レビュー

Android 9 Pie搭載ハイエンドスマホ「Google Pixel 3」とiPhone XSを比較、どれほどの違いがあるのか?


Android 9 PieとQualcommの10nmプロセスSoC「Snapdragon 845」を搭載したGoogle純正のスマートフォン「Pixel 3」は、まさにAndroid OSタイプを代表するモデル。そこで、Appleのハイエンドスマートフォンでほぼ同じサイズの「iPhone XS」と大きさやスペックをいろいろ比較してみました。

左が145.6mm×68.2mmのPixel 3で、右が143.6mm×70.9mmのiPhone XS。並べて比べて見てみると、確かにPixel 3はiPhone XSよりも少し細長いかも。iPhone XSは背面が透明度の高いゴリラガラスですが、Pixel 3はカメラより下がエッチングガラスになっています。


厚さはPixel 3が7.9mm、iPhone XSが7.7mmと、ほとんど差はありません。どちらもカメラのレンズ部分が飛び出していますが、Pixel 3よりもiPhone XSのほうが飛び出しているレンズの厚さが大きくなっています。


実際にPixel 3を持ってみたところ。特に大きすぎるということはなく、裏面のエッチングガラスの手触りもいい感じ。電源ボタンと音量ボタンが同じ右側面にあるので、スクリーンショットを撮影する時は少し難儀するのが気になるところではありますが、操作そのものに支障はありません。


Pixel 3を持った後にiPhone XSを手にしてすぐに実感するのが、ずしりとした重さと背面ガラスのツルッとした触感。また、iPhone XSはPixel 3よりもわずか2.7mmだけ幅が広くなっていることが影響しているのか、持ちやすさは大きく違い、Pixel 3の方がiPhone XSよりも手にすっぽり収まる印象を抱きました。


実際に重さを量ってみたところ、Pixel 3は148gだったのに対して……


iPhone XSは177g。Pixel 3はiPhone XSよりもおよそ20%軽くなっています。


Pixel 3の背面上部には12.2メガピクセル・f/1.8の広角のカメラ1つだけ。一方、iPhone XSは12メガピクセル・f/1.8の広角と12メガピクセル・f/2.4の望遠という二つのカメラを備えたデュアルカメラモデルです。また、Pixel 3は指紋認識センサーを背面に搭載しています。


ディスプレイを並べたところが以下。Pixel 3は5.5インチ・フレキシブルOLED(有機EL)ディスプレイで、解像度は2160×1080ピクセルです。一方、iPhone XSは5.8インチのOLEDディスプレイで、解像度は2436×1125ピクセル。


ディスプレイ上部は、Pixel 3がベゼルを設けているのに対して、iPhone XSはノッチで対応。ディスプレイそのもののサイズもあって、使っているとやはりiPhone XSの画面の方がかなり広く感じます。


◆ベンチマーク
Pixel 3とiPhone XSを室温21度・湿度40%の広い部屋に置いて、スマートフォン用のベンチマークアプリ「Antutu」でベンチマークスコアを計測してみました。


総合結果は、Pixel 3が282606、iPhone XSが343083と、iPhone XSの方が上。


内分けを見てみると、やはりCPUは圧倒的にiPhone XSの方が上。Pixel 3はSnapdragon 845を、iPhone XSはAppleの7nmプロセスSoC「A12 Bionic」を搭載していますが、やはりA12 BionicのCPUの性能は大きい様子。


一方で、GPUではわずかにiPhone XSの方がスコアは上回るものの、Pixel 3との差はほとんどありません。


操作性能(UX)では、データセキュリティでは圧倒的にiPhone XSが高いものの、画像処理やユーザエクスペリエンスはPixel 3がiPhone XSを大きく上回る結果に。


メモリの読み書き性能では、Pixel 3が上回っていました。RAMではiPhone XSの方が高いものの、ROM(ストレージ)ではPixel 3の方が高いスコアをたたき出していました。


◆写真を撮ってみた
Pixel 3のカメラは、Google開発の人工知能(AI)によるサポートで、シングルカメラでもきれいに撮れるといわれています。実際に同等のカメラ性能を持つiPhone XSと一緒に同じ対象を撮影してみました。

夕方の空を撮ってみました。以下がPixel 3で撮影したもの。


そして、これがiPhone XSで撮影したもの。iPhone XSで撮影した写真は空の青色や壁際が明るく映り、きれいな発色です。一方でPixel 3の写真はやや暗めですが、夕焼けのオレンジ色に染まる雲の微妙な色合いが表現されていて、より自然に近い感じ。


夜の自動販売機をPixel 3で撮ったもの。


同じ自動販売機を同じ時間にiPhone XSで撮ったものが以下の画像です。Pixel 3の方が、コントラストがやや強めに仕上がっているといった印象。


街頭に照らされる鉢植えは、Pixel 3だとかなり明るく、黄色い花と緑の葉のコントラストがはっきりと撮影できたのですが……


iPhone XSの方は薄く暗い写真に。同じ条件下でここまで違う写真が撮れるのかと驚き。Pixel 3ではAIによる写真撮影のサポートがあるので、明るさや色合いもほどよく調節してくれるようです。また、Pixelシリーズのカメラアプリには夜間撮影用の「Night Sight」モードも登場する予定とのこと。


今度はPixel 3のポートレートモードで撮影したもの。シングルカメラですが、しっかりと背景にボケがかかっています。


そして、iPhone XSのポートレートモードで撮影したのが以下の画像。iPhone XSに比べて、Pixel 3の方がよりしっかり背景にボケがかかっているのがよくわかります。


室内で、近距離・中距離・遠距離になるようにamiiboを異なる位置に並べて、同じ位置からポートレートモードで撮影してみました。Pixel 3はiPhone XSよりも少し広角に映ります。


近距離のイカ


中距離のマリオ


遠距離のイカガール&イカボーイ。


同じ条件でiPhone XSで撮影してみました。


近距離のイカ


中距離のマリオ


遠距離のイカガール&イカボーイ。iPhone XSの方がやはりボケが弱く、Pixel 3の写真の方が、「ボケを使って対象を浮き上がらせる」というポートレート撮影ならではの効果がよりはっきりと表れています。「簡単にフォトジェニックな写真を撮る」という点ではPixel 3の方がiPhone XSよりも上のように感じられました。シングルカメラでここまではっきりとしたポートレート写真が撮れるのはかなりうれしいポイントでした。

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in レビュー,   モバイル,   ハードウェア, Posted by log1i_yk

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