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メモ

日本人夫婦のワイン醸造家が世界的に高い評価を受けるもフランスからの国外退去を迫られる


ワインの本場・フランスに渡って醸造技術や農業技術を修行し、今や世界的にも高い評価を受けているワイン醸造家の日本人夫婦が、地元の自治体から、所有しているヴィンヤード(ワイン用のブドウ畑)が経済的に持続不可能であると判断され、フランスでの活動が続けられなくなる危機に陥っていると報道されています。

Japanese winemakers face deportation from France despite making 'exceptional' red - The Local
https://www.thelocal.fr/20180702/japanese-couple-in-france-threatened-with-deportation-despite-making-exceptional-red-wine


Deportation threat to Japanese winemakers causes outcry in France
https://www.thedrinksbusiness.com/2018/07/expulsion-of-japanese-winemakers-causes-outcry-in-france/


ショウジ ヒロフミさんとリエさんの夫婦は2011年にフランスへ渡り、ブルゴーニュ地方でワイン醸造の訓練を受けました。そして2016年に、フランス南部のピレネー=オリアンタル県コリウールの近くにおよそ3.5ヘクタールのヴィンヤードを手に入れてワインの醸造をスタート。

ショウジさん夫婦が自然農法で生産したブドウで醸造したヴァン・ナチュール「Pedres Blanques」の2017年ヴィンテージは高い評価を受け、ミシュランで三つ星を獲得しているスペインのレストラン「アル・サリェー・ダ・カン・ロカ」など、世界の名だたるレストランからも注文を受けるほど。さらに、まだ生産されていない2018年ヴィンテージのワインも既に75%が予約済みとなっている状態です。

#pedresblanques

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しかし、2018年4月にピレネー=オリエンタル県は、ショウジさん夫妻のヴィンヤードは収益性が低く経済的に持続不可能と判断し、居住を拒否しました。モンペリエ地方行政裁判所が2018年9月6日に下す判定次第では、ショウジさん夫妻は居住認可の資格不十分と見なされ、フランスを離れなければならなくなります。

ショウジさん夫婦の弁護士であるJean Codognès氏は「行政の専門家は、二人のヴィンヤードが経済的に継続不可能だと主張しています。2018年ヴィンテージは既に75%が予約済みで、26万ユーロ(約3300万円)の収益が見込めるはずです。ショウジ夫婦は生活費や税金を全て支払った上で10万ユーロ(約1300万円)の貯蓄があり、さらに銀行から50万ユーロ(約6500万円)の融資を受けています。たとえ二人の作ったワインの値段がこれから上がっていったとしても、ショウジ夫婦のヴィンヤードは存続が不可能だと県は言い張っているのです。今回の事例は何もかもがめちゃくちゃです!」と疑問の声を上げています。

バニュルス=シュル=メールにある老舗ワイン専門店「The 9 Caves」のJan Paul Delliaas氏は「『Pedres Blanques』はもう何万本も売れて、店の在庫は既に売り切れています。レストランのクライアントのために2018年の分も予約している状況です。リエとヒロフミをフランスから離れさせてはいけません」とコメント。

また、インターネットでは「ショウジさん夫妻をフランスにとどめるべき」というピレネー=オリエンタル県知事に訴える署名が集められていて、記事作成時点で既に4万2000人以上が賛同しています。

Pétition : Non à l'expulsion des vignerons japonais de Banyuls !
https://www.mesopinions.com/petition/justice/expulsion-vignerons-japonais-banyuls/45260


ワイン評論家のアラン・ポーティ氏は「今回の件は、若いワイン醸造家がナチュラルワインを作るのがいかに大変かということを完璧に示す事例といえます。県が望む『経済的に持続可能なモデル』を彼らが作り上げるには、朝から晩まで身を粉にして働かなければならないのです」とコメントしています。

ショウジさん夫婦は行政の命令に対して異議を申し立ててはいますが、「フランスから望まれていなければ、私たちはこの地を離れるしかないでしょう」と語っていたとのことです。

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