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「既読スルー」はなぜ人の心を不安にするのか?


友達とSNSやメッセージアプリでやり取りをしていると、自分が送ったメッセージを相手が読んだはずなのに、なかなか返事が返ってこないことがあります。「既読スルー」といわれることもあるこの状態がなぜ心を動揺させるのか、学術メディアのThe Conversationで解説されています。

Message sent, received but no instant reply: how does that make you feel?
https://theconversation.com/message-sent-received-but-no-instant-reply-how-does-that-make-you-feel-101110

SNSやメッセージアプリには、相手が自分のメッセージを読んだことを知らせてくれる「既読通知」機能が搭載されています。例えばLINEでは「既読」の文字がメッセージの横に表示され、メッセージアプリのWhatsAppではメッセージの送信に成功すると青いチェックマークが1つ表示され、相手がメッセージを読むとさらにもう1つ青いチェックマークが表示されます。

自分が送ったメッセージに既読通知が表示されれば「相手がそのメッセージを読んだ」ということになり、「すぐに相手からの返信があるだろう」と思いがちです。しかし実際にはなかなか返信がなく、返信を待ち続けてやがて1時間が経過してしまうということも少なくありません。

多くの人々が、「オンライン上でメッセージをやり取りしている時、返信を欲していそうなメッセージを見たら即座に相手に返信する」という社会的合意を暗黙のうちに持っています。人々が暗黙のうちに持っているコミュニケーション規範が破られてしまうと、多くの人々は相手に対して不快感を持ってしまいます。もちろん人によって既読スルーされた際に感じることは違いますが、多くの人が拒絶されたように感じて、自分が孤立しているかのように思ってしまうものです。「相手があえて自分のメッセージを無視しているのではないか」と思うと時間の経過とともに不安は増していき、「ねえ」「メッセージ読んだよね」「どうして返事をくれないの?」などと、相手に返信を迫る追撃を送ってしまうこともあります。


いったいなぜ既読スルーがこれほどまでに心を不安にさせるのかという理由について、クイーンズランド大学心理学講師のDavid Cowan氏は、「人々は対面での会話と同じようなコミュニケーション規範を、オンライン上でのコミュニケーションにも期待してしまいがちだから」と述べています。

例えば現実世界のコミュニケーションにおいては、誰かに話しかけたのに応答がなく、明らかに相手がこちらの言葉を聞いているのに無視されているように観察される場合、誰でも不快に感じます。多くの人はさらに話しかけて返事を引き出そうとするか、それもうまくいかなければ怒り出す人もいるかもしれません。これと同様のルールをオンライン上のやり取りに持ち込むと、既読スルーされた時に大きな不安を感じてしまいます。

現在の人々がどれほど多くのメッセージをオンラインでやり取りしているのかを考えれば、現実世界でのルールをオンライン上にも持ち込もうとすることは不思議ではないとCowan氏は述べています。その上で、そういったオンライン上のつながりを煩わしく思う人も多く、中には「ゴースティング」と呼ばれるオンライン上のつながりをシャットアウトする行動に出る人もいるとのこと。


たとえ相手と親密な関係であっても、メッセージに応答が返ってこなければ屈辱的に感じたり拒絶されたような気持ちになります。しかし、相手との信頼関係が築けていれば、たとえ返事が遅れてしまっても「ちょっと忙しくて返事ができなかった。ごめん」といった一言を添えるだけで、すぐに感情が元に戻るものです。一部の人はあえてスムーズにメッセージを返さないことで、相手を支配するという手法を使うこともありますが、大抵の人が行う既読スルーに悪意はありません。オンライン上でのやり取りが増加したこの時代において、新たなコミュニケーション規範の成立が必要とされているとCowan氏は述べました。

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in メモ,   モバイル, Posted by log1h_ik

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