広告ブロック機能の雄「Adblock Plus」は違法と訴えるも最高裁の下した判決は「合法」
インターネット上からわずらわしい広告を削除して快適なブラウジングを可能にするのが広告ブロック機能ですが、ウェブサイト上に表示される広告からの収入で成り立つウェブメディアなどにとって、広告ブロック機能は天敵と言うほかない存在です。そんな出版社と広告ブロック機能の戦いは裁判所を舞台に巻き起こっているのですが、ドイツの出版社であるAxel Springerが広告ブロック機能の雄・Adblock Plusを相手に起こした訴訟の判決が下り、またしても「Adblock Plusは違法ではない」という判断が下されています。
German supreme court rejects ad-block challenge - BBC News
http://www.bbc.com/news/technology-43838308
「Adblock Plus」はウェブサイト上のポップアップ広告を非表示にし、インターネットユーザーがウェブサイトからトラッキングされることを防ぐために広く使用されている広告ブロック機能のひとつです。Adblock Plusはドイツ・ケルンに本拠地を置く有限会社Eyeoにより開発されたソフトウェアで、同社によるとこれまでにPC版が4億回以上ダウンロードされています。
Adblock Plusにはモバイル版も存在しており、iOS版ならばApple純正のウェブブラウザであるSafari上から広告を削除することが可能となります。
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そんなAdblock Plusなどの広告ブロック機能への対策をいち早く実行に移したのがドイツの出版社であるAxel Springerです。同社は運営するタブロイド紙ビルドのニュースサイト上で、AdBlock Plusなどの広告ブロックサービスを利用するユーザーにはサイト内コンテンツが一切見えなくなるよう「広告ブロックユーザーのブロック」を実行しました。記事作成時点の2018年では、広告ブロックサービスを利用しているユーザーがサイト内コンテンツを閲覧できなくなるというケースは複数存在しますが、2015年当時はかなり大胆な施策として話題となりました。
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Axel Springerは「広告ブロックユーザーのブロック」について、メディアを運営するための資金は広告収入から成り立っており、ウェブサイトを閲覧する際に広告ブロック機能を使用されては困ると主張していました。
また、Axel Springerは運営するウェブメディア上で広告ブロックユーザーをブロックするだけではなく、広告ブロック機能のひとつであるAdblock Plusに対して、「一部の広告をホワイトリスト化することでAdblock Plusをオンにしていても表示させるようにしている」と主張。このホワイトリストが不公正な競争につながり、ドイツ・ケルンの法律に違反するとして訴訟を起こしていました。
この訴訟の判決が2018年4月になって下されることとなったわけですが、ドイツの連邦最高裁判所はAxel Springerの主張に同意せず、ソフトウェアを使用するかどうかは個々のユーザーに一任されているため、法律が破られているということはないとしています。
Eyeoはドイツ最高裁判所の判決を歓迎し、「ドイツの最高裁がインターネットユーザーが望まない広告をブロックする権利を認めたことに興奮しています」と述べています。対して、Axel Springerのメディア法部門のトップを務めるクラース・ヘンドリック・ソーリング氏は、「フリーメディアの心臓部への攻撃だ」と判決を批判しています。
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