに人の姿で描かれていませんが……


上位天使は人とかけ離れた姿をしており、特にケルビムは獣の意匠が施されるとのこと。「青色ベースの『ラッキービースト』」は、このようにして生まれたというわけです。


「『けものフレンズ2』のフレンズたちは罪人のメタファー」「第一期は天国」だとすれば、フレンズたちは天国から地獄に落とされたことになります。それはなぜなのか。


その解決の鍵となったのが、沼田プロデューサーによる「時代設定は2000年前か2000年後」という発言。


「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」「アベンジャーズ/エンドゲーム」で、ドクター・ストレンジがわずか1400万分の1の「勝利の可能性」を見いだしたように、「聖典」ではここにすべてのフレンズを救済する可能性を見いだしました。


すなわち、「作品のナンバリングは必ずしもシリーズの時系列とはイコールではない」ということ。


つまり、「けものフレンズ」は「2」→第一期の順で描かれる大いなる救いの物語である、というわけです。


ここに立ちはだかるのが、1作目の動画で前置きされた「脚本の人そこまで考えてないと思うよ」という言葉。意図せず地獄が描かれたのであれば、前作が天国に結びつくことに説明がつきません。


「これが人によるものではないならば、人知を超えた奇跡」


ということで、「人知を超えたもの」の関与を示唆して、シリーズは締めくくられています。「脚本の人そこまで考えてないと思うよ」というツッコミの言葉はいったん飲み込んで見てみると、ネタ動画ではあるもののかなり興味深い解釈であり、これを念頭に置いてもう一度見てみると、「けものフレンズ2」も違う見え方になるかもしれません。

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in 動画,   アニメ, Posted by logc_nt

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