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将来は「週15時間労働」や「1年間に6ヶ月間労働」になるかもしれない理由とは?

By Pablo Fernández

世界で最も睡眠時間が短いのは「日本人」ということがライフログデータから明らかになっており、長時間労働が常態化した企業は「ブラック企業」と呼ばれ問題視されています。多くの国では「週40時間労働制」が採用されていますが、さらに適度な「余暇」を持つことが新しいクリエイティビティを生み出し、将来的には労働時間が「週22時間」や、労働日数が「1年に6ヶ月間」になるかもしれない理由についてCNNがまとめています。

Leisure is the new productivity - CNN.com
http://edition.cnn.com/2015/01/12/opinions/schulte-leisure-productivity/index.html


CNNが取り上げた「余暇が新しい創造性を生み出す」というコラムを書き上げたのは、「ワシントン・ポスト」およびアメリカの問題を分析するシンクタンク「New America」で勤務するブリジッド・シュルテ氏。専門家の視点で余暇を作ることが創造性と生産性を向上する、ということを指摘しており、国家が取り組むべき問題であると提示しています。

◆余暇の重要性
歴史の有名人たちも余暇の重要性を述べており、世界4大会計事務所(BIG 4)の一角を占めるKPMGのユージーン・オケリー元CEOは、末期の脳腫瘍を患った時に、「もし仕事に集中する時間をもっと家族と過ごしたらどうなるだろうか?もっと創造的に、生産的になるのではないだろうか?」と考えて実行に移したとのこと。

「最後の晩餐」を制作していた時のレオナルド・ダ・ヴィンチは、数時間に一度は絵を描かずに白昼夢を見ていることが多かったとのこと。ダ・ヴィンチのパトロンだったサンタ・マリア・デレ・グラツィエ教会が彼に作業を中断せず働くよう促すと、ダ・ヴィンチは「本当の天才は他の人より働かなくてもやり遂げるものだ」と返答し、実際に後世にわたって残る大作を完成させました。


◆適正な余暇
現代では多くの国で、月曜日~金曜日までの5日間を1日8時間働く「週40時間労働」が法律で定められています。世界の標準労働時間が1日12時間だった時代に、フォード・モーターの創設者ヘンリー・フォード氏は、週に6日、48時間働いていた工場の従業員の労働時間を週40時間に変更しました。「土曜日を休日にする」という決定に経営陣は強く反論しましたが、疲れ果てる前に余暇を得られるようになった労働者たちのミスは減り、効率性や生産性が向上。数年後には「週40時間制」は世界的な標準となりました。

◆週40時間から週15時間へ
そんな週40時間制ですが、現代においては「非効率な制度」という指摘が表れ、週休2日制から「週休3日制」を導入する企業も増加しています。「ケインズ経済学」で知られる経済学者のジョン・メイナード・ケインズ氏は、「2030年までに1週間の労働時間は15時間になる」と予測しており、他にも「週22時間労働」「1年間に6ヶ月労働」になるという予想や、「定年が38歳」と考える専門家もいるとのこと。


対照的にアメリカのホワイト・カラー労働者の労働時間は他の先進諸国に比べて長く、同じく長時間労働が問題となっている韓国では、全てから逃げ出すための「刑務所体験」が流行していることをウォール・ストリート・ジャーナルが報じています。日本では「過労死」が社会問題となっており、海外では働き過ぎによる死を意味する「KAROSHI」という英単語が生まれるなど、労働時間の短縮は国家的に取り組まなければ解決できない問題となっています。

◆「余暇」が生み出す効果とは?
英語圏には「ひらめいた瞬間」を意味する「Aha! experience(アハ体験)」という英単語がありますが、心理学者のジョン・コウニオス氏が行った脳波調査によると、「アハ体験」時の脳は落ち着いていてリラックス状態にあることがわかっています。神経科学の分野では余暇中の人の脳の活動が無意識に活発的になる「デフォルト・モード・ネットワーク」という現象も確認されています。物理学者のリチャード・ファインマン氏は、ぼんやりと食堂でサボる生徒を見た後に計算を行う、という方法によって量子電気力学について説明する「ファインマン・ダイアグラム」にたどり着き、ノーベル賞を受賞したとのこと。

現代人は余暇を「もったいない」と考えてしまいますが、長時間労働の非効率性は見直されつつあり、1万時間の練習で一流になれる「1万時間ルール」は万能でないという見解も登場しています。体感しづらいものですが、目標に向かって長時間労働するよりも、「余暇」の持つ効果が認識されることが必要とされています。

By Андрей Голубев

◆労働時間とGDP(国内総生産)
ノルウェー・アイルランド・デンマークやGDP上位国のフランスでは、毎年30日間以上の有給である「バケーション」を取得でき、労働時間超過や労働時間外の仕事関連のメール送受信に至るまで、法律で厳しく取り締まられています。以下は各国の年間最低有給日数を算出したもので、日本は10日間ですが、アメリカはなんとゼロ。余暇が多い労働制度でも、効率的に生産できることが証明されています。


「余暇」の重要性が広く認識されていけば、将来的に法律や保険制度が整備されて、労働時間は短くなっていくのかもしれません。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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