ディズニー・ピクサーが与えられた仕事から逃走する二体のロボットを描いたアクションアドベンチャー「Smash and Grab」をYouTubeで公開中
鉱物を「打つ」ためにデザインされたロボット「Smash」と、それを「つかむ」ためにデザインされたロボットの「Grab」が、自分の与えられた仕事から逃走し自由を求める……という短編ムービー「Smash and Grab」がYouTubeで公開中です。
Smash and Grab | Pixar SparkShorts - YouTube
とある星。
いくつもの空中都市が浮かぶ世界で、地上は生活の場ではなく工業のために利用されています。
地上を走る列車。
その窓の中では……
二体のロボットが作業していました。
「Smash」は手にドリルとハンマーがついたロボット。燃料となる鉱物をドリルで崩し……
それをハンマーで打って、車内の中央へ移動させます。
燃料となる鉱物をがしっとつかんでいるのが「Grab」
Grabは燃料をどこかに投下していきます。
真面目に仕事をしていた二体ですが……
突如遊びモードに突入。
Smashが投げたり打ったりした燃料を……
受け取ったGrabがゴールめがけて投げます。
……が、Grabはドジっぽいロボットで、なかなか入らず。
何度も何度も試行錯誤を繰り返し……
ようやくコロリと鉱石がゴールへと入っていきます。
大はしゃぎのGrab
Smashもガッツポーズ
二体は駆け寄り……
ハイタッチしようとしますが、給電用のケーブルでつながれているので、ハイタッチならず。
ケーブルに引っ張られるようにして転んでしまう二体。
「こんなケーブル、無ければいいのに!」とでもいうように、ケーブルを乱暴に扱うSmash。
そんなSmashが窓から見たのは……
空中都市で暮らすロボットたち。
ロボットたちはケーブルではなく携帯式の燃料を使っているので自由に動け、ハイタッチも可能。
食い入るようにその様子を見つめるSmashの目には……
携帯式の燃料を得た自分とGrabがハイタッチをしている姿が浮かんでいました。
実は、この列車は、さきほど見ていた携帯式燃料を運ぶためのもの。
SmashはGrabの静止も聞かず……
自分の給電ケーブルを切断。
そして床の扉を開けて、外へと出て行きます。
一体きりになったGrabはおろおろ。
突然警告アラームや警告ライトが作動しはじめます。
その瞬間、再び扉から現れたのは……
背中に盗んだ携帯式燃料をつけたSmash
充電ランプはばっちり点灯。フル充電を示しています。
Grabの前にも携帯式燃料を差し出すSmash
給電ケーブルを切断して燃料を付け替えてあげます。
そして二体は列車の上へ。
Grabの目には……
見たことのない世界が広がっています。
しかし、燃料を盗んだ二体に追っ手が迫ります。
二体の行方を追って列車の上に向かうロボットたち。
現れたロボットを……
Smashがハンマーで打ち……
Grabがキャッチ、というおなじみの作業。
「何これ?」とGrabがロボットを頭上に上げた瞬間に……
ロボットが標識にぶつかり破壊されます。
「???」
同じ要領でどんどん追っ手のロボットを破壊していく二体。
Smashが燃料の部分を打つと、何やら様子が変わります。チカチカと点灯を始めた燃料部を見てGrabはおろおろ。
とりあえず放り投げてみると……
大爆発。
しかし、一瞬のスキをついて、ロボットの銃口がGrabに向きます。
打ち抜かれるGrab
Grabは倒れ、そのまま動かなくなってしまいました。
慌ててSmashが駆け寄りますが、反応はありません。
どんどんと増えていく追っ手。
Smashは決意したように、燃料を外します。
燃料を外したいま、Smashは長く持ちません。
それを追っ手に向けて打つと……
大爆発
二体のロボットが迎えるエンディングは、ムービーから確認可能です。
上記のムービーは、ピクサーが公開している新シリーズ「SparkShorts」の作品。SparkShortsはピクサーのアーティストやディレクターが作った独立系のショートムービーを公開しており、これまでに男性のみの職場で奮闘する異色の毛糸玉の物語「Purl」も公開されています。Smash and Grabは「アイアン・ジャイアント」や「レミーのおいしいレストラン」を手がけたBrian Larsen監督の作品で、以下からバード監督が製作について語る様子を見ることができます。
Go Behind the Scenes of Smash and Grab | Pixar SparkShorts - YouTube
「Smash and Grabは二体のロボットが自分の仕事から逃げようとするアクションアドベンチャーです」と語るLarsen監督。
プロデューサーはDavid Lally氏。
Smashはその名の通りハンマーを持った「打つ」ことに特化したロボットで、Grabは「つかむ」ことに特化ロボットです。二体のロボットが自分がデザインされた目的以外のことを行う時に、互いにどこまでのことを行おうとするのか?ということを描いたのがこの作品です。
これがスケッチ段階のSmash and Grab。
ロボットの物語だと決まった時、Si-Fiの雰囲気を出し、現実の世界とは違う世界だということを示すためにアール・デコのデザインを取り入れたそうです。
作品にはモーション・キャプチャーを取り入れており……
二体のロボットの動きは実際の人間の動きを取り入れたものとなっています。
ジャンプした男性が腕を振り下ろしている場面は……
Smashが自分の給電ケーブルを切断する動きに取り入れられました。
キャプチャした動きをコンピューターに取り入れると……
まるでロボットが命を持っているかのように動き出すわけです。
また、以下のムービーでも作品について語られています。「何か1つの目的のために作られている存在」「鎖でつながれた日々から自由を求めること」といったアイデアを表現するためにロボットという題材が使われたとのことです。
Meet the Filmmakers Behind Smash and Grab | Pixar SparkShorts - YouTube
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