脳の一部が巨大な空洞になってしまった男性が報告される


北アイルランド在住の84歳の男性の頭部をCTMRIでスキャンしたところ、脳の右前頭葉に直径9cmほどの空洞が存在していることが発覚しました。

The man that lost (part of) his mind -- Brown and Vahidassr 2018 -- BMJ Case Reports
http://casereports.bmj.com/content/2018/bcr-2017-222892.full?sid=dc43cb31-06f4-440b-8895-5087d9fe74ca

Doctors shocked by 3.5-inch air bubble where part of man’s brain should be | Ars Technica
https://arstechnica.com/science/2018/03/doctors-shocked-by-3-5-inch-air-bubble-where-part-of-mans-brain-should-be/

この男性は数カ月前から平衡感覚が悪く、転倒をくり返していたため、医師に相談していたとのことです。検査を行う3日前になると、男性は突然左脚、左腕に力が入らなくなったと医師に訴えました。医師は症状から脳卒中を疑っていたようですが、CTスキャンを行ったところ、脳の右前頭葉に直径9cmほどの大きな空洞が存在していることを発見しました。


この男性は血液検査の結果や視覚、発声に問題はなく、また認知症や顔面まひの症状はなかったとのことで、左半身の異常を除けば健康そのものだったと医師らは報告しています。さらに男性はタバコも吸っておらず、酒もほとんど飲むことはなかったそうです。

男性を診察したフィンレー・ブラウン医師は「通常、このような空洞は過去に脳手術を受けた経験がある人に発症します」と語っており、脳手術を受けたことがない男性に空洞が発生したというケースは、かなり稀だとのこと。


この男性の頭蓋骨を詳細に調べてみたところ、副鼻腔内に小さな良性の骨腫瘍があり、この腫瘍が副鼻腔から頭蓋骨への一方向のみに空気を送りこむ弁のような働きをしている可能性があることが判明しました。

ブラウン医師は「この男性が匂いを嗅いだり、くしゃみやせきをしたときに、頭の中に少量の空気を押し込んでいた可能性があります」と語っており、少量の空気の流入が積み重なることで、脳内の血管が圧迫され血流が悪くなり小規模の脳卒中が発生した可能性を指摘しています。

医師は男性に頭蓋骨内の空気を取り除き、さらに骨腫瘍を除去する手術を薦めたそうですが、男性は年齢などを理由に手術を断り、服薬による温存療法を選んだようです。そして3カ月後には、この男性の左半身の異常は解消し、良好な状態に戻ったことが報告されています。

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in サイエンス, Posted by log1j_ty