沈没・消滅の危機にさらされた南国ツバル・フナフティ島の「今」を記録するべく南北縦断してみた
地球温暖化にともなう海面上昇で、平均海抜2メートルの国「ツバル」は消滅の危険があるといわれています。実際に住民の居住スペースが年々削られる場所もあるツバルの「フナフティ島」を、自転車&バイクを使って南北に縦断することで、2018年7月時点のツバルの現状を写真&ムービーで記録しました。
ツバルの交通手段は自動車よりもバイクがメイン。
公共交通機関のないフナフティ島では、多くの人がスクーターやバイクで移動します。ちなみに、とくに目的地を持たずに「ただ楽しいから」という理由でツーリングしている人が大半だそうです。
ということで、フナフティ島全体を1周すべく、マウンテンバイクと125ccのバイクを使って駆け巡ってみました。基本的に写真はマウンテンバイクから、ムービーはバイクから撮影しています。
まずはツバル唯一の国際空港のフナフティ国際空港前から出発して南西を進み、南の端を目指します。空港から南端へは約3キロメートル。
フナフティ国際空港→島南端をバイクで走る様子は、以下のムービーで確認できます。
【2.7K】沈没消滅の危機にあるツバル・フナフティ国際空港から南端までバイクで爆走してみた - YouTube
空港前のメインストリートを南下。
しばらく走ると滑走路横の新ストリートに出ます。
滑走路の南端前が、フナフティ島有数のビーチの入口。
なお、晴れた日のビーチはこんな感じ。ただし、日差しが強すぎるので日中に海で泳ぐ大人はほとんどいません。
滑走路が途切れると……
商店はなくなり、ヤシが生い茂るローカルロードに入ります。
島の幅は50メートルを切り、左右どちらかに海岸線が常に見える状態に。
島の西側の海はとてもおだやか。
スクールバスに乗る子どもを発見。
かつて日本でスクールバスだった車両は、ツバルでもスクールバスとして活躍していました。
ツバルの子どもたちは、とにかくフレンドリー。
カメラに向かってポーズを決める少年。
みな、笑顔で応えてくれます。
太陽を避けるスペースや……
突如として現れる放し飼いの鳥。
ここからは教育省管轄であることを示す立て看板。
のどかな風景をみつつ、進んでいくと……
南端のターミナルに到着。この先は、徒歩で進むしかありません。
一応、道はあります。
左を向くと荒れ狂う海。
一方右を向くとベタナギの海。
貝殻混じりの海岸に出ると……
小島が見える、フナフティ島最南端に到着。
それほど遠くないところにみえる無人島。
干潮時には陸続きになります。
東側は波が高いものの……
西側はまったく波はなし。最南端のポイントを境として、海の表情は正反対になっていました。
フナフティ島最南端を上空から空撮する様子は以下の記事で確認できます。
沈没・消滅の危機にある南国ツバルをドローンで4K空撮してみました - GIGAZINE
再び歩いてバイクに戻ります。
次は、フナフティ島の南端から北端へ約11キロメートルを北上します。
フナフティ島を南から北へ縦断する様子は、以下のムービーで確認できます。
【2.7K】沈没消滅の危機にあるツバル・フナフティ島の南端から北端までバイクで爆走してみた - YouTube
来た道を戻る途中で目にしたのは、子どもたちの笑顔。
滑走路南端のビーチでは、少年が釣りをしていました。
滑走路沿いをひたすら北へ。
この日は閉鎖中の空港税関前のターミナルをぐるっと1周。
空港を過ぎるとメインストリートに合流。やはり、子どもたちの笑顔がそこかしこに見られます。
お手伝いをする少年
忘れ物なのか、少年がピックアップトラックを必死で追いかけていました。
ゴミを収集するトラクターにも遭遇。
荷台の学生たちは異様なほどのテンションの高さでした。
反対車線を走るライダーもみんな笑顔。
繁華街を抜けると港に到着。
フェンス越しに大量のガスボンベが見えました。
港を突っ切ると、朽ち果てた自動車がゴロゴロあるポイントも……。
さらに北上すると、西海岸で泳ぐ子どもたち。ばっちりポーズを決めてくれました。
ちょっとした広場を発見。
これ幸いと、フナフティ島北部を空撮すべく、ポータブルドローン「ANAFI」を飛ばしてみました。
【4K】沈没消滅の危機にあるツバル・フナフティ島北部をドローンで空撮してみた - YouTube
ドローンを飛ばしていると、どこからともなく子どもたちがやってきました。「それ、ドローンでしょ?」と目をキラキラさせる少年。ツバルの子どもたちもドローンには興味津々の様子でした。
さらに北上を続けます。
島の幅はわずかに20メートルくらい。両サイドに海を見ながらのツーリングは、経験したことがないほど爽快でした。
手作りのゴミ箱。
ゴミ箱を設置する政府職員。「ゴミの島」との批判を受けたツバルでは、近年、環境意識が高まり、ゴミをそこかしこに投棄しない習慣が根付き始めていました。
側道に並べられたペットボトルは、ヤシの実からお酒を造っているもの。絞ったその日に飲めばヤシジュースですが、ツバルの太陽にかざせば2日くらいでお酒に変わるそうです。
子豚をしっかりと管理する犬。
アスファルトが途切れ、コンクリートになっている部分はフナフティ島の終端。その先のフォンガファレ島との境界はコンクリートで接続されることで、さらに北へと道路が延長されることになったとのこと。
ついに、北端に到着。
そこは、ゴミ集積所でした。
ツバルの抱えるゴミ問題の現状は、以下の記事で確認できます。
沈没・消滅の危機にある南国ツバルをドローンで4K空撮してみました - GIGAZINE
ゴミ集積場がフナフティ島(正確にはフナフティ島を越境したフォンガファレ島)の行き止まり。ということで、ゴミ集積所でUターンして、南下し再び空港を目指します。
北端からフナフティ国際空港へ引き返す様子は、以下のムービーで確認できます。
【2.7K】沈没消滅の危機にあるツバル・フナフティ島の北端からフナフティ国際空港までバイクで爆走してみた - YouTube
家のそばにあるお墓。ツバルでは故人を土葬で弔う風習だとのこと。
途中で運動する子どもたちを発見。ここで、突然のスコールに見舞われ、ヤシの木の下で雨宿りすることに。
雨宿りする外国人をみつけると、子どもたちが駆け寄ってきました。ラグビー選手を目指しているという少年たちの笑顔は、後ろに見える虹よりも輝いていました。
雨で洗われた道をさらに進み、ツバルのフナフティ島を縦に1往復する旅は終了しました。
フナフティ島を1往復するノーカットの映像は、以下のムービーで確認できます。
【2.7K】Funafuti island in Tuvalu : Touring by a motorcycle【GoPro】 - YouTube
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