滑走路の真横にあり飛行機の離着陸の突風を感じるホテル「Filamona Hotel」レビュー
南太平洋に浮かび、海抜の低さから「沈みゆく島」として知られるツバルの生活は、訪れる人が少ないために多くが謎に包まれたままです。ホテル1つとっても2018年8月時点でトリップアドバイザーに登録されているのは「バイアク ラギ ホテル」のみ。ということで、空港の真横にあるにも関わらず宿の全貌が不明だった「Filamona Hotel」に泊まってみました。
Filamona HotelFilamona
http://filamona.com/
ツバルの首都・フナフティは、フィジーの首都・スバから飛行機で30分ほどの距離。紫外線は日本の17倍という暴力的な日差しのため、空は驚くほどの青さです。
この空港の真横、歩いて20秒ぐらいの距離にあるのがFilamona Hotel。写真の左端にちらっと見えているのが空港の屋根です。
ホテルの入口には花のアーチがあって南国風。
建物の入口の横にどーんと置かれたオープンな事務用っぽいデスクがレセプション。ここでチェックインを行います。
受付を終えて建物の中へ。
こんな感じになっていて……
階段の下に靴が並べられています。
よく見ると階段には「PUT YOUR SHOES HERE...」と書かれていて、砂を持ち込まないように2階は土足厳禁になっていました。
2階に上がり……
奥へと進みます。
これが宿泊する部屋の扉。
カギは物理的なタイプで、プレートは手作り感満載です。
カギを挿して扉の中へ。ベッドが部屋の中央に1つドーンと置かれている、とてもシンプルな内装です。
部屋の中の様子は以下のムービーから見ることができます。
滑走路真横の「Filamona Hotel」の部屋の中はこんな感じ - YouTube
ベッドはキングサイズで、掛け布団はなくシーツのみ。バスタオルとお花が置かれています。
ベッドの向かいにはデスク&荷物置き。
部屋の奥には洗面台と鏡が有り……
その奥にはトイレ。
トイレの横にはシャワー室。部屋とトイレ・シャワー室の間に仕切りはありません。そしてこのシャワーは基本的に水しか出ず、日中であれば日光で温められた水を浴びることができますが、夜だと冷水になるので震えることになります。
なお、部屋の扉をロックする場合は、内側から取っ手のボタンを押した状態で扉を閉めるという方式。セキュリティボックスもなく人の善意を信じるしかないというセキュリティなのですが、犯罪はめったに起こらず刑務所には囚人が9人しかいないという国なので、基本的には大丈夫そうです。
部屋の外には大きめのソファ&アイロンが置かれた共用スペースが広がっていました。
さらに扉から出てみると、空港の滑走路が一望できるバルコニー。ホテルは滑走路の真横にあるため飛行機が飛び立つ際には風が強く、「砂が部屋に入って大変なことになるから窓や扉は必ず閉めてね」と言われるほどでした。
ハンモックも設置されており……
ゆらゆら揺られながら飛行機が飛び立つ様子を至近距離で見られるという、滅多にないシチュエーションが楽しめます。
1階には滑走路に面したバー&レストランもあります。
ここでは朝食やランチの提供が行われています。
ランチメニューの中の「魚の炒め物(STIR FRY FISH)(8.5オーストラリアドル/約700円)」を選択してみました。ご飯と一緒に魚野菜炒めが盛られています。
また、宿泊者は基本的に朝食が無料。朝食時になると、こんな感じでカウンターにパンやポットなどが並びます。
パンは自分でトーストする形。
シリアルもあり。
ポットの中にはお湯が入っていて……
インスタントコーヒーやティーパックから自分で飲み物を作ります。
デフォルトの状態で焼くとやや焦げましたが、気にせずバターをぬりぬり。
滑走路を眺めながら朝食をいただきます。
ちなみに、この滑走路は夕方や朝方の涼しい時間になると運動場と化し、老若男女がサッカー、ラグビー、バレーボールなどを行うようになるという独特の使われ方をしています。
滑走路はこんな感じ。
子どもたちは裸足なので、アスファルトだと痛いのか、その横の原っぱでサッカーなどを行っていました。
大人チームは靴を履いて本格的にプログラムをこなしている様子。
運動場と化す滑走路の様子は以下のムービーから見ることができます。
ツバル・フナフティ国際空港の滑走路でラグビーが行われている様子はこんな感じ - YouTube
滑走路のすぐとなりには民家が建ち並び……
なにやら料理を行っている人もいるなど、滑走路を歩くだけでツバルの人々の生活を垣間見ることができました。
なお、今回宿泊したFilamona Hotelの部屋は1泊105オーストラリアドル(約8500円)。ホテルの設備から考えると割高では?という印象ですが、そもそもツバルには泊まるところが少なく、価格競争がないための価格設定のようです。滑走路の隣には公道があり、滑走路側の部屋に当たると夜中まで自動車の走る音や人の笑い声が響いていましたが、飛行機の離着陸を間近で見られたり、ありのままの現地の様子を見ることができるという点で、なかなかアリの宿だと感じました。
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