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Appleのサプライヤーであり世界最大級の半導体メーカーTSMCがウイルス攻撃を受けて工場が一時停止


AppleやQualcommといった大手メーカー向けのプロセッサー製造を担当している台湾の半導体メーカー・TSMCが、工場のシステムにコンピューターウイルスによる攻撃を受け、いくつかの工場が業務を一時停止せざるを得ない状況に陥っていると海外メディアのBloombergが報じています。

Computer Virus Cripples IPhone Chipmaker TSMC Plants - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2018-08-04/tsmc-takes-emergency-steps-as-operations-hit-by-computer-virus

iPhone supplier TSMC shut down factories after virus attack - The Verge
https://www.theverge.com/2018/8/4/17651448/iphone-supplier-taiwan-semiconductor-manufacturing-co-tsmc-virus-shut-down

TSMCは、AMD・Apple・NVIDIA・Qualcommといった大手メーカー向けに部品を供給している世界最大級の半導体メーカーです。TSMCがBloombergに語った内容によると、工場がコンピューターウイルスを用いた攻撃を受けて「多数の製造ツールに感染した」とのこと。攻撃を受けた工場の一部は業務を再開していますが、その他の工場は攻撃が発覚した8月4日以降も業務を再開できない可能性があるそうです。ただし、TSMCは「工場がハッカーに乗っ取られたというわけではない」としています。

TSMCのロラ・ホーCFOは、「これらのウイルス攻撃が当社の生産ラインに影響を与えたのは初めてのことだ」と述べています。なお、ホーCFOはウイルスにより業務を一時停止した工場がAppleへ供給する部品を生産するラインであるのかどうかは明かしておらず、ウイルス攻撃による損失がどのようなものになるのかも記事作成時点では不明です。


2018年秋、Appleを含んだ複数のIT企業が次世代製品をリリースしようとしており、例えばAppleはその秋に登場する次世代iPhoneの心臓部にA12チップを搭載する見込み。TSMCは2018年5月の時点で次期iPhone向けのA12チップの製造をスタートさせていると報じられています。秋を目前とした8月という時期は、「TSMCにとっては非常に重要な時期」であり、そんなタイミングでのウイルス攻撃はTSMCにとっては大打撃になり得るわけです。

なお、そんなTSMCで製造されているAppleのA12チップは、同社に過去最大の収益をもたらすと予想されています。

Appleの次期SoC「A12」を製造する7nmプロセスでTSMCは過去最高の収益を得られるとの予想 - GIGAZINE


また、A12チップのベンチマーク結果も流出しており、iPhone Xなどに搭載されているA11 Bionicからどれくらい性能がアップしているのかは以下の記事を読めばわかります。

Appleの次世代チップ「A12」のベンチマーク結果が流出、次期iPhoneはメモリ4GB&10%スピードアップか - GIGAZINE

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in モバイル,   ハードウェア, Posted by logu_ii

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