Windows 10で問題のあるアップデートが自動的にPCから削除されるようになる
Windowsでは自動的に更新プログラムをダウンロード・インストールしてデバイスを最新・最適な状態に保つ仕組みが導入されていますが、ときにこの更新プログラムに問題があり、デバイスに影響が出てしまうことがあります。2018年にユーザーのファイルを削除してしまうという最悪の事態が発生したことを受けて、Microsoftが、問題のある更新プログラムをユーザーの操作なしで自動的にアンインストールする機能を組み込みました。この自動アンインストール機能は、より深刻な非互換性の問題、特にWindows 10の起動を妨げるような問題を含む更新プログラムに対処することを目的にしているとのことです。
Why were recently installed updates removed?
https://support.microsoft.com/en-au/help/4492307/windows-10-why-were-recently-installed-updates-removed
Windows 10 could automatically uninstall botched Windows Updates
https://www.windowslatest.com/2019/03/11/windows-update-could-be-uninstalled-automatically/
Windows 10には細かいアップデートの他に半年に1回大型アップデートの配信があります。それまでも、更新プログラムによってデバイスに影響が出てプログラムが削除されることはありましたが、2018年10月に配信された「October 2018 Update(version 1809)」では、「ドキュメント」フォルダ内に保存されていたファイルがごっそり削除されてしまうという問題が発生。修正版の配布はあったものの、依然として特定メーカーのGPUやソフトウェア互換性に問題が発生しています。ソフトウェアのバグは潰しきれないものであり、この「October 2018 Update」のように致命的な問題を抱えたアップデートが再び登場することは十分にあり得ます。
ユーザーデータが勝手に消去される重大問題を受け「Windows 10 October 2018 Update」が配信停止へ - GIGAZINE
新たに追加された「問題のある更新プログラムの自動アンインストール機能」は、特定のアップデートをインストールした後にデバイスで起動エラーが発生した場合、問題のあるアップデートを自動的にデバイスから削除してくれるというもの。再起動時には「起動失敗からデバイスを回復するために、最近インストールされたアップデートをいくつか削除しました」というお知らせが表示されます。
Microsoftによると、この機能は他のすべての自動回復手段が失敗した場合にのみ行われるとのこと。デバイスが確実に起動して正常に動作を継続できるようにするために、自動的にアンインストールされた更新プログラムは以後30日間、インストールがブロックされるようになり、その間にMicrosoftは障害を調査して問題の解決を図るとのこと。30日が経過したらWindowsは再びアップデートのインストールを試みるそうです。
Windowsの更新プログラムの品質チェックプロセスや、世界中のユーザーから受け取った診断データをデータサイエンスチームで処理する流れをWindowsの公式ブログで公開。さらに、MicrosoftはすべてのIT担当者、管理者、および一般ユーザーに「Windows 10の更新履歴」をブックマークに登録するように促しています。ZDNetは、Microsoftのこうした動きは更新プログラムのバグへの対応の透明性を向上させ、ユーザーからのフィードバックに対する反応を向上させるために取り組んでいるものと評価しました。
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