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ワンタップで色を変えられる生地「ChroMorphous」が登場、服の色をスマホからコントロール可能に


ワイヤレススピーカーやスマートライトを制御したり、Netflixやプライム・ビデオのようなストリーミング配信サービスの番組を選択したりと、スマートフォンはさまざまなデジタル機器とワイヤレス接続することで、いろいろなサービスのリモコンとして使用することができるようになっています。CREOLの研究チームが開発した最新の生地「ChroMorphous」を使えば、IoT製品をスマートフォンで操作するように、自身が着用している服の色を手元の画面をタップするだけで自在に変更することができるようになります。

ChroMorphous - Color Changing Fabric


Research Scientists Debut ChroMorphous, A Color-Changing Technology | Digital Trends
https://www.digitaltrends.com/mobile/chromorphous-color-changing-technology/

CREOLの研究者たちが、既存の「色が変化する生地」とは一線を画する、「繊維そのものの色が物理的に変化する」生地を開発しました。研究者たちが開発した「繊維そのものの色が物理的に変化する」生地は、「ChroMorphous」と名付けられています。

「ChroMorphous」の製織に使用されている機械は一般的な工業用織機と同じものですが、機械を改造して各糸の内側にマイクロワイヤーを通せるようになっており、電流を流すことで繊維の温度を少しだけ上昇させられるようになっています。繊維には温度変化に反応して色を変える「サーモクロミック顔料」が含まれているので、電流を流して温度を上昇させることで生地全体の色を変化させることが可能となるわけです。

「ChroMorphous」は繊維を回転させる機械を使用して原材料から作られており、その様子は以下のムービーで見ることができます。

ChroMorphous manufacturing Demo - YouTube


生地「ChroMorphous」は一見普通の布にしか見えませんが、綿やポリエステル製の生地というよりは、キャンパス生地のような目の粗い生地に見えます。「ChroMorphous」は糸の中にマイクロワイヤーを通しているためどうしても糸が太めになり、その結果目の粗い生地になってしまう模様。研究チームはより滑らかで柔軟な生地にできるように、より薄い繊維を製造するための研究開発に取り組んでいるとのことです。


以下の写真に写るバックパックのグレー生地が「ChroMorphous」です。左右の写真を比べると、左が無地で右がボーダーに見えます。このように自由に色を変化させることでひとつのアイテムで複数の見た目を実現できるのが、「ChroMorphous」の強みとなります。


CREOLのアイマン・アブラディー博士は、「Googleも金属線(導電性の糸)を織るという手段を取っています。ChroMorphousはワイヤーが繊維の中に織り込まれているわけですが、とても自然で、実際に触れることはできません」と説明しています。

アブラディー博士が「ChroMorphous」と同じようなアプローチを取っている事例として挙げたのは、Googleの布地にセンサーを織り込むプロジェクト「Project Jacquard」です。GoogleはProject Jacquardの一環としてリーバイスと共同でスマートGジャンの 「Levi's Commuter Trucker Jacket」を発表しており、既に市販されています。

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「ChroMorphous」は技術的に新しいわけではなく、2017年9月にはファッションデザイナーのJulianna Bassさんが似たようなコンセプトの服をショーで発表しています。

「ChroMorphous」では、iPhoneアプリ上でボタンをタップするだけで生地を単色からパターンに切り替えることが可能です。アプリのインターフェースはまだ開発初期段階とのことで、現時点ではアプリはWi-Fi経由でしかスマートフォンと接続できないとのこと。今後はBluetoothでの接続をサポートし、ユーザーがアプリ経由で実現可能なパターンを完全に制御できるようにすることを目標としています。なお、「ChroMorphous」はあらゆる色に変化できるわけではないので、変化可能な色の中からユーザーが好みの色を選択することになる模様。ただし、これはあくまで記事作成時点での話であり、研究チームは任意の色に変化可能な生地の開発に取り組んでいるとのことです。

「ChroMorphous」が別の色に変化するには約45秒かかるそうですが、これはより高速にすることも可能とのこと。ただし、そのためにはより多くのエネルギーが消費されることとなります。また、「ChroMorphous」は取り外し可能なバッテリーとコネクターを外せば洗濯することも可能。ただし、乾燥機を使うのではなく自然乾燥させることが推奨されています。また、シワがある場合はスチームアイロンでアイロンがけすることも可能です。

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in ハードウェア,   サイエンス,   動画,   デザイン, Posted by logu_ii