セキュリティ

「中国にスパイチップを仕込まれた」と報じられたSupermicroがAppleに続いてBloombergに記事の撤回を要求


Bloomberg Businessweekが「Supermicro製のサーバー用マザーボードに中国のスパイチップが仕込まれていた」と報じると、中国によるアメリカを狙ったサイバー攻撃があるのではと大騒動になりました。AppleやSupermicroのトップは、あらためてBloombergに対して「記事の撤回を求める」との見解を明らかにしました。

Super Micro will conduct further review into spy chip claim - 9to5Mac
https://9to5mac.com/2018/10/22/super-micro/

Supermicro製のサーバーを使っていたとして名指しされたAppleは、スパイチップ報道があるとすぐに「全くの事実無根」という見解を明らかにしてBloomberg報道を否定していました。真偽を問わずウワサの類にはほとんど反応することのないAppleが、すぐに反論を出すことは異例だと注目を集めていました。

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Bloombergが「1年以上の取材から得た情報に裏打ちされた報道内容には自信がある」という姿勢を崩さない中、Appleのティム・クックCEOがBuzzFeed Newsのインタビューで、「Appleに関するBloombergのストーリーには真実がない」とあらためて報道内容を否定しました。

ティム・クックCEOは、「Bloombergによるスパイチップ報道の後、社内のメール、データセンターの記録、財務記録、製品出荷記録などありとあらゆる記録を『会社をひっくり返すほど』深く掘り起こしたが、常にたどり着く結論は同じでした。この話に真実はないということです」と述べ、Appleとしては報道内容を真摯に受け止めて調査したが、指摘されたことは事実ではないことを確かめたとしています。


クックCEOがBloombergによるスパイチップ報道をあらためて事実無根だと否定したのと時同じくして、Supermicroのチャールズ・リャンCEOが、CNBCの記者を通じて公式声明を発表しました。それによると、「Bloombergのストーリーは、Supermicroの顧客に対して混乱と深刻な懸念を引き起こし、危害を加えました。Bloombergは、『製造プロセスの中で悪意のあるハードウェアコンポーネントがマザーボードに埋め込まれている』という、証拠に基づかない主張を撤回し、その責任をとるべきです」と述べ、記事の撤回を要求しています。


そして、Bloombergのスパイチップ記事で名指しされたAmazonも、「Bloombergは報道を撤回すべき」という姿勢でSupermicroやAppleと歩調を合わせています。AppleやSupermicroのトップによる「報道撤回要求」を受けて、AWSのアンディ・ジャシーCEOは「ティム・クックCEOは正しい。そして、Bloombergのストーリーの中のAmazonに関する部分もまた間違いです。Bloombergは何の証拠にもよらず、話を変え続け、私たちの反論に対して関心を示しませんでした。Bloomberg記者たちはお遊びが過ぎた。Bloombergは反応すべきです」と述べ、SupermicroやAppleと同じくBloombergに対する報道責任を追及しています。

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in セキュリティ, Posted by darkhorse_log

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