宇宙は地球からいったいどれだけ離れているのか?


ユーリイ・ガガーリンが人類として初めて宇宙飛行を行い、「空は非常に暗かった。一方、地球は青みがかっていた」と話した50年以上前に比べて、現代は宇宙がずっと身近になりました。日本人の宇宙飛行士が国際宇宙ステーションで活躍するニュースもたびたび報じられますが、果たして地上から何メートルの高さから「宇宙」と呼ぶべきなのかという疑問について、グリニッジ王立天文台がアップロードした以下のムービーで説明されています。

Where does Space begin? on Vimeo


「宇宙」と呼べるようになるにはどれだけの高度が必要なのでしょうか?


まず地上から約12キロメートルまでは「対流圏」と呼ばれます。対流圏は大気圏の最も低い部分に広がり、可視光線や電波が届きます。


対流圏の大気は水蒸気を多く含むため、雲ができ、天候が生まれます。また、大型の飛行機が飛ぶ高度1万メートル付近はマイナス40~50度という寒さになっています。


さらに地上から離れると、50キロメートルまでは「成層圏」と呼ばれるエリアとなります。成層圏は対流圏と異なり高度が上がるほど気温が高くなり、成層圏の最上部ではマイナス15度から0度になることも。


その理由は、太陽から飛んでくる強い紫外線です。


しかし、私たちが住んでいる地表に届く頃には、紫外線はかなり弱くなっています。なぜなら、成層圏の中にあるオゾン層が紫外線を吸収してくれるからです。オゾン層が吸収した紫外線のエネルギーによって、成層圏の気温が対流圏より高くなるというわけです。


さらに地上から離れて、高度85キロメートルまでは「中間圏」と呼ばれるエリアです。


宇宙には流星物質と呼ばれる小さなチリが無数に存在しています。このチリが地球の重力に引かれて大気圏に突入すると、燃え尽きるまで発光します。


私たちが海岸でロマンチックに眺める流れ星は、中間圏でチリが燃え尽きている姿なのです。


地上から高さ100キロメートルにはカーマン・ラインと呼ばれる境界線が存在します。ただし、この境界線は人間が設定した仮想的なものです。


航空工学の父とも呼ばれるハンガリーの航空工学者セオドア・フォン・カルマンにちなんで名付けられたこの線は、まさに「大気圏と宇宙の境界線」として設定されています。1950年台に宇宙開発の研究が盛んだった頃、地球の大気圏を脱出するための軌道速度を計算する際に、大気圏と宇宙の境目として海抜高度100キロメートルが設定されたことが始まりです。


今では、ロケットや人間がこのラインを超えた時、初めて「宇宙に到達した」と見なされます。つまり「地球と宇宙の境目は高度100キロメートル」ということができます。なお、東京から茨城県の大洗町までが直線距離でおよそ100キロメートルです。


しかし、厳密にはこのカーマンラインよりも高いところにも大気は存在します。地上から800キロメートルまでは熱圏と呼ばれます。太陽からのエネルギーにさらされ、熱圏の大気分子は2000度相当の温度を持つこともあります。ここで言う温度は体感的なものではなく、あくまでも分子の振動量を意味します。


太陽から飛んできた粒子が、熱圏の大気の分子にぶつかるとエネルギーの状態が変化し、元に戻ろうとする時に発光します。


この粒子の発光がオーロラの正体です。私たちがロマンティックだと思って眺めているオーロラは、実は太陽から飛んできた粒子が起こす物理現象なのです。


熱圏には国際宇宙ステーション(ISS)・スペースシャトルハッブル宇宙望遠鏡、他にも数々の衛星が飛び交っています。


熱圏よりも外側には外気圏と呼ばれるエリアもありますが、ここまで高度があがると大気は非常に薄くなり、重力による影響も弱くなっているため、宇宙空間とほとんど同じと言えます。


なお、地上から約38万キロメートルで月に到達します。


さらにそのはるか遠くには、火星や木星が太陽を中心に回っているのです。

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in サイエンス,   動画, Posted by log1i_yk