「起きてすぐのベッドメイキング」で憂うつに対抗し生活の質を劇的に向上させることができる

朝起きてすぐにシーツや布団のシワをきれいにのばし、つぶれた枕をフワフワの状態にして定位置に置く……といったベッドメイキングで1日の生活の質を向上できるとライターのdemomorgon sungさんが述べています。実際に、アメリカ海軍の特殊部隊「Navy SEALs」の元海軍大将であるウィリアム・マクレイヴン氏が「世界を変えたければ、ベッドメイキングから始めましょう」と語っていたり、ベッドメイキングと幸福度の関係を調査した研究があったりと、その重要性が示されています。

Here's why you should make your bed every morning
https://mashable.com/article/make-your-bed-every-morning/

sungさんは子どもの頃、「ベッドメイキングせずに家を出ること」を許されていなかったといいます。家を出る時に扉の前で母親に「ベッドメイキングをした？」と聞かれ、口ごもりながら「してない」と答えると、即座に自室に逆戻り。ベッドメイキングをしてから出かけたせいで勉強やパーティー、電車などに遅れたこともあったとのこと。

「起きてすぐにベッドを直せば予定に遅れることはない」と語る母親に対し、sungさんは「15歳の子どもにそんな先見性はない」と反論していました。しかし、実家を出て一人で暮らすようになって、sungさんは「きちんと整えられた生活の場があるということは、状況を一変させる」と理解したとのこと。

アメリカの海軍軍人であるウィリアム・マクレイヴン氏はテキサス大学オースティン校の卒業式でスピーチを行いました。このスピーチはYouTubeで100万回以上再生されるほどの人気なのですが、「ネイビー・シールズの6カ月の基礎訓練から学んだこと」という部分で「世界を変えたければ、ベッドメイキングから始めましょう」という発言があります。

以下のムービーの4分45秒あたりから該当箇所を見ることができます。

Admiral McRaven addresses the University of Texas at Austin Class of 2014 - YouTube

訓練の間、マクレイヴン氏は毎朝起きてすぐにベッドを完璧に整えていたといいます。ベッドメイキングを命じられた当初はばかばかしく思えていたそうですが、次第にこの単純作業の力を知ることになったとのこと。

「ベッドメイキングを行うというアイデアは、自制心や自己管理のそれと同じものです。朝起きてから何か簡単なタスク……ベッドを正しい形で直したり散歩に行ったりなどを行うと、それによって自信が生まれます。そしてその自信は1日を通して続きます」とマクレイヴン氏は語っています。

sungさんはこの点に完全に同意しており、それに加えて「ベッドメイキングが終わっている状態なのにベッドに戻ったりスマートフォン片手にぐずぐずすることは難しい」と述べました。シーツがきれいに伸ばされ、ふわふわの枕が定位置につけば、1日を始めるしかありません。

by Free-Photos

また、査読が行われていない状態ではあるものの、ベッドメイキングと幸福の関係を調査した研究も存在します。調査対象となった6万8000人のうち、59％の被験者はベッドメイキングを行っておらず、27％の被験者はベッドメイキングを習慣としており、12％はベッドメイキングを行うための誰かを雇っているという状態でした。このとき、ベッドメイキングを習慣としている人の71％は自分は幸福であると感じており、ベッドメイキングをしていない人の62％は自分を不幸せだと感じていたとのこと。

さらに2009年には、生活空間が「散らかっている」と考える既婚女性は、自分の生活空間について「安らか」「回復できる場所」だと考える既婚女性より、ストレスホルモンであるコルチゾールの値が高いという研究結果が発表されました。同時に、家庭を「回復できる場所」だと考える既婚女性は、憂うつを感じることが少なかったといいます。

憂うつになると、何もせずにごろごろとベッドですごしてしまうというsungさんですが、起きてすぐにベッドメイキングをしてしまうと、それが困難になるとのこと。取るに足らない動作で劇的に生活の質を上げることができるとsungさんは強調しています。