子どもの空間認識能力を高める5つの簡単な方法とは?
頭の中で空間や立体をシミュレートする「空間認識能力」は日常的に必要となるスキルの1つです。空間認識能力は、建物の設計や機械のエンジニアリングなど、STEM(科学・技術・工学・数学)に関わる職業への適正にも大きく関わり、空間認識能力が数学的思考にも大きく影響するという研究も報告されています。そんな空間認識能力を子どもの頃から高めるために、親やまわりの大人ができる5つの工夫がまとめられています。
Five easy ways to boost children's spatial skills
https://theconversation.com/five-easy-ways-to-boost-childrens-spatial-skills-101029
◆1:空間言語を使わせる
「空間言語」とは「大きい・小さい」といったサイズを表す言葉や「円・四角・丸い・四角い」など物の形を表す言葉、場所・距離感に基づく言葉などです。空間言語の表現が豊富な子どもは、成長するにつれて空間認識能力が豊かに発達するということが判明しています。そのため、親が子どもに話しかける時、空間言語の使用を意識することが大切です。例えば、子どもに読んだ本を片付けるよう指示する時は、「片付けなさい」だけではなく、「読んだ本を本棚の元の場所へ戻しなさい」と、場所も含めて具体的に指示するべきといえます。
◆2:子どもとのコミュニケーションにジェスチャーを取り入れる
私たちは人に指示を与える時、空間言語をよく使用します。STEMではジェスチャーを使うことで空間的な問題をスムーズに扱うことができるといわれていて、ある研究ではジェスチャーの多い指導を受けた学生は問題解決のタスクをより効率的にこなすことができると示されています。親は、物事がどのように動くかを示すジェスチャーを子どもに示しながら空間言語を使用するべきといえます。
◆3:ブロックで遊ばせる
ブロック遊びには立体図形の回転・移動・配置が必要です。ブロックを使って遊ぶ子どもは、そうでない子どもよりも空間認識能力が優れているという報告があります。また、言葉も交えながらブロック遊びをする子どもは、空間言語を積極的に使う傾向があります。
◆4:ジグソーパズルで遊ばせる
ブロック遊びと同様に、パーツを回転させたり絵柄を考えて組み立てていくジグソーパズルは空間認識能力と密接に関わっています。子どもの頃からパズルを遊んでいると空間認識能力が上がるという研究結果も報告されています。
◆5:地図を使わせたり、自分で地図を作らせたりする
地図は私たちのまわりにある世界の位置関係を把握するためのツールです。地図を使うことによって自分のまわりの空間を把握することが可能になります。例えば、地図や矢印を使用した宝探しゲームは、子どもたちが楽しみながら物事を空間的に考えることができます。また自分で地図を作ることは、世界にある物事を空間的に表現する能力が求められます。
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