チャイコフスキーの「金平糖の精の踊り」と転げ落ちる3台のソリが完全にシンクロするムービー

「Line Rider」は2006年ごろにネット上で人気を集めたFlashゲームで、画面上にペンで引いた線の上をソリに乗った人が滑るというもの。ソリは物理法則にもとづいた動きをし、ジャンプ台を作ったり加速する線を引いたりしてソリを上手に走らせる快感は、多くのインターネットユーザーを魅了しました。そんなLine Riderを使って製作したムービーを、チャイコフスキーの「金平糖の精の踊り」と組み合わせた神業的なムービーがYouTubeで公開されています。

Dance of the Line Riders

ト音記号とヘ音記号の間から、ソリがスタートします。

ソリが段差をガタンゴトンと降りるタイミングが、「ズン、チャ、ズン、チャ」という「金平糖の精の踊り」の出だしとシンクロしています。ソリの頭上に書かれているのはメゾピアノの記号。

少し進むと頭上から2台目のソリが落下してきて……

チェレスタが奏でるメロディラインとタイミングを合わせて線の上で飛んだりぶつかったりしています。金平糖の精の踊りでは当時発明されたばかりのチェレスタをいち早く楽曲の中に取り入れており、チャイコフスキーは楽器を取り寄せる際にも「他の作曲家に知られないように」と言い添えるなど、チェレスタの神秘的な音色を最大限活用しています。

ついに2台目のソリは逆さまになりました。

そして2台仲良く落下。途中で空中の線とぶつかるタイミングも、メロディとドンピシャです。

一見すると曲線に見える線も直線が組み合わさったもので、しっかりと音の変化と連動していることがわかります。ソリはあくまでも物理法則にもとづいて動くため、線の位置や長さ、ソリのスピードや位置エネルギーなどを完璧に計算しなくては思い通りに動かせません。

2台のソリはつかず離れずの距離を保ちつつ、コースを軽やかに疾走。

バウンドしつつ転げ落ちるシーンは爽快感すら覚えます。空中に「13」と書かれているのは、楽曲の13小節目を著している模様。

落下してきたソリは……

ジャンプ台を利用して華麗にジャンプ。

あちらこちらにぶつかって勢いを殺したり加速したりしつつも、全てのタイミングが楽曲とシンクロしています。

すると、頭上から3台目のソリが出現。

一糸乱れぬ動きを見せる3台でしたが……

急に3台目がコースの下へ落下してしまいました。

続いて2台目も落下。

単独行となってしまった1台目のソリですが……

画面の下に見切れているジャンプ台から……

3台目のソリがまさかの復帰。

1台目と3台目が、交互に小ジャンプを繰り返す息の合ったソリさばきを見せます。

すると下の方から……

2台目のソリが飛び上がってきました。どうやら見えない部分で巨大なジャンプ台を滑ってきた模様。

3台のソリは交互にジャンプを決めるという、超高難易度技を披露します。

再び2台となったソリは加速し、楽曲の最も盛り上がる部分に合わせて走ります。

後方から加速して飛び出してきた3台目も合流し、一行はますます複雑になるコースの上で飛んだり跳ねたり。

もはや滑っているのか落ちているのかわかりませんが、それでも3台とも画面から意味もなく飛び出すこともなく、メロディに合わせて進みます。

うっかり落ちてしまいそうなコースでも、わずかな傾斜をつけることでソリが落ちないように工夫されていました。

楽曲のクライマックスで方々から落ちてきた3台が……

タイミングを合わせて1点で衝突。感動すら覚えます。

衝突したソリと人間がバラバラになって落下し……

人間とソリが線に引っかかってスルスルと滑ります。

バラバラだったコースは、最終的に五線譜の終わりとなりました。

作成者のDoodleChaosさんはさまざまなピタゴラスイッチ的なムービーを製作する人物。以下のYouTubeチャンネルから、DoodleChaosさんが作成したさまざまなムービーを見ることができます。

DoodleChaos - YouTube

なお、Line Riderは以下のリンクからプレイすることが可能です。

Line Rider
https://www.linerider.com/