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休み明けから最高のスタートを切る「最高の休日の過ごし方」とは?

by Carmela Nava

平日の仕事を終え、ようやく到来した休みの日をどうやって過ごそうか、仕事の間もつい考えてしまう人も多いはず。「休みの日くらいは何もせずのんびり過ごしたい!」と思っている人もいますが、実は休みの日に何もせずに過ごしてしまうと、休み明けの仕事日に充実したスタートが切れないそうです。多くの人が勘違いしているかもしれない「休みの日の過ごし方」について、「The Weekend Effect(週末効果)」の著者でありカナダの文学賞「ギラー賞」受賞作家であるKatrina Onstadさんが述べています。

The best weekend activities are most likely not the ones you're currently doing — Quartz
https://qz.com/1012585/the-best-weekend-activities-are-most-likely-not-the-ones-youre-currently-doing/

平日に長時間労働を強いられたり、深夜まで作業をする日々を過ごした人は、「メールやスプレッドシートに煩わされずに週末を過ごせた」というだけで「いい週末だった……」だと思いがち。また、ソファーでだらだらしながらスポーツ観戦にNetflix、ネットショッピングにFacebook巡りを行い、パーティーでストレスを思い切り発散することが「最高の週末」だと考えている人も多いかもしれません。


しかし、Onstadさんはこういった休日の過ごし方を「悪い週末の過ごし方」だと断言します。カルガリー大学の社会学者であるロバート・ステビン氏によると、私たちが行う「レジャー」は大きく2種類に分類できるとのこと。1つが「カジュアルなレジャー(軽い余暇)」で、飲酒やオンラインショッピング、Netflix巡りなどがこれに該当します。カジュアルなレジャーは思い立った瞬間からPCやスマートフォンで簡単に楽しむことが可能で、受動的な楽しみとなります。ドーパミンを手軽に放出してくれるカジュアルなレジャーは、仕事で疲れきった人々を簡単に癒やしてくれます。

もう1つが「シリアスなレジャー(真剣な余暇)」です。こちらはソファーに寝そべりながら手軽に楽しめるカジュアルなレジャーとは違い、目標達成に向けて努力し、追求する必要があるものだとのこと。友人たちとバンドを組んで演奏することでも、切手の収集でも、あるいはもっとくだらないことでも、定期的に自分の技量を高める必要がある挑戦的なレジャーのことをシリアスなレジャーと呼びます。

by Sheila Tostes

シリアスなレジャーは必ずしも自分がプロフェッショナルである必要はなく、アマチュアレベルであっても「上達したい」「もっとすごいことがしたい」という真剣さがあればOKだとOnstadさんは述べています。シリアスなレジャーを追求することは、アメリカの心理学者アブラハム・マズローが提唱した「自己実現」につながるものであり、カジュアルなレジャーでは自己実現を達成することはできないとのこと。

しかし、「シリアスなレジャーといわれても、平日の仕事が忙しすぎて週末に体力が残っていない」という人も多いのではないでしょうか。Onstadさんは人々が週末にシリアスなレジャーを行う体力が残っていないことに関連して、1932年にイギリスの哲学者バートランド・ラッセルが出版した「怠惰への賛歌」が懸念した「効率性のカルト」について言及しています。

ラッセルは機械化の波が広がり、人々が「効率性のカルト」にとらわれてしまったと述べています。仕事の間は絶え間なく効率性に追われ、仕事で全ての体力を使い果たしてしまうようになった結果、都市に住む人々は映画を見ること、サッカーの試合を見ること、ラジオを聞くことといった受動的な楽しみを好むようになったとのこと。ラッセルは「彼らが効率性のカルトにとりつかれていなければ、もっと積極的な楽しみによって喜びを得ていただろう」と語っており、20世紀前半にも仕事で疲れ果てた人々は休日をカジュアルなレジャーに費やしていたことがわかります。

現在では「効率性のカルト」がさらに厚みを増しており、人々は深夜までオフィスに縛り付けられ、さまざまなデバイスによって家の中や休日でも仕事を行えるようになってしまいました。「あなたが『仕事=シリアスなレジャー』と断言できないのであれば、週末にシリアスなレジャーを行う体力を残しておけるよう、『平日に全ての力を出し切る』という仕事に対する考え方を変えることを検討してみてもいいかもしれません」とOnstadさんは述べました。

by Kevin O'Mara

有意義な週末の過ごし方とは、脳みそのスイッチを切ってひたすら手軽な娯楽に没頭するのではなく、貴重な時間を使って意味のある追求を行うことです。達成したい目標は難しければ難しいほど、あなたの週末は有意義なものになり、休み明けの月曜日にも達成感を感じつつ仕事に打ち込むことができます。何かに時間の流れも忘れて没頭するフロー状態は、前頭前野の活動を一時的に低下させ、脳の他の部分が普段よりも活性化し、より創造的な発想を可能にするとのこと。

また、週末のレジャーをより有意義にするものとして、Onstadさん「社交を深めることが重要だ」としています。例えば宗教的な行事は地域の人々が同じ時間、同じ場所に集まることで、世代を超えた信頼を持った集団を形成します。孤独が体に深刻な影響を与えることはよく知られていますが、社交を深めることで孤独を回避することが可能。

by Sylvie burr

シリアスなレジャーは自分に対しての利益になることだけでなく、他の人の利益になることでもOKだそうで、ボランティア活動に打ち込むことも立派なレジャーといえます。(PDFファイル)2010年の調査によると、利他的な活動に時間を費やすと「非常に有意義なことをした」という実感がもたらされ、体感した時間も長く感じられるとのこと。

もちろん、純粋に自分の楽しみのために遊ぶことも必要だとOnstadさんは述べています。この純粋な遊びは普段の仕事と違い、トラッキングツールでどれくらいの時間遊んだのかを計測する必要も、開始と終了の地点を設定する必要もありません。遊ぶことを過度に抑制すると精神に深刻な影響を与えることも確認されており、シリアスなレジャーにとりつかれるあまり、禁欲的に自分を追い詰めるべきではありません。

何もしない週末も素晴らしいものですが、時には「シリアスなレジャー」に打ち込み、自己実現を追い求める週末を過ごしてみるのも休み明けから充実感を感じるための1つの手。「シリアスなレジャーを行った次の月曜日に、あなたはその恩恵を受けるでしょう」とOnstadさんはまとめています。

by Tinou Bao

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in メモ, Posted by log1h_ik

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